2020年2月3日月曜日

国産レアアースに挑戦だ

20200120(月)の朝日新聞・朝刊に、以前から気にしていた深海の地下に存する資源開発の研究についての記事が出ていた。

かって、何年か前にテレビにてその概要を知ったが、その後はどうなっているのか、そんなことは見も知らぬまま、今まで過ごしてきた。
私の息子も、このようなこととは多少関係ありそうな仕事に携わっているものだから、私が気にするのは当たり前の話なんだろうが。
以前にテレビで見た当時の画面では、簡単なイラストじみたものだったので、気にはしても脳の全てが回転するほどの反応は示さなかった。



★新聞記事をそのまま転載させていただきました。

日本近海の海底下に存すると見込まれている資源・レアアース(希土類)について、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などが採掘に向けた研究を進めている。
深海底からの採掘は前例がないが、2022年度に実用化につながる技術の確立を目指す。

レアアースは電気自動車やスマートフォンなどの精密機械に欠かせない資源で、生産の約70%は中国が占めている。
東京大の研究グループは12年、南鳥嶋周辺の水深6千メートルの海底下で、レアアースを豊富に含む泥を発見。
埋蔵量は国内需要の200年分以上に相当すると推定された。


重要金属豊か
国は18年から、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一つとして、埋蔵量の調査や採掘技術の開発などを目指す「革新的深海資源調査技術」を開始。
日本の排他的経済水域で1年4か月かけ、海洋地球研究船「みらい」を使うなどして、水深約6千メートルの下の地層61か所から試料の泥をとった。

昨年11月に報告された46か所の分析結果では、泥中では、泥中のレアアース濃度は、最も高い部分で6220ppm(0・62%)、試料1本の最高平均では3110ppm(0・31%)だった。
ネオジムやジスプロシウムなど重要な金属が豊富にあった。

テーマリーダーの荒井昇作・産業技術総合研究所副研究部門長は「有望な開発地点を絞り込みつつある」と話す。
今後、無人探査機を使った調査も進めるという。


採算性が課題
大きな課題は、効率的な採掘技術だ。
地球深部探査船「ちきゅう」と海底をパイプでつなぎ、その中にドリルパイプを通す方法が現在検討されている。

ドリルパイプで船と海底の間で水を循環さあせながら先端のドリルで海底の地層を掘削。
外側のパイプとドリルパイプの間に押しあげられたレアアースを含んだ泥み水を、循環流にのせて回収する。

23年度には「産業化に道筋」として、1日当たり350トンを回収する技術の開発を目指しているが、採算が見込める1日の回収量は3500トンで、その1割程度にとどまる。
循環流の圧力に地層が耐えられない懸念もある。

水深6千メートルの海底にある地層から資源を否定的に産出するのは世界でも例がない試みで、深海底で層状に分布するレアアースをどのように移動しながら掘るのかという問題など見通せない要素は数多くある。

SIPのプログラムディレクターで、海洋での石油や天然ガスの開発に長年携わってきた石油資源開発株式会社の石井正一顧問は「資源の量についてはもう少し精査が必要だが、非常に有望だと思っている」と話している。

(合田緑)