2006年12月22日金曜日

「超一流」の言葉の繊細さ

私の感性は、もはや超一流のアスリート並みに達してきている?のかな。今回、松坂大輔のレッドソックス入団発表の記者会見での彼のコメントは、私も、大いに聞き耳を立てた。テレビの前で釘づけになった。さすが、松坂なら、やっぱり、このようにコメントするのだろうなと感じた。結果はどうなるか、解らないけれど、自信満々の表情から、当然の言辞だ。満を持しての登場。私まで、マウンドに登りたいと、興奮した。

それから、松井秀喜のコメントだ。このコメントも、スポーツ紙で読んだその時、彼ならば、そのように発言するだろう、と思った。

じとっと、彼の心境を理解できた。

そんなことが、新聞社の記者には、ネタになるのだ。文章を綴れる能力を持っている人が羨ましい!!わ

「超一流」の言葉の繊細さ 

2006 12 19 朝日より

アスリートの発する言葉の繊細さに驚くことがある。

「元々、僕は夢という言葉は好きでない。見る事はできても、かなわないのが夢。大リーグで投げられると信じて、目標にしてやってきたので、今ここにいると思う」

レッドソックスの入団が決まった松坂大輔のボストンでの記者会見だった。「夢が実現したが」という質問に答えた。「夢」という言葉を彼はきちんと定義し直した。

超一流の選手たちは、独特の感性を持ち、それを言葉にする。例えば、イチローはこんな言葉を残してきた。首位争いをしているとき、ライバルの名をあげられると、「他人の打率は僕にコントロールできない。意味のない質問ですね」。「自分にコントロールできることとできないことを分ける。自分で制御できないことに関心をもたないことです」。

ヤンキースの松井秀喜のセリフがイチローのそれに似ていて驚いたことがある。入団1年目、不調が続いた時、ニューヨークのマスメディアにバッシングされた時だ。「人の書く記事を僕はコントロールできないでしょ。だから全く気にならないですよ」

ニューヨークよりも厳しいかもしれないボストンのマスコミに対しての心構えとして、松坂への有効なアドバイスにもなるだろう。

「目標」という言葉にも、厳密な定義を与えたアスリートの一言も忘れられない。スピードスケートの長野五輪金メダリスト、清水宏保はこういった。「目標とは達成すべき結果のことです」

「夢と目標」。漠然と口にしがちな言葉に、彼らは人生の意義をこめ、再生させる。