2008年2月4日月曜日

福も鬼も、内へ来い!!

2月3日は、節分だ。

今までは、大豆の煎り豆を「福は内、鬼は外」と言いながら、家の内外にまいたものでした。子供が小さかった頃、自宅のチャイムを鳴らして帰宅を知らせると、女房が走ってきて、私はにわか作りの鬼にさせられ、子供等から豆の集中攻撃を受けるのでした。鬼の面をかぶった私に、「鬼は外」と。それから、去年は孫に「鬼は外」と言って豆を投げられた。豆をまくことで邪を追い払う。早く冷蔵庫のビールを飲みたいのに、一通り怖い鬼を演じないと家に入れてもらえない。私は、いつも(邪)鬼だった。

私の代わりに犬のゴンが鬼役を引き受けてくれたこともあった。鬼の面を紐で結びつけられ豆を投げつけられた。その豆を拾い食いしてお腹をこわし、ゴンは引退した。ゴンにとっては、人間こそ鬼だったのではないのか。優秀な犬だったから、馬鹿な人間どもにも、嫌々ながらもよく付き合ってくれた。

でも良く考えてみると、「鬼は外」ばかり言われ放しでは、余りにも鬼は可哀想ではないか、と思うようになった。鬼さんだって、たまには皆と楽しく過ごしたいと思っているのではないのか。歳のせいかな。私は、今年で60歳だ。

今夜は「福も鬼も、内へ来い」と掛け声をかけようと思っている。

私の田舎、京都府綴喜郡宇治田原町の節分には、住宅や農機具小屋、牛舎、蔵、便所(かって、水洗ではなかったので別棟になっていた)の入り口と出口に、ヒイラギの枝の先に生の鰯(いわし)の頭を刺して、掲げるのです。鰯の本体は焼き魚として夕餉のおかずとしていただいた。ヒイラギの葉には棘のようなものがあって、鬼を嫌がらせるのです。鰯の頭は臭くて、鬼が近寄りたがらない。このようにして、鬼から、我々の生活を守ろうとしたのです。