2008年6月14日土曜日

民主党が失ったもの

6月11日、参院では福田首相の問責決議が賛成多数で可決された。そして、12日衆院で、内閣信任を賛成多数で可決したのだ。そして奇怪なことに、民主党は今国会では、衆参両院で審議に応じない方針だと聞く。21日まで、会期を延長されるのに、審議に応じない〈怒り〉、なんてどういうこっちゃ。小沢党首、将来の内閣総理大臣殿。
参院には政権の存否を決める権限はない。問責決議には法的な拘束力はない。民主党は、問責決議をもって、福田内閣の不信任を決議したとでも思っているのだろうか?衆院の内閣不信任決議こそが、内閣総辞職か、衆院解散のいずれかの選択を義務付けられているのだ。
そっけない福田内閣に審議には応じません、と宣言するそのココロは何が根拠なのですか。菅さん、民主党代表代行殿。
政権を取りたい気持ちは良く分かる。後期高齢者医療制度に対する批判が、与党に対して日に日に高まっている。最近実施された2回の国会議員の補選では2回とも自民党に勝った。ねじれ国会の恩恵か、社会保険庁の年金事務処理が間違っていたり、入力されていなかったり、国土交通省の遊興費の無駄な使い方や官僚の”居酒屋タクシー”が露見した。タクシー券を利用してくれる官僚にビール、つまみ、金品等が渡されていた。こんな今こそ、与野党逆転の環境を作っておくいいチャンスなのだ。ここでこそ、戦後長く続いてきた高級官僚から窓口業務の担当者まで、徹底的に腐敗や規律の乱れを正して欲しいのです。それができるのは、自民党ではなくて、民主党なのです。
今こそ国会の舞台で、火花のはじける審議をして貰いたい、と国民は願っているのに、国会では党首対決を避けようとする民主党。私は、口ベタなので、なんて言っている場合ではない。
ここは、民主党は徹底的に自民党を批判し、そして独自の対案を用意して、貪欲に闘ってくださいな。そうすれば民主党の支持率は、必ずウナギ昇りだ、とは誰もが思っているのに。このままでは、自民党は駄目、民主党も駄目、みんな駄目になっちゃいそうだ。公明党も見ちゃおれんわ。
なんとかしてくれ、と願うばかりです。
上の文章を綴っていたら、膠着状態の日朝関係に動きが出てきた。
この問題についても、国会のなかで、討論しなければならないのではないのか、民主党さん。
政府は13日、北京で11,12の両日行われた日朝の外務省実務者公式協議で、北朝鮮側が日本人拉致問題の再調査を約束し、日航機「よど号」ハイジャック事件関係者の日本への引渡しに向けて調整することで合意したと発表したのだ。
福田首相は記者団に力を込めて次のように語った。「交渉しなければ解決しない。交渉しないで、解決しなければ良いのか。そうはいかない」
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民主党が失ったもの
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20080611 朝日夕刊 論説委員室から
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どうにも胸にすとんと落ちない。
日本銀行審議委員に慶大の池尾和人教授を充(あ)てる国会同意人事について、採決を見送った民主党の判断のことだ。
民主党はこの人事に賛成することで党内手続きを終えていた。これに横やりを入れたのが、参院で統一会派を組む国民新党である。池尾氏が郵政民営化推進論者であることを理由に「賛成なら会派解散だ」と申し入れたのだ。
小政党の国民新党が参院第1党である民主党の勢力をテコに自説を通そうとする試みをすべて否定する気はない。
問題はその行動に説得力があるかどうかだが、日銀審議委員は郵政民営化に批判的でなければならないという理屈に納得できる人がどれほどいようか。
「同意人事は適任かどうかで判断すべきだ。政党の多数派工作や会派の維持という政局的な判断で決めるべきでない」と与党がかみついたのは当然だろう。
福田首相は問責決議をぶつけようという時期に、国民新党にヘソを曲げられては困る。
来るべき衆院解散・総選挙に向けても国民新党との協力関係は重要だ。
民主党にすれば、政権交代という「大事の前の小事」ということなのだろう。
それも分からなくはないが、だからといって、採決見送りでお茶を濁すというのは場当たり的にすぎる。
まるで、政権維持のためになれ合う自民党と公明党のようである。有権者にそう思われたとしたら、民主党が失ったものは小さいとは言えない。〈恵村順一郎〉