2008年11月6日木曜日

今度の奥秩父は、笠取山だ

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晩秋

のれん会親睦ハイキング

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今回、幹事さんからこの企画のお知らせをもらうまで、正直、笠取山と言われても何処にある山なのか知らなかった。私が、学生の頃、唯一自分で楽しく遊んだ山域なのに、知らなかったのです。山好きの人は、あっちこっちの山を踏破し、その登った山々をきちんと山ごとにお話ができる。登った山を色々語るのも楽しみの一つでもある。私も、奥多摩から奥秩父にかけては、ちょっとしたこの地域の「通」ぶっていたのに。

私の郷里は山の中。山の中で育ったものだから、たかだか山を登るぐらいで、山登りとかワンダーフォーゲル、ハイキングだとか、栄養食? 何もそんなに気色ばらなくてもいいのではないか、という考えが頭から抜けない。山なんかチョロイもんだ。未(いま)だにそんな考えから抜けられないために、何時まで経っても山登りの装備を整えようとしない。山登りをなめたような軽装を、ベテランから何度も注意された。靴がどうだとか、雨具がどうだとか。山をなめたらアカンことは、オジサンになってやっと解っているんだが、何だか素直になれない。

こんな不真面目な私なのに、先輩たちからはいつも声をかけていただいて、感謝している。

笠取山は、整備された東京都の水源林です。手厚く保護されている。具体的には、天然林にはいっさい手をつけず、人工林には奥地林とその他に分けて、間伐と植林で理想的な針葉樹と広葉樹の混交林つくりを進めている。歩くコースは、あたかも公園の遊歩道の如く整備されていた。大正のころ東京都は水源林を確保するために買い入れたと案内看板に書かれていたが、誰から所有権を取得したのか、入会権を取得したのか、詳細に書かれていなかった。頂いた案内書には、この水源林は、塩山市、丹波山村、小菅村にまたがる約一万三千ヘクタールに及ぶ。丹波山村だけでも村の70%に当たる六千五百九十六ヘクタールに及ぶ。この山の一帯を緑のダムと呼んでいるそうです。丹波川から小河内(おごうち)ダムに集まる。そして、東京都民の喉を潤すことになる。水干(みずひ)という水源があって、そこには水の神を祀る祠が造られていた。その水干から湧き出た一滴の水は、「多摩川を経て東京湾まで138キロ」、と書かれた看板が立てられていた。またコースのポイントごとに、「湧き水の仕組みと量」「森と水」「ミズナラの天然林」などといった案内板が設置されていて、自然の大切さを勉強できるようになっている。

直登にさしかかる手前の広場に石柱があって、それは分水嶺を示すものでした。その石柱から山梨市側に流れ出した水滴は笛吹川になって富士川に、秩父市側に流れ出した水は荒川に、甲州市側に流れ出した水は多摩川になるのです。

最後の直登部分で高度100メートルを、登ることになるのです。角度は、見た目には30度程に見えるのですが、実際には20度ぐらいでしょ、と登山ガイドの説明でした。移動距離は短いけれども、心臓にはきつかった。我がグループの精神的シンボル、76歳の御長老ソエダのオヤジにとっては、大変苦しそうだったが、このオヤジはタダモノではないのだ。並みのダラダラ老人ではない。戦闘的なオヤジなのです。俺も苦しかった。お互いに声を掛け合って登りきった。加藤隊長の愛フル・サポート、声を掛ける私と掛け声に応えるソエダのオヤジ。冷静に自分のペースを守る角野さん。全員が頂上にたどり着いたときには、全員で拍手をして喜びを分かち合った。

曇り空だったけれど、眺望はよかった。甲武信ヶ岳は近くに、遠くに大菩薩の峰峰、富士山の中腹は雲で消えていたけれど、少し雪をかぶった頂上付近は神々しく聳えていた。富士山はやっぱり日本一や。

晩秋の候、紅葉はもうそろそろ終わりかけていた。ウルシの真っ赤な葉もヤマブドウの葉も落葉して見られなかった。一部のモミジがところどころ、赤い葉を見せてくれたけど少なかった。黄色くなったカラマツ林は広大だった。ナナカマドの真っ赤な実と、マユミがきれいだった。名前がマユミだと教えられて、過去、思い当たる女性はいなかったが、何故かビクっとした。マユミはあたかも桜の花が咲いているように、実がいっぱいなっていた。「登山道は枯葉のジュウタンのようですね」、と角野さんは言いながら、その文学的?表現に照れていた。高貴な加藤隊長は今回も私の顔の前で、放屁をなされた。公爵(我が隊の講釈師でもあるのです)はワッハッハと笑い飛ばされました。屁をかまされた私は、どこまでも楽しくなかった。

バスでの帰り道、鹿が3頭林道を横切った。慌てた鹿は、逃げるように険しい崖をよじ登っていった。鹿が増えているようです。長野県では、予定していた頭数の3分の1しか駆除できなかったと、ガイドさんから聞いた。頭がいいから、ハンターがやって来る頃には、どこかに姿を消すそうです。

天空(てんくう)の湯で温泉に入って、ビールを飲んで蕎麦を食った。天空という名には恐れ入ったが、大浴場からは、眼下に甲州盆地の夜景が丸見えだった。向こうからは、こちらの裸天国が見えないだろうから、大胆なポーズでうろちょろ。

そして帰路。スタートした時点では中央高速道路が混んでいる、という情報が入ったのですが、一部ノロノロの状態もあったが、大体順調な走行でした。

お疲れさまでしたと、横浜西口天理ビル横で解散した。

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紅葉の奥秩父ー天空の湯と笠取山

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横浜駅西口(07:00)=バス(第3京浜、環八、中央高速)・勝沼インター=作場平(さくばたいら)橋ーーー笠取小屋ーーー分水嶺ーーー笠取山(標高1953メートル)---水干(みずひ)〈多摩川源流)---中島川橋==バス==天空の湯(入浴)==バス==横浜駅西口(21:30)

歩程約12キロメートル 約4時間、当日は約5時間程要した。

主催・クラブツーリズム株式会社

我らの仲間たち=幹事は角野士朗、隊長は加藤史朗、添田 郁、山岡 保 の4名

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山名の「笠取」は山容からきているのではなく、風が強く、かぶっている笠を取られる、ということに由来すると言われている。別の案内書には、姿が笠の形にそっくりなこと、西側の雁峠で行き交った山梨と秩父の人たちが笠を取って挨拶をしたことにちなむ、との説もある。

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