2018年3月16日金曜日

綸言(りんげん)汗のごとし

毎朝生家に配られる新聞は、私にとって、それも朝食後のしばらくは、どうにも抜け欠けできぬ大切なものだった。スポーツ面をあらかじめ読み通さないと元気な今日!がスタートしない。
この習性は、小学校の高等部あたりから。
新聞では、知らない漢字や普段着用の言葉以外もよく使われる。が、そんなことで読むのを嫌になることはなかった。
恥ずかしながら、興味が不知を薙ぎ倒した。
兎に角、昨日の野球の成績を、全て確認したかった。
全球団の勝敗を知り、順位の上げ下げと勝率(ゲーム差)が知りたかった。
我が家に配られるのは、朝日新聞と京都新聞。
どちらの新聞も、父の友人が配達屋さんなので、仕方なかった。読んだ新聞は、父が京都新聞、私は朝日新聞だった。

こんな私に、鍬(くわ)づけ?釘(くぎ)づけにした選手が現れた。南海ホエールズに入団して、ゴッツイン野球人になった野村克也のことだ。
我が生家と同じ京都府、竹野郡網野町の出身。
貧しい家に育ち、新聞配達をしながら家計を助けた。小学校卒業と同時に兄の後押しを受けて、峰山高校に進学。そして、南海へテスト生として入団した。
それから、南海での成果は目を瞠るべきもので、私は野村=惚れっぺになってしまった。私もその後、東京の大学を経て、都内で働くことになったが、この野村の頑張りが、私にとっても大きな影響を与えた。

何故、今日此処で新聞の話を仕出したかと言うのには理屈があった。大学受験の浪人時代、英語と生物、世界史と日本史については、よく勉強した。
英語にしても世界史、日本史にしてもやるべきことは、憶えなくてはならないボリウムが決まっていたので、勉強に苦は要らなかった。
理科は生物のみ。
但し、現代国語、古文、漢文については、教科書で学ぶこと以外はやらなくて、やることは新聞に出てくる漢字や何字熟語であろうと、それ以外の言語も全て読めること、書けること、それらの言語を間違いなく知ることだった。
国語については、それが勉強の全てであった。
だから、新聞を大学の入試当日まで真剣に読んだ。

そんな私を、2018,03,15の朝日新聞が、新たな「ことわざ」に巡り合わせた。
それが、この稿のタイトルにした『綸言汗のごとし』だ。
先ずはその意味を知るために、ネットに出ていたものを下に記した。





綸言汗の如し



出典:『礼記』

[意味] 

汗が一度出ると再び体内に戻らないように、
天子のことばは口から出ると訂正したり取り消したりすることはできない。
一度口に出したことばは取り消せないという意味でも用いる。

[解説]

 「綸言」は、天子のことばのことで、『礼記(らいき)』緇衣(いし)篇に
「王の言(こと)は糸の如くなれば、其(そ)の出(い)づるや綸(りん)(組み糸)の如し」
と見えている。すなわち、王のことばは初めにはひと筋の糸のような軽いものが、
しだいに組みひものような重みをもつようになると語っている。
これが「綸言」の由来であり、
そこから後世「綸言汗の如し」の句ができたのである。

(『成語大辞苑』・主婦と生活社)による






2018 3 15(木)・朝日新聞/総合4
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ともに政権批判

小泉氏「適材適所 あきれた」
山崎氏「麻生氏辞任は当然」

森友学園の国有地取引に関する決裁文章改ざんをめぐり、自民党の山崎拓元副総裁と小泉純一郎元首相が安倍政権批判を繰り広げた。2人は故加藤紘一元幹事長とともに「YKK」として、政界で一世を風靡した仲。国政を退いてなお、「共闘」が実現した格好だ。

口火を切ったのは小泉氏。13日のBSフジの番組で、改ざん問題の渦中にいる財務省の佐川宣寿・前国税庁長官起用について、安倍晋三首相が「適材適所」としていたことに対し、「あきれた」と批判。「私や妻が(国有地売却に)関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」との首相答弁が改ざんの始まりとの認識も示し、安倍首相への厳しい姿勢を見せた。

一方、14日に開かれた自民党石破派の勉強会で講師を務めた山崎氏。記者団に「事態の収拾のため、責任をとって辞めることは当然」と語り、麻生太郎財務相の辞任論を主張した。

さらに「綸言汗のごとし」とも述べ、安倍首相夫人の昭恵氏が関与していた場合は、首相も責任をとるべきだととの認識を示した。