2020年1月1日水曜日

橙(だいだい)って?




12月29日(日)。
私の命の畑・「イーハトーブ」の隣地の人(オジサン)から、橙(だいだい)をいただいた。
この畑のことを心の裡では、豊穣の土地だと誇りに思っている。

昨年もいただいたのだが、長年橙の樹木に生っていたものだから、果肉の味はよくなく見た目にも美しくなかった。
後ろの方ではっきり書きますが、この橙ってものは食肉用ではなかったのです。
それが、大きな誤解の始まりだった。
そんなこともあって、この橙については夏季の頃からお話をして、オジサンもその気になっていただいた。
実は昨年の年末に、ヤマオカさん、神棚や鏡餅の上には橙(だいだい)を載せるものなんですよ。
そんなことを聞いたものだから、自分も祖先の皆々様に感謝し、私たちの子どもも好い子になってもらいたいものだから、とオジサンに言ってしまったのだ。
「私たち用の橙も頼みます」
公式は「代々=だいだい=橙」のようなのだ。


 
上・我家の鏡餅  下・いただいた橙

この要望に隣のオジサンは機嫌よく了解していただいた。
そして、昨日本物の橙をくれたので、神棚と鏡餅に橙を揃えたり、上に載せたり、そんな光景をただ見るだけなのに嬉しくなって仕舞った。
いただいた橙が、用意しておいた鏡餅には大き過ぎて、それだけではどうにも不恰好だった。
記念にでもなればと思って、下等なカメラで写真も撮った。


橙とみかん、見た目にはよく似ているけれど、この二つには大きな違いがあることが解った。
不思議なことだ。
実は橙とみかんは、どちらも同じミカン科ミカン属柑橘類に分類される。
ところが、その由来や用途が大きく違う。


昔から日本ではオレンジ色のことを「橙色」と言う。
その名の通り、橙の実はオレンジ色をしているが、一年中実の色がオレンジというわけではない!
秋頃に色づき始め、実が熟すとオレンジ色になる。
しかしそのままにしておくと、春過ぎ頃にはまた緑色に戻ってしまう。
1年経っても、熟して落下しないのが、、、不思議な橙物語なり。

ネットを利用して橙のことを掻き集めれば、みかんと橙の違いは解ってもらえるだろう。
1、橙は酸味が強く苦みも含んでいるので、ミカンやオレンジなどのような生食に
 は向いていない。

2、果汁を絞ってポン酢を作ることが面白い。
 果汁に醤油と鰹節や昆布を加えて保存しておけば、冬の鍋の季節に自家製ポン酢で楽し
 むことができる。

3、橙の原産はインド・ヒマラヤ地方で、日本には中国を経由して入ってきた。

4、欧州ではサワーオレンジ、ビターオレンジと呼ばれ、マーマレードに使われる。
 果肉と皮を一緒に煮てしまうと苦みが強くなるので、皮をむいて、ゆでこぼしし
 て苦みを抜いた果肉とともに砂糖を加えて煮ると美味しく仕上がる。

5、実った果実を収穫せずにいると、落下することなく2~3年の間はそのままの状態。
 一つの木に同じ実が1、2、3年目の果実に変身する。
 そうすると、いろんな世代の実が同時に生きていることになる、
 それで、上にも書いたように、公式「代々=だいだい=橙」が出来上がったのだ。
 この代々が「何代も家が続く=子孫繁栄」となり、縁起が良い正月飾りになった。

★上の1から5を読んでいただいたら、よくお解かりだと思うが、橙は正月用の唯のお飾
 りがメインだったようだ。
 私はお飾りが大好きな農家の三男坊だ。
 当然、そんなことは知っているべきものだったのに、育った農村ではそのようなこと
 はしなかった。

昨年の年末までは、この「橙」のことが何も分からなかった。
イーハトーブの隣のオジサンに全てを教えてもらったことになる。
アーメン・ソーメン、オジサンだ。