2007年4月15日日曜日

球界は、どこまで腐っちょるんじゃ

球界はどこまで腐っているんだ
 西武ライオンズ球団の太田秀和社長は、アマ2選手に不正の金銭の供与をしていたことを、3月の初旬に発表した。
内容は、東京ガスと早稲田大学の野球部員の2選手に対して、栄養費等の名目で金銭を渡していた。早稲田の学生の場合は、高校3年生の秋から接触が始まって、大学卒業後は西武に入る旨の合意書のようなものを作成していた。
そのときの太田社長の記者会見を思い出してみて欲しい。とんでもない大事件を、他人ごとのように、淡々と発表した。
その記者会見を、私は、西武グループの実質的なオーナーであった堤 義明氏が、証券取引法の違反で西武関連の全ての役職と公職からも引退すると発表した、あの記者会見と、全く同じじゃないか、と嘆息した。
記者会見をしたときの表情は、共に同じく異常?だった。表情は深刻ぶってはいたが、実に空々しかったのだ。事の深刻さとは裏腹に、両人には共通して真剣さが足りなさ過ぎるように思えた。
太田社長は、調査委員会をつくって洗いざらい調査をしていただきます、とか言っていた。なんちゅう馬鹿!!社長なんだろう。社長でありながら、自ら社内調査もできないのか。
ところが、西武の中核会社であるコクドを、よく知っている私には、こんな猿芝居がよく理解できるのです。私は、9年7ヶ月、話題の会社から給料をいただきました。
社員は、何も考えないように、させられるのです。
君らは何も考えなくていいのだ、と。
言われた事を、ただ実直にこなしてさえいれば、それでいいのだ、と。
責任は俺がとるのだ、と。
 堤 義明氏だけしか会社の運営の諸事を決めることができないのです。取締役も部長、課長もただのモルモットなのです。
社員は、そんな上司に誰が企画や相談をもちかけたりするものですか。まして、是正案や修正案なんかは絶対、上司に具申しません。
だから、太田社長にしても腹の中では、私は何も悪いことなどしていない、と悪びれない。言われた通りに、やってきたまでだ、と平気の平左衛門だ。
心底まずい事をしてしまった、と反省の心情が湧いてこないのは、至極当たり前のことなのです、この会社では。
だから、あんな記者会見が可能なのです。
法令順守なんて概念は、私が給料を貰っていた25年前は皆無だった。今でも、余り変ってなかったようだ。
堤 義明氏は、調整区域で風致地区内に、研修所と称して自宅をつくった。暗闇、大量の石を自宅の庭に持ち込む。風致地区内では、一定量の土砂等を移動するときには、当然許可が必要なのに無視しての工事。
「山岡、明日、大磯の固定資産税課の担当者が、研修所(実は自宅)を見に来るんだけれど、どうしょうか? 研修所の壁が大理石ちゅうのは、大丈夫かな? 新聞紙でも張って工事中です、と言っちゃえば、平気か。」と、私が尊敬していた当時の担当支配人は心配していた。
また、箱根でのホテル建設においては、国立公園内だから、木を一本も切らずに工事を行いましたなんて、マスコミに真っ赤な嘘。
こんなことが、まかり通る会社なのでした。
 堤氏が引退した後、みずほファイナンシャルグループが西武グループの再編成を行っている中で、この件が発露したのだろう。
 そして、調査委員会の調査報告があった。
やはり、太田社長の先日の記者会見が、いかに上滑りのその場しのぎの、内容の乏しいものだったか、が窺がわせる。アマ2選手に不正の金銭の供与があった、それどころか、それを大幅に越す金額やたくさんの人に渡していたことが判明した。
太田社長さん、君は、本気か。気でも狂っているんじゃないの。アホか。
2選手以外にも5選手に6千万円。高校、大学、社会人野球の指導者ら延べ170人に最高で1千万円の現金や商品券が渡されていた。合計は1億円を超えるといわれている。
これが、西武の真骨頂なのです。
 入団する際の、上限金額を越しての契約違反もあるのではないか。プリンスホテル野球関係者にも、いろいろあるのではないか、と私は疑っている。ホッケー、スケートも同じように金や、金に代るもので、選手を漁りまくったのでしょう。
想像には、きりが無い。冬季長野オリンピックでは、公費の多額の使途不明金があやふやに処理されている。西武のレジャー施設への交通のアクセスなどが、公費でまかなわれ、裏では、招致から開催に至るまでの四方山に、西武の金や国の金や協賛で集められた金が、あっちこっちに飛び交ったのであろう、と思われる。


 スポーツは常に、フェアーでなければならない。

 朝日 社説
ドラフト裏金  球界は過去もさらけ出せ
プロ野球の西武がアマチュア選手2人に裏金を渡していたのは、やはり氷山の一角でしかなかった。
ドラフトで新人を獲得するための裏金は、ほかの5選手に合わせて6千万円余りが支払われていた。
それだけではない。選手入団の謝礼として、高校、大学、社会人野球の指導者ら延べ170人に最高で1千万円の現金や商品券が渡されていた。合計は1億円を超えるとみられる。
こうした事実は、第三者による球団の調査委員会から公表された。不正な金の支払いは、球団創設の1978年から27年間にわたって続いていたという。ルールに従って実力を競い合うスポーツの世界で、最初からルールを破っていたというのだから、あきれるほかない。
裏金を渡した理由としてスカウトたちは調査委員会にたいして、「他球団もやっているのではないか。だから仕方なく自分もやっていた」と話している。
ルール違反を他球団のせいにするのは子供の言い訳のようで情けない。とはいえ、裏金は西武に限らず球界全体に横行していたとみるのが自然だろう。そもそも裏金問題が明るみに出たのは、巨人と横浜、阪神が明大の投手に渡していたのがきっかけだ。それを受けて、09年6月、球界は「倫理行動宣言」を出して、一切裏金を使わないことを誓った。ところが、その後も西武がやめていなかったのだ。
この際、球界は第三者による調査委員会を立ち上げ、これまでの実態を明らかにすべきだ。過去のことだといって、ふたをするのでは、ファンの信頼をますます失うだろう。
コミッショナー代行である根来泰周氏は早急に調査組織をつくり、各球団は率先して過去をさらけだす出すべきだ。
裏金を受け取ったアマチュア側も責任は大きい。今回の調査では、監督らアマチュアの方から金銭を要求例もあったことが明らかにされている。
高校野球連盟や学生野球協会は「驚いた」「正規の報告がないと~」とひとごとのように言うだけではいけない。プロからの裏金がアマチュアにどこまで広がり、むしばんできたか。この際、きちんと調べるべきだ。
高校の場合、甲子園人気を背景に、全国からの選手集めが野放図に拡大している問題もある。高校も大学も優秀な選手を集めたいあまりのひずみだ。そうしたことにも目を向ける必要がある。
プロ野球界は、ドラフトの希望入団枠の廃止に加え、裏金などに対する処罰もルール化する流れになっている。ルール違反は厳しく罰するべきだ。
中間報告をまとめた池井優委員長は「野球界全体を覆う金の問題が、談合とか天下りとかのように日本社会の構造に深く根ざしている」と述べた。
構造的な金の問題に決着をつける。それなしには、改革案も信用されない。