2018年6月23日土曜日

蛍(ほたる)の光!! 田舎が懐かしい

6月21日の朝日新聞・天声人語で、幾星霜(いくせいそう)、長い年月(としつき)は悲喜こもごもに過ぎ去ったものの、幼年期の好い気分を再び味わうことができた。
その天声人語の一つ一つの文節・文言が、私の貴重な歴史でもあった。

ーーーーーーー
天声人語
遠く高くゆったり光るゲンジボタル、水辺でせわしなく明滅するヘイケボタルーーー。
先週、金沢市郊外の田上町にある群舞を楽しんだ。

見学の人たちに順路を教え、手作りの説明資料を配っていたのは地元の農業、亀田輝之さん(74)。
十数年前、金沢大から頼まれ大学の敷地内にあった休耕田を復活させたところ、数年後ホタルが戻った。
石を運び、あぜを築き、小さな田を20面まで増やした。

ホタルの世話の担い手は亀田さんも属する「大学門前町ホタルの会」。
水路を引き、えさのカワニナを増やした。
幼虫を放流し、小学校では毎年、ホタルの育て方を教える。

「サナギが光るのは何のためか。なぜ毎夜同じ時刻に光り出すのか。昆虫学者じゃないので謎だらけですが、愛情を注げば増える。育てがいがあります」と亀田さん。
口コミで見学者は増え、昨年は1200人に達したそうだ。

近年、あちこちで「ホタルの里」復活の報を聞く。
一時期はどこも宅地開発や農薬・洗剤の普及で川や用水が汚れ、ホタルの姿が減った。
しかしその後、住民や農家の努力で水辺の環境が整うと、ホタルが再び生息するようになった。
観察できる期間は短いものの、「ホタル」を核に街おこしを図る自治体も少なくない。

〈蛍飛ぶこのたまゆらの刻惜しむ〉高島静。
今日は夏至、一年で最も夜の時間が短い。亀田さんの棚田ではまさに今週来週が光の乱舞の最盛期だ。
闇を縫って夜ごとホタルと人が行き交う。
ーーーーーーーーーーーーーー

「田植えの仕方」の画像検索結果
ネットで拝借した。

先週の火曜日の昼過ぎ、伊勢原の桜台にある我が社の商品=中古住宅のハウス・ステージングを終えて、電車で自宅に戻った。
伊勢原駅から海老名駅までの、車窓からみえる田植え上がりの水田が、私の幼年期に積み重ねたアルバムとがっちり重なった。
水面から5センチほどの苗は、規則正しく植えられている。
その水田が青空に映えている。
梅雨の真っ最中、その日は意外に明るい日だった。

生家の田植えはゴールデンウイークに行った。
学校が休みの日に私たち子供も応援した。
流石に苗を植えることはできなかったが、苗が足りなくなった人が大きな声で呼びかけてくる。
その人に向かって、畦道から苗の束を投げた。それが私の仕事だ。菜
昼ご飯は、水田用の疏水で集めてきた蜆(しじみ)入りの味噌汁付きに、菜(おかず)は、鰹(かつお)の煮つけとお漬物。
ご飯は当たり前のことだが、この水田から収穫したものだ。
田植えのお手伝いができるようになるまでは、どうしょうもない、我がままな子どもだった。

当時、深さ5センチほどの疎水で泳いでいたメダカ、蜆、泥鰌(どじょう)、ハヤ(うぐい、おいかわ)、ゲンゴロウ、トンボのヤゴ、オタマジャクシを手づかみした。
小さな鮒(ふな)が、ぴち♯ぴち♭ ラ~ンランラン、藻(も)掻(が)き苦しみながら泳いでいた。
今の若者たちに話しても、まさか?と言われるだろうが、それほど私は豊かな子どもワールドを満喫した。
この畦道にしても疎水にしても、私にとっては楽園だった。
畦だって、田植えの前には綺麗に雑草は刈り取られ、疎水は何故か?田植え時に百姓に鋭くチェックされる。
疎水を利用する人たちが水利組合を作って管理者を決め、利用者みんなが公平に使えるように、利用方法に間違いがないかをチェックする。
水が不足している時には、悪い奴、小ずるい奴が現れて、深夜に自分の田圃(たんぼ)だけには水の入りを大きくする。
他の人たちの田圃なんかには目もくれない。
この畦道には、色んな昆虫以外に蛇が時々現れる。
この動物だけはどうしても好きになれなくて、見つけた日の夜は、なかなか眠れなかった。
初夏には、蕗(ふき)、蕨(わらび)、秋には、タマムシ、カマキリムシ、バッタ。




それから、不思議で不思議でどうしようもなく心がときめくのが、蛍(ほたる)だ。
19歳以降、蛍の季節に帰郷したことはないので、今、蛍たちの生活はどうなっているのだろう? 私の田舎の蛍たち。
私が高校生の時代には、農薬、殺虫剤の影響だったのか、水田の近くでは見つけることは少なかった。
水田以外の場所でも、蛍は出現したのだろうが、そちらには縁がなかった。
でも高校時代、サッカーの練習からの帰り、宇治川に落下してくる小さな滝3箇所に蛍の光が嵐のように群舞していた。
ホンダのカブで走り抜けるのだが、ウア~、オ~、夢見心地になった。
学校や自宅のみんなに見せてやりたかった。
私が見てきた蛍はゲンジボタルだったのか? ヘイケボタルだったのか。
兄たちは、私の興味とは裏腹、そんなことには何の面白味を感じなかったようだ。

蛍が発光するのは、敵を脅かすため、食べるとまずいことを警告する警戒色、交尾のため発光能力を獲得した、など諸説があることをネットで知った。

ちっちゃな子ども時代、蛍を捕まえて蚊帳の中に持ち込み、祖母は私と同じように面白がってくれた。
二人は同じ蒲団で、蚊帳の網目を這っていく蛍をいつまでもいつまでも眺めていた。そして知らないうちに、眠って仕舞った。








ホーム・ステージングとは。
リホームを掛けた住宅の各室を、よりよくアピールするために? 住宅に観覧に来てくれたお客さんに、住むことに対してもっとイメージを高めてもらうと、お膳立てをするのです。
ダイニングテーブルに食器類を並べる。ナイフやスプーン、ホーク、飲み物のグラス。
花や、ときにはローソクと燭台。
キッチンには調理器具。
室のあっちこっちに花瓶にいれた花々を備える。
和卓とお茶のセット。トイレには踏みタオルと手洗い用のタオル。
バスルームには、洗い用品の数々
お膳立てとはこんなもんだ。
衣装替えや間取り変更のことを、我が社ではリフォームと言わないで、リホームと呼んできた。

今回セットした用品は、平塚・岡崎の現場から運んできた。
軽自動車と普通自動車に載せてきた。
私は今、午前中だけの勤務になっているので、この程度の仕事なら楽なものだ。

このように、物件が売れたら、売れた物件の生活用品を、リホームが終わってこれから販売を仕掛ける物件に移動した。

仕事を終えて、私は伊勢原から自宅に向かった。
小田急線で伊勢原駅から海老名駅まで、相鉄線で海老名駅から横浜駅まで。そこからJRで東戸塚駅まで、なんてかったるい事なんてやってられない。
海老名駅から二俣川駅まで乗って、二俣川駅で降りた。
それから1時間、今井町のイーハトーブ(畑)まで歩いて、畑をウォッチング。
不思議なんだ、作物の成長を毎日、ちょこっと見るだけで、嬉しいのだ。
自宅まで歩いて、1時間半。
人並みのスピードで歩けないから、この所要時間はしょうがない。
これも、足のため、腰のための修行ざ。