2019年9月19日木曜日

ラグビーのW杯を楽しもう

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の2019の開幕が9月20日、明日だ。

私は高校と大学それから今に至るまで、どうにもならないサッカー直属人間になって仕舞った。
幸か不幸か? 自ら選んだ自分の人生だ。
大学のサッカー部に入部して6ヶ月ほど経った頃のこと、4年生のキーパーからお前はサッカーよりもラグビーに向いていたかもしれんなあ!と言われたことがあった。

確かに他の選手よりも、技巧的ではないし、繊細で先鋭な突っ張りができなかったが、ときには破天荒に猪突猛進漲(みなぎ)るラフ・プレーをしたことがあったものだから、先輩はそう思われたのかもしれない。
グラウンドが雨で大荒れ状態のなか、上手な人がボールさばきに苦慮しているところに、真正面からタックルして嫌がられた。
そんな自分だったから、サッカーを誰よりも真剣に愛したし、同時にラグビーのことも気が駆りだった。

中学時代はバスケットボール、この競技には何故か相性が合わなかったようで、何をやってもファールを採られ嫌になってしまった。
大学に入ってからは、この二つの競技の素(もと)が、私の心身を揉(も)みくちゃにした。
私が大学時代にサッカーに現(うつつ)を抜かした場は、サッカー、ラグビー、ハンドボール、陸上、ホッケー、馬術、水泳(水球、飛込みを含む)など、一部の競技を除く体育会系の修練場であった。
各部ごとに合宿所があって、会う奴はどいつもこいつも何処かの部の所属だった。
4年生になるまで、選手としては役に立たない端(はし)くれだった。
西武新宿線の東伏見駅の西部地域だった。
ここが、私の人生の第2の故郷と言っても、過言ではない。

勉強に余り興味を持たない私は、このエリア一帯で殆んどの時間を過ごした。
繰り返すようだが、こんな学生生活を真面目に遣り遂げた。
だから、気付かないうちに勉強なんて、社会人になってもやる気さえあれば、何とかなる、この一徹で生きてきたのだから、監督やコーチたちには申し訳ない輩(やから)だった。

4年生の夏の菅平での合宿中に、監督がグラウンドの隅っこから私は呼ばれた。
何の注意をされるか想像もつかなかった。
山岡、お前のレポートを拝見したが、こんな内容では好い成績をつけてあげられないよ、「可」にしておいたから、気を悪くするなヨ、こんな按配だった。
監督の考えよりも、監督が嫌っていた人の意見が面白くて、監督には怒られることは分りきってレポートを出していた。


私が4年生だったときの、全部員。
今は100人近くいるけれど、私たちの時代は少人数だった。

それほど、勉強を馬鹿にしていたのだ。

65歳を過ぎて、私の体は相当弱ってしまった。
この写真は、今から2年前のものだ。
6年前に高さ5,6メートルの樹木から落ちて後頭部を強打、高次脳機能障害を受けている。
ここまで良く回復したものだと感謝しているが、表情と体のバランスが悪過ぎる。
他にはテンカンの発症を怖れられ、精神的にもダメージを受けている。


20190915の朝日新聞・スポーツ欄に、あのニュージランドの試合前に行われる踊り、NZの先住民マオリの伝統の踊り、ハカのことをメインした記事を見つけた。

サッカーのW杯はテレビで観ることしか許されなかった私にとって、この日本で行われるラグビーのW杯を観ることが、この短い私の生涯で、夢の夢だった。
が、グラウンドで実際に観ることはできそうになく、唯(ただ)、唯(ただ)、新聞やテレビで観ることしかできないようだ。
どうしょうもない、ただ気が弾(はず)むだけだ。
そこで、その15日の新聞記事をここに転載させてもらって、夢を、まだまだ夢を見続けたい。

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★ つながる 強くなれる
  ハカと伝統を背負う


7日のトンガ戦でハカを披露するニュージランド代表。
先導するのがペレナラ(中央)=AFP時事

漆黒のジャージを着たニュージランド(NZ)代表、オールブラックスの選手たちが、目を見開き、叫び、体をたたいて相手を威嚇する。
「カ・マテ(私は死ぬ)」「カ・オラ(私は生きる)」
NZの先住民マオリの伝統の踊り、ハカ。

「踊る時の感覚を説明するのは難しい。魂が足から体の中を通るような独特な感じがして、全身に鳥肌が立つ」。
マオリの血を引き、ハカをかけ声で先導するSHペレナラは語る。
「チームメートと兄弟になり、つながる」そして、自分たちが立っている土地、祖先とつながるためにやるんだ」

NZ南部のダニーデンにある博物館「スポーツの殿堂」の展示によると、ハカはチームの力を誇示し、集中を研ぎ澄ますため、1905年ごろから試合前にやるようになった。
「カ・マテ」というハカの詞は1820年ごろ、紛争を逃れたマオリの親族の首長が、九死に一生を得た体験から書いたものだという。

2005年には代表チーム独自のハカ「カバ・オ・バンゴ(黒のチーム)」を初披露。
今は試合によって使い分けている。

「ハカは生活の一部。小さい頃から身近にあった」とペレナラ。
NZでは学校にも独自のハカがある。
披露されるのは「戦い」の場だけではない。
卒業式や冠婚葬祭でも、様々な感情をのせて行われる。
欧州系、ポリネシアン系、アジア系など様々な人種が暮らす国で、マオリ文化は共通の下地になっている。

多様性にあふれる国を揺さぶる事件が今年3月に起きた。
イスラム教徒が集まるモスクが銃撃され、51人が犠牲になった。
アーダーン首相は事件当日、黒いスカーフ姿でイスラム教徒の指導者たちと会い、過激な白人至上主義に対抗する姿勢を示した。

代表選手も思いを発した。
主将のFWリードは自身のSNSに「事件は私たちを分断しようとするものだが、いつだって愛と連帯が勝つ」と投稿。
かってパナソニックでプレーした代表の主力バックス、イスラム教徒のウィリアムズは負傷者や病院職員を見舞い「支えてくれた人々に感謝したい。今こそ対話の時だ」とつづった。

あの時、ペレナラは空港で涙を流すイスラム教徒の女性に出会った。
「チームにも様々な人がいる。多様性のお陰で僕らは強くい続けられる」。
女性の首相が産休を取る国。
互いのルーツや生き方を認め合ったきたNZを象徴する存在がオールブラックスだ。

史上初の3連覇に挑むワールドカップ。
誇りを示すための戦いでもある。

(菅沼遼)



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そして、イングランドの代表監督を務めるエディ・ジョーン氏が語る日本ラグビーの記事があった。

その一部(下記★部分)をここに転載させてもらう。

イングランド代表を指導するエディ・ジョーンズ氏=ロイター
日本代表前HC イングランド代表監督

前回の大会で日本を指揮して3勝を挙げたエディ・ジョーンズは今回、優勝候補のイングランドを率いて日本に戻って来た。
かって指導した選手も主力として活躍する日本代表の動向は、この4年間、欠かさずチェックしてきた。
その名将に、日本の1次リーグをの戦いを占ってもらった。

日本の1次リーグ日程は
9月20日 対ロシア⑳
  28日 対アイルランド⑦
10月5日 対サモア⑯
  13日 対スコットランド⑦
※丸数字は世界ランキングで日本は10位



20190918の朝日新聞・スポーツからここに著したい。
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決勝T可能性ある 自分信じて
ロシアとサモア 勝つべき相手
 
限界分らない
日本代表は1次リーグで厳しい組に入った。
しかし(5チーム中で2位以上になって)決勝トーナメントに進める可能性はある。
誰にも人の限界は分らない。
自分たちの力を信じれば素晴らしいことを達成できる。
2015年大会の我々(日本)もそうだった。

ロシアとサモアは、勝つべき相手だ。
特に開幕戦のロシアに勝って日本中を盛り上げたい。
優勝候補でもあるアイルランドには分が悪い。
日本と違い、ボールを保持して攻めてくる。
いったんボールを渡してしまうと取り戻すのは難しい。

そして、全てをスコットランドとの最終戦にかける展開に持ち込みたい。

日本とスコットランドは、キックを多用するなどスタイルが似ている。
蹴り合いの中、相手が隙を見せれば勝機が出てくる。

警戒すべき選手は、SOラッセルとFBホッグだ。
ラッセルは長短のパスやキックの種類も豊富で、相手を欺く技術が備わっている。
勢いに乗れば手がつけられない。
ホッグは世界最速と言ってもいいFBだ。


SHとSOが鍵
日本は、歴代でも最も身体的に強い若手がそろった。
鍵を握るのは、FWが確保したボールをさばくSHとSOのコンビだ。
日本はボールを保持できる(限られた)時間を賢く使わなくてはならないので、彼らが試合のテンポをいかに操れるかが大事になる。
特にSHで誰を起用するのか。
流大(ながれゆたか)は先発に値する力をつけているか。
経験豊富なフミ(田中史朗)を選ぶのか。


応援 選手の力に
今回、日本には地の利がある。
サッカー・プレミアリーグ(イングランド)の人気チーム、リバプールやチェルシーのように相手を圧倒する雰囲気はないかもしれないが、約1億2千万人の応援は絶大。
一人でも多く(日本代表カラーの)赤と白の服を着てスタジアムに足を運ぶことだ。
観客席が赤白で埋め尽くされれば、必ず選手の力になる。

W杯開催は特別なこと。
初めてラグビーを見る人は、ボールの動かし方や戦術に注目してほしい。
スクラムやラインアウト、キックなど、様々なプレーを駆使して勝利できるのがラグビーのおもしろさだ、

自国開催を競技の発展につなげるため、お母さんたちも巻き込みたい。
子ども達がどのスポーツを好きになるか。
一般的に母親の影響が強い。
既にラグビーに熱中している子を持つお母さんたちにも、ぜひ、W杯を楽しんでほしい。
そして、子どもを愛したくさん基礎練習させてほしい。

基本プレーをどれだけ鮮やかにやれるかが、ラグビーで一番大事なことだ。

(構成・遠田寛生)