2020年7月17日金曜日

入江さんを想う


新型コロナウイルスで、日本中の人たちが突(つ)っ張(ぱ)りが利かない悲し気分になりかけているのではないか、そんなことを心配するのです。
昨今のコロナ禍を伝えるニュースに暗澹たる気分に陥らざるを得ない。



私はと言えば、何年か前に遭った事故で、悲しいかな誰よりも元気がない。
新型コロナウイルスの国内感染を何とか避けようと緊急事態宣言を実施し、政府や知事が言うように自粛に耐えながら生きている。
そんなに世知辛い首都圏に居る。
が、感染者の数が何とかようやくにして収まりかけたというのに、この何日間は不思議にその数が増えようとしている。
新型コロナウイルスは第2波に入って、その勢いは増している。
ヤバイヤバイと、言っていたってしょうがない。

そんな日に、下のような劇場での感染が始まった。
劇場クラスターが発生したのだ。
クラスターが発生した舞台は「THE★JINRO-イケメン人狼アイドルは誰だ!!-」(6月30日~7月5日)
劇場は東京・新宿シアターモリエール。
有村崑(44)は観劇した際に感染しており、2次感染。
同舞台関連の感染者は1都9県で65人となり、劇場から全国、家庭や職場に広がる最悪の事態を迎えている。
同舞台は全観客約800人が濃厚接触者に指定され、15日までに39人の感染が確認。
島根県の10代女子大生、長野県の20代OLら1都9県におよび全国に広がっている。

このうち5回観劇した川崎市の40代女性看護師は、勤務先の病院で担当した新生児11人が濃厚接触者としてPCR検査の対象になり、これまで8人が陰性だった。
群馬県の20代女性保育士の感染では65人の園児にPCR検査が行われている。
15日に陽性が確認された濱川英也(23)ら出演者17人、スタッフ8人の感染者が出た。
その中の俳優、榊原徹士(30)と朗読劇で共演した中島礼貴(25)ら4人の俳優も濃厚接触者となり、中島は15日に開催予定だった所属グループの無観客ライブを延期した。

こんな時期に、こんな環境の世の中で、よくぞ舞台でのお芝居をやったものだ!又、ファンもよく観に行ったものだと感心した。
芝居を行うもの、芝居小屋を提供するオーナーたち、観劇する者たち、その全ての人々が何から何まで気を配って身を守ったのだろうか?
大変だ、大変だと叫びたくなったのは、私ひとりじゃ無い筈だ。


この「新宿シアターモリエール」の「事件」をテレビで観て新聞を読んでいる隙間に、私は私の大好きだった入江洋祐さんと洋祐さんの息子・龍太、伊藤克さん、そして45年仲良く付き合わせてもらった芝居の関係者のことで、怒涛のように頭をぐらぐらさせられた。
芝居小屋のことも気になる。
それは劇団・東京演劇アンサンブルのことだ。
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銀河鉄道

日刊ベリタ : 記事 : 「一年、一年。」 入江洋佑 (東京演劇 ...
入江洋祐さん

山岡保の横浜一元気なブログ: ウェスカーの「シャイロック」
私と現代表

上記の「THE★JINROーイケメン人狼アイドルは誰だ!!-」の話とは少し違うのだけれど、今、現在、昨日の今日の明日の東京演劇アンサンブルも大変だろうと思われて、その苦しみに私の胸はキュンキュン!!
私は大学中に仲良くしてくれた脚本家の牛さんが、この劇団とその関係者を紹介してくれて、どうにもならない程、付き合いは深くなった。
この東京演劇アンサンブルは入江洋祐さんが俳優座の俳優養成所を経て、劇団三期会(現・東京演劇アンサンブル)を創立した。
「私は大学を卒業する前に俳優養成所のテストを受けたものだから、正確には大学を卒業していないんですよ」と話していたのを憶えている。
創立したときのメンバーは愛川欣也、塚本信夫、伊藤克さんらもっといらっしゃっただろうが、私は知らない。
テレビでお馴染みの愛川欽也、リンゴを丸齧(まるかじ)りしても歯並びにはダメージを受けない歯磨きのコマーシャルの塚本信夫さん。
テレビの画面に白い歯を見せてニッコリ笑う塚本さん。
後に演出家の広渡常敏さんも加わった。
彼が演出した劇のどれにもうっとりさせられ、劇団員の演技に魅入られ、嬉しくなって帰宅した。
代表で俳優、演出家の入江洋祐さんは昨年(2019)8月5日、先に亡くなった息子・龍太さんの納骨の日に亡くなった。
この息子とは彼の姉も含めて何度も飲みに行ったし、病院への見舞いにも行った。
親子してほぼ同時期に亡くなったように思われる。
入江さんは60年以上舞台を創り上げてきた、最期は84歳だった。
劇団員の伊藤克さんが同年7月7日に亡くなった。

入江洋祐さん親子、伊藤克さんの3人のしのぶ会を劇団員とその関係者で行ったけれど、今までの文章で触れなかったが、劇団にとって重要なことが行われた。
それは「ブレヒトの芝居小屋」が、練馬区関町から新座市野火止に引っ越したことだ。
関町の地主さまとの賃貸借契約については、地主さまにはそれなりに条件を和らげて能々(よくよく)付き合ってもらったが、これ以上お付き合いしてもらえなくなったそうだ。

そんなことを考えてこの東京演劇アンサンブルの運営にも鳥肌が立つように心配になるのです。
新型コロナウイルスがどことなくはびこるこの世間。
このウイルスは何処に、どのような形で人間に忍び寄ってくるのか。
今の社長さんは高齢のご婦人、私にも随分仲良くしていただいた。
年老いた人も居ればそれ以上に若い人が群れ立っている劇団に、ちょっとぐらいのショックでも強く生きる力を私は見逃してはいない心算だ。
この劇団のことが、上記で知らせた新しい劇団ではなく、苦しくなるほど心配なのだ。