2020年7月21日火曜日

日本は藤井聡太に沸いたぞ

藤井聡太(そうた)

藤井聡太の画像
2020年7月16日。
藤井聡太は、大阪府大阪市「関西将棋会館」にて第91期ヒューリック杯棋聖戦 五番勝負第4局で史上最年少となる17歳11か月で「棋聖」を獲得した。
そのことが、テレビや新聞で大騒ぎ、日本中が藤井棋聖に沸いた。
将棋のことをな~にも知らない私だからこそ、この藤井君の栄誉は二本の睫毛が瞬間的に剥ぎ取られたように、驚いた。
否、酔っ払って寝ている時に、頭の髪をすっぱり狩り切られ丸坊主にされたようでもある。


対戦相手は渡辺明棋聖に3勝1敗でシリーズを制したことになる。
この戦いの後から、藤井聡太は新「棋聖」になり、渡辺明さんは旧「棋聖」になった。
愛知県瀬戸市出身で杉本昌隆八段門下入った。
2016年に史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たすと、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立した。
そして、19日に18歳の誕生日を迎えた。



★朝日新聞・社説 20200718
藤井新棋聖 「感想戦」に学びたい

将棋の藤井聡太七段が棋聖戦を制し、史上最年少の17歳11か月でタイトルを手にした。
プロ入りも最年少の14歳2か月、デビュー戦から29連勝するなど数々の記録を塗り替えてきた。

新聞を愛読し、「僥倖(ぎょうこう)」「望外」といった言葉を使いこなす高校生棋士が、若者らしさを一番感じさせるのは負けた時だ。
投了後に両者が一緒に対局をふり返って、勝因、敗因などを分析する「感想戦」では、何度もため息をつき、うなだれる。

藤井新棋聖は、多くの有力棋士と同じく、この感想戦を大切にきた。

かって好きな言葉を聞かれて「感想戦は敗者のためにある」だと答えた。
「感想戦という行為自体が他(の世界)では珍しいと思う。感想戦の意義をよく表わした言葉かな」。

別の場面で将棋の神様への願い事を尋ねられた際には、「お手合わせを」と応じている。

双方の言葉から伝わってくるのは、勝ち負けを超えて将棋の本質に迫りたいという思いだ。

おとといの対局後も、相手の渡辺明棋聖(棋王、王将)と30分ほどの感想戦に臨んだ。

それぞれの場面で自分が何を考えたのかを語り合い、より良い一手があったのかを共同作業で探求する。
人工知能(AI)でもすべてを解明することはできないといわれる将棋の奥深さと、そこに一歩でも近づこうという熱意。
悔しい負けを喫したばかりの渡辺棋聖がていねいな言葉づかいで19歳下の藤井新棋聖に意見を請うシーンには、胸を打つものがあった。

日本将棋連盟会長でもある佐藤康光九段は、感想戦での検討について「思いもよらない妙手が出てくると、震えるほど感動することもあった」と著書に記している。
敗れて腹が立ち、自身の感想戦を拒否して帰ってしまったことがあるとも明かし、「まったく自己をコントロールできていなかった」と省みる。

負けたり失敗したりした時、人はしばしば、ただ落ち込む。
言い訳を考える、忘れようとする。
逆にうまくいった時には、都合のいいことだけを記憶に残して、途中の過ちにはふたをする。

客観的に自分を見つめ直すのは難しいが、その機会を与えてくれるのが感想戦といえるだろう。

感想戦に時間の制限はない。
敗者が納得するまで続けるのが常だ。
藤井新棋聖も敗戦の経験を幾度も重ね、そこで得たものを次につなげてきた。

熟慮や対話を通じて自らを相対化する営みが敬遠されがちな現代。
将棋界が長い年月をかけて育んできた感想戦の文化から、生部べきことが多い。
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ネットにも藤井新棋聖のことで大騒ぎだ。
16日の対局終了後の記者会見には杉本昌隆八段も同席した。
下記の内容は、ネットをそのまま掲載させてもらった。

藤井新棋聖:
「(タイトル)獲得については、まだあまり実感がないんですけども、とてもうれしく思っています。
師匠には入門の時からずっとお世話になってきたので、1つ恩返しができたのかなと思っています」

杉本昌隆八段:
「タイトルというのは私たち棋士にとって夢の舞台ですし、すべての棋士の目標です。わが板谷一門では、私の師匠の板谷進九段が東海地方にタイトルを持ち帰るというのが長年の悲願でした。
孫弟子の藤井七段が今回実現してくれて、東海地方にタイトルをついに持ち帰ってくれるんだなと思うと感慨深いですね」「東海地方にタイトルを」。
師弟3代にわたる悲願達成です。



感想戦(かんそうせん)とは、囲碁将棋チェス麻雀などのゲームにおいて、対局後に開始から終局まで、またはその一部を再現し、対局中の着手の善悪や、その局面における最善手などを検討することである。
なお、「感想戦」は本来将棋用語であり、囲碁では通常「局後の検討」という言葉が使用されることが多い(NHK杯の司会者もそのような言い方をしている)。
感想戦は双方の対局者の間で行われるが、対局者以外の観戦者も参加することが多い。
対局の再現が必要となるため、棋譜を記録するか、記憶しておく必要がある。プロの囲碁・将棋の棋士は、大抵はその対局の棋譜をすべて記憶している。
囲碁・将棋においては、プロの公式戦では感想戦はほとんどの場合に行われ、アマチュアでも高段者、上級者の対局では感想戦が行われることが多い。
感想戦を行うことによって、一局を客観的に見直すことができ、棋力の向上につながるためである。
囲碁では対局後に行わずに帰っても問題とされることはない。チェスでは重要な大会では行われるが、時間的な余裕がない場合は省略してもよく、大会によって異なる。
将棋ではルール上明文化されているわけではないので、感想戦を拒否して帰っても特にペナルティはない。
実際、プロの公式戦でも体調不良等を理由に感想戦を拒否したり、手短に済ませるケースがある。
しかし観戦記者がいる対局における感想戦は記者に対するサービスという側面もあるため、行われないのは異例とされる。
以下、感想戦を辞退した著名なプロ公式戦の例をいくつか挙げる。