2007年3月10日土曜日

一星が、また走り出した。

息子の高校時代の同窓生・一星が、我が社に私を訪ねてきた。高校時代は、粗野で野性的で、ちょっと他人に与える印象が仲間とは違った。激しくアンバランスなところがあって、ちょっと何かが欠けている。それが若者らしく、清々としていた。

一星、私の勝手な妄想を許せ。

私が若かった時、ひょっとして、私もまた、粗野で野性的で、激しくアンバランスなところがあって、ちょっと何かが欠けていた、のだ。独立心が強い精神構造も、私と共通している。同じ遺伝子か、DNAか、同じ穴のムジナ同士? どうしても親近感が湧く、不思議な青年だ。

昨年結婚したからか? 表情も、服装も、すっきりしている。言葉使いにも配慮をみせる。

いよっ!!社会人!!ってとこだ。

「高校時代のシュート練習を思い出すのです。何回も、何回も同じことを繰り返した。ほとんど巧く蹴れない。だけれども、たまにはナイスシュートだってあるんですよね」と、一星は言った。又もや、私と同じ考えをもっていやがる。

私は、精一杯励ました。中華の定食を頬張りながら。

 

 

一星が走ってやってきた。

オジサンと同じ業種で、働くことになりました。

会社は、今、激動の変革期にいるのです。大変身を目論んでいるようなのです。

私は、新米の社員。何を、どのようにすればいいのか? 手探り状態です。

私は、いいチャンスを頂いた、と思っています。

そうだ!即、エンジンを点火だ。

そしてアクセルをめいっぱい踏み込んで、シリンダーにガソリンをぶっこめ。

走れ。

沼地も草原も砂漠も凍原も、コンクリートジャングルもだ。

暑気にも、寒気にも、へこたれるな。

表情はいつもゆったりと、にっこりと、余裕綽綽でいこうぜ。

挑戦だ。

いにしえの賢人の言ったことを、そっくり君に献上しよう。

『若者には、失敗も成功もない。全て経験なんだ』

若者には、失敗とか成功なんて、ないんだよ。

ちょっとばかり褒められたとか、ちょっとばかり出世したとか、

ちょっとばかり会社に迷惑をかけたからとか、なかなか成果が出ないからとか、

そんなことで、有頂天になったり、悩んだりすることはない。

オジサンも、賢人のその言葉を金科玉条と、生きてきた。

思考せよ。

企画、工夫、思案の積み上げの過程で、習得したことや創案したことを、“言葉”で表現することだ。

初めて、新しい“言葉”を、口にする時には勇気がいるものですぞ。

新しい領域に、足を踏み入れることになるのだ。

新しい“言葉“はときには、革命を起こす引き金にもなるのだ。

愛するのだ。

妻を、友人を、同僚を、先輩・上司を、関係する全ての人を、一方的に愛するのだ。

愛されないことを恐れるな、一方的に愛するのみだ。