今春、春の高校野球選手権で、話題になった、駒大苫小牧の田中将大投手と早稲田実業の斉藤祐樹投手は、それぞれ、プロ球団の楽天、六大学の早稲田大学で、共に1年生だったり、プロ・ルーキーだったり、よく頑張っている。
ハンカチ王子ともてはやされた斉藤は、声援にこたえて春のリーグ戦の早稲田優勝に大貢献した。かたや、田中投手は、初戦はプロの手痛い洗礼を受けたが、その後、頑張って、頑張って、奪三振率9,51は,只今リーグ1位だ。
9,51というのは、、1イニングスで1個以上の三振をとる計算になる。
13日には、交流戦にて中日を相手にプロ初完封投手になっている。ますます、実力を身につけてきた。
今年の新人の完封は西武・岸 孝之(22)と同日で、高卒ルーキーでは一番乗りだ。何かと小言の多い野村監督が「孝行息子の誕生だなあ」と絶賛した。
14日には、斉藤投手は全国大学野球選手権トーナメント2回戦、対九州国際大学戦で、9回2-1、ツウアウト、一塁三塁に走者ありのところで、リリーフで登板、ヒットは打たれたものの、抑えた。
早稲田大学は15日には、3回戦、対関西国際大学戦にも勝ち、栄冠に向かっている。大詰めのところで、斉藤の活躍の場がきっとあるのだろう。
そこで、偉大な投手とは、どのような人のことを言うのだろう。
「三振にこだわらない投手は、真の投手ではない」。
そこで、江夏大明神さまのお話だ。
68年9月17日、阪神の江夏豊はシーズン最多奪三振の日本記録をつくる。タイ記録をライバルの王貞治から奪い、新記録も王貞治から奪うために、8人のバッターをわざと三振させなかった。「投手の高橋一三さんに打たせるのが難しかった」。そして、王から空振り三振を奪って、新記録を達成させた。それほど、三振へのこだわりがあった。江夏の、71年の球宴での9連続はもう伝説の世界の話になった。「あの年は球宴まで6勝しかしてないのに、ファン投票で選ばれたから、ファンに三振で恩返ししたかったんや」
江夏さんは、過去の人。これからの田中将大、斉藤祐樹の活躍に、我々は期待しよう。