社員の皆さんには、苦しい経済環境のなか頑張っていただいていることに感謝している。頭が下がる思いです。
社員には、扶養義務がある親や子供、妻や夫がいる。住宅ローンあり、学資保険あり、教育費、生活費をなんとしても捻出しなければならない。私の方からは、会社を早く健康な元の状態に戻さなければならない。
スタッフにとっては、以前よりも仕事の量が増え、働く時間が増え、休日が減り、休憩時間も減った。定期的に行う館内外の清掃も、今までの3倍の量をこなさなくては終了できない。そうかといって働いた割りには成果が乏しい。
愚直に、迷うことなく、信じることを着実に行動するしかない、とお願いしている。スタッフの誰もがよく理解を示してくれている。
そんな日々に、スタッフの奥さんから、私たちを励ます手紙とともに、思わぬ贈り物を頂いたのです。
頂いた品物は「両手上げ招き猫」の置物です。メーカーさんの説明書が面白かったと言えば失礼に当たるのですが、今の時世には説明書を読んだだけでも、なんだか、微笑ましくて、有り難味が感じられて、マイノート書き留めておこうと思いついた。又、この会社の商品に対する思い入れもよめて、なんだか温かいものを感じた。
どういう訳か、この頃こういう物に痛く心が動くのです。
有難い物だと思い込めば、ひょっとして幸運をもたらしてくれるかもしれない。このアリガタキ代物(しろもの)を、パソコンのモニターに鎮座してもらって、眺めた人に、どうか幸運をもたらしてもらえないものか、と。
招き猫の歴史は古く、いろいろな説がありますが、最も有名なのは平安時代空海(弘法大師)の時代にまで遡ります。空海が朝廷の命を受けて灌漑工事に赴いた折、お金も人手も足りなくなりそのうえ病人まで出て困りぬいているとき、どこからともなく一匹の猫が現われ、両手を上げて何かを招くようなしぐさを繰り返しました。それからほどなく朝廷から多額の資金が加算され、人手も足り、病も完治し、難工事は完了したといいます。このときに奇跡を生んだ猫こそが、福を呼び、人を招く究極の縁起物純金箔「両手上げ招き猫」のルーツなのです。一般的な招き猫は片手を上げていますが、空海ゆかりの招き猫は両手を上げてより絶大なパワーを発揮します。
この商品には、製作者の工夫がいっぱい込められている。これこそ製造販売する側の熱意のあらわれなのでしょう。