2010年1月10日日曜日

スポーツは人を育てる!!

下のような新聞記事を読んでしまったら、もうスポーツをこよなく愛してきた私には、忘れてしまうことが怖くなって、急いでマイファイルしておかないと気がすまなくなった。

黒木君は今年の正月に行われた全国高校ラグビー(花園)で優勝した東福岡高校のロックだ。彼が優勝の歓喜の輪の中で、「幸せ」だと言っていた。

作家玄佑宗久(げんゆうそうきゅう)さんが、この「幸せ」ってことについて著している書物=『しあわせる力』の新聞広告から、その本の一部と思われる文章の紹介があった。その文章をここに転記させてもらうことにした。

ーーー、かって日本人は幸せのことを「仕合わせ」と書いた。「しあわせ」は豊かになることで得られるものではなく、人と人との関係性でしか得られないものだ。ーーー

黒木君の「幸せ」って言葉が、まさに玄佑さんが仰っている「仕合わせ」なんではないか、と納得した。

私もスポーツで、人と人との関係性で育てられ、「仕合わせ」を感じたことは何度もある。私には、この文章が痛いほど理解できます。

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朝日朝刊

全国高校ラグビー大会で優勝した東福岡の19歳のフォワード

黒木東星(とうせい)さん

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一度は、高校を辞め、花園はあきらめた。「回り道なんかじゃなかった。幸せ」。19歳の高校3年生が、優勝の歓喜の輪に加わった。

ポジションはスクラムの核を担うロック。仲間のために密集で壁となり、ひたむきに体を張って球を守った。「トライは決めなくても、陰で支えるって格好いいでしょ」

宮崎県日向市から、ラグビーの強豪で知られる大分の進学校へ。アパートでの慣れない一人暮らし、苦手な勉強、厳しい練習。「寂しくて、何もかもつらくなって」。ラグビーまで怖くなり、8ヶ月で退学した。

受験し直した故郷の高校には、落ちた。父の貢さん(56)が営む設計会社を手伝えばいい、と割り切った。だが、186センチ、86キロ、50メートルを6秒2で走る逸材は放っておかれない。東福岡の願書締め切り1日前、コーチから誘われた。「投げ出した自分を必要としてくれて、うれしい」。年上のプライドを捨て飛び込むと、同級生は受け入れてくれた。

みんなで話し合って、戦略を立てる。勝つことよりも、考えることの大切さを学んだ。「そうしたら、何でもちゃんとやらなきゃって」。授業中の居眠りもなくなった。

中退した時、男手一つで育てた父は、怒らなかった。「つらいけど、いつか夢が見つかる」と待ってくれた。高校日本代表候補にも選ばれ、早大に進む。「父さんや仲間のおかげで道が開けた。もう逃げない。恩返ししたい」。夢には続きがある。

文・木村健一  写真・伊藤恵理奈