寂しい夜の、読書欄です
寂しい夜の、私の「楽しみ読書欄」とは、こんなものだ。
この稿は、未だ未だ出来上がってはいないが、少しでいいから、公開してくれよとの声にこたえた。
前回に述べたかったが、書けなかったその読書とは、こんな本のことだ。
この本は、私のお抱(かか)えの本屋(ブック オフ)で、購入した。
購入総額は、お小遣いの一部でまかなえている。
本の内容について、著書のなかの文章をお借りしたので、宜しく了解していただきたい。
この稿は、今日の今日までの原稿に過ぎません。
よって、明日からも、ドンドン追加しますので、気長に御付き合いください。
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① 「推定脅威」 未須本有生(みすもと ゆうき)・文芸春秋
スクランブル飛行中の自衛隊航空機が墜落した。
はじめ事故原因はパイロットの単純な操縦ミスとされていたが、航空機メーカーの技術者たちは、どこか不可解なものを感じたようだ。
この影には、防衛省と航空機メーカーが相対する、脅威の正体が、暴露されていく。
「デビュー即日本一の航空小説」=石田衣良
「航空機についての知識に圧倒される。これは強い」=北村 薫
② 「化生の海(けしょうのうみ)」 内田康夫・新潮社
観光地紹介をメインにした出版局の記者が、知り合いの不幸にどうしても納得できず、死者が 行きがった道を、自ら車や船を利用して、忘れ去られていた犯人を捕まえる。
不幸を受けた側からのささやかな応援も、記者にはありがたかった。
講談社によると、「化生」とは、ーーー
①(仏教語)四生の一つ。母胎や卵からでなく、自らの業力(ごうりき)によって超自然的に発生すること。または、そのもの。諸天・地獄の有情など。
②形をかえて現れること、化身。③ばけもの。変化(へんげ)
③ 「廃墟に乞う」 佐々木 譲・文芸春秋
仙道孝司は北海道、捜査一課の敏腕刑事だったが、任務がもとで患った病のため、休職を命じられていた。
幾ら病気だからと言われても、心身は覚めやらずだった。
ようやく回復してきた頃、かって札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で、千葉でも性風俗に勤める女性が殺された。
仙道は、札幌で起こったこの事件もあいつの犯行か?と思いついた。
それから、仙道の行動が始まった。
先ずは、犯人の足を追って、旧炭鉱町に向かう。
それから、リゾート村、札幌の倉庫、競走馬生産牧場へだ。
警察手帳も銃も持たない休職刑事が 事件を見出す。
光と闇を駆け出したのだ。
④ 「しまなみ幻想」 内田康夫・光文社
「母は殺された?----」
瀬戸内の海に浮んだ、少女の「哀しき疑惑」。
この少女に果てしない情を感じた浅見光彦は、希望の光となれるのか!!
来島海峡から飛び降りた母の死に、疑問を持った少女。
偶然、彼女と知り合った浅見は、その死の真相を調べるため、しまなみ海道へ向かう。
美しき海と島々がおりなす”海道”で、浅見がみたものは!?
浅見と少女の考え道理のことだった。
⑤ 「瑠璃の海」 小池真理子・集英社
副題に、究極の恋の道行く、とあった。
この男の中で壊れてしまいたい。
究極の愛のかたちが呼ぶ、圧倒的な感動。
拡がる共感の声。
バス事故で夫を失った三十代半ばの萌。
娘を失った作家・遊作。
突然の悲劇に結びつけられた二人は、
同じ孤独の淵で愛し合い、終末へと向かう。
運命に弄ばれ、静かな絶望に彩られた愛の行く方は如何に?
⑥ 「孤舟(こしゅう)」 渡辺淳一・集英社
定年退職して始まる本当の孤独!
バラ色の第2の人生のはずが、待っていたのは、夫婦関係と親子関係の危機。
人生最大の転機をいかに乗り切るか!?
主人公の威一郎は、広告会社の大手の会社を、ほぼ1年半前、満60歳になったところで定年退職した。
それから、娘は出て行き、妻だって娘の世話をやくと言って、出て行った。
主人公は一人きりになって、何か有意義な生活をおくれないか、と模索した。
そこで、この本の物語は始まる。
此処で今日これから逢う相手は、先日、デートクラブで約束した女性である。
名前は、小西佐智恵、27歳のオフイスレディだ。
⑦「落第坊主を愛した母」 遠藤周作・海竜社
没後10年記念出版
小学校も中学も不成績で、周囲の者や親戚の人たちから馬鹿にされるばかりか、学校の先生からも馬鹿あつかいを受けて、自分でも俺はほんとに馬鹿ではないかという劣等感に悩まされた。
そうした時に、母は、「お前は一つだけいいところがある。
それは文章を書いたり、話しをするのが上手だから、小説家になったらいい」と、言ってくれた。
遠藤順子(本文より)
遠藤の兄は灘中四年から(昔の中学は五年制)に入学し、一高の二年で(昔の高校は三年制)東大に合格するというような秀才でした。
ところが主人のほうは零点ばかり。
成績順でAからDまでに組み分けされていた灘中では、遠藤正介の弟だからということで一年はA組でしたが、二年B組、三年C組、四年五年はD組という有様でした。
親戚中から周作は仕様がない、仕様がないと非難される中で、母一人がいつも主人をかばってくれたということです。
ですから、主人のファン第一号は間違いなく遠藤の母だと思っています。
「周ちゃんは大きいことをする人間になる」といつもいつも言ってくれたそうです。
「おふくろがいなかったら俺はぐれていただろう」と自分でもよく述懐していました。