2019年11月26日火曜日

W大の勝利に乾杯

20191123 14:00~
早稲田大学東伏見グラウンドにて、早稲田大学サッカー部(正式にはア式蹴球部)は専修大学サッカー部に3-0で勝った。




朝から雨が降り続けていたが、午前中に午後の試合を前に練習をしたらしい、こんな日のこんな雨どりなので、早稲田としては当然だったのだろう。
私だって、早朝布団から飛び出してからというものの、頭の中は早稲田のサッカー部のことだけを考えていた。
我が家の前がバス停なので、8時22分に乗るよと妻に言ったら、あんた何を言っているのよ、9時半だって十分だよ、と笑われた。
この貧しい拙宅にいつまでも居られないんだよ。
やっぱり、妻が言うように乗り合う電車の待ち時間がなく、思っている以上にグラウンドに着くのは早かった。
こんなに早く、総監督の小柴さんとの会合場所の蕎麦屋に行くよりも、雨の中をとぼとぼと散歩した。
何をやっているか分りはしないが、早稲田のスポーツ選手と思われる学生があっちこっちで目についた。
そんな何てことのない光景でも、チンプンカンプン、私の胸が騒ぎ出すのが可笑しかった。
裏道に廻ってみて、新しい料理店が出店しているのに驚いた。
工藤薬局だけは、昔の店装そのままで、周りに医院ができて、それなりに羽振りがいいと以前工藤は言っていた。
工藤薬局は、今日は勤労感謝の日だったので休み、金属製のシャッターで締められたままだった。


試合内容については、早稲田大学ア式蹴球部公式サイトからそのままを転載させてもらった。

この勝利については涙、涙の溢れる、唯、唯、嬉しいだけの勝利ではなかった。
1週間前に総監督の小柴さんに電話をして、暫く観戦に行けなかったが事情があったんだよ、と釈明して、今週の専修大学戦は観に行くからと報告した。
そしたら小柴さんから、「ヤマオカさん、今度の試合は大変なんですよ。最悪の最悪でも引き分け、どんなことがあっても勝ちたいんです。必ず来てください」だった。
それならば、俺は土曜日の仕事を休みにして行くから、あの蕎麦屋さんで11時15分に待っていてくれと指示を出した。
旨い物でも食って、彼を励ましたかった。
公式戦では、監督は試合始まりの1時間半までにはベンチに入らなければならないと言った。
この試合で早稲田が負けると、1部リーグから陥落せざるを得ない状況にいることを苦しそうに話した。
鍋焼き蕎麦を食いながら、特別話すことはない、ひたすら励ますだけだった。

三晃庵

この三晃庵は、西武新宿線東伏見駅北口、ロータリーの真ん前。
蕎麦屋の社長さんとは、50年以上のお付き合い、同期の工藤とは幼友達だ。
西武線の踏切のすぐ横のビルの1階、このビルも所有物だと聞いている。
鍋焼き蕎麦を食っても試合時間までは時間があったので、東伏見に住んでいる同期の工藤に電話して、今度は彼と彼の家の近くの喫茶店で、日頃の四方山話と早稲田の今の状況、他大学の調子を聞かせてもらった。
彼はカレーに野菜サラダ、私はアイスクリーム。
グラウンドでは、トンボで人工芝上の水を掃きだせるだけ掃き出していた。
私たちが現役の時代とグラウンドは大きく変わり果てている。
私の技量では、泥んこグチャグチャのグラウンドの方がやりやすかったが、それは私だけの話か。
総監督の小柴さんと昼飯を食ったときに、「小柴さん、攻撃のことはよく考えているでしょうが、守りについては絶対、小さなミスのないように選手に言っておいてくれよ」と念を押した。

試合内容は前半1-0、1点差で勝ってはいるものの、相手チームにも結構攻められた。
最後のストップを何とかやり遂げたが、心配ハラハラの前半だった。

ハーフタイムに総監督の小柴さんに会った時、「小柴さん、1-0ではアカン、1点差ならいつでも追いつかれるし、安易に抜かれてしまうことだってある」と話した。
「兎に角、先ずはもう1点採って、2点差にしてくれ」と雄叫びを上げると、解かってますと顔は明るかった。

後半2-0で勝てた。
後半も相手チームは必死の覚悟で攻めてきたが、早稲田は巧い具合に2点加算できた。
2点目を入れた段階で、私の弱虫根性の急所は緩んだ。

そして3-0でゲームは終わった。
総監督に、メールで「嬉しい気持ちで、横浜へ帰ります」と送信したら「ありがとうございました」と返信してきた。

冒頭部分で話した通り、今回の試合はタ・ダ・モ・ノではなかったからだろう、グラウンドの周りの応援団は双方共に、応援団の人数から応援の手法に手をかけ品をかけ、大騒ぎだった。
どんなことがあっても勝ちたい早稲田大学の応援団は、勿論我が校のグラウンドでもある、相手校・専修大学に気魄でも勝っていた。
応援団の人数が、専修大学が100人とすれば、早稲田大学は我々のような卒業生も入れれば5倍以上はいただろう。
グラウンドの周囲には、目を瞠るだけの大きな手製の看板がピッチに睨みを利(き)かせていた。
こんな光景を、この早稲田の東伏見のグラウンドで見るのは初めてだった。


JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ

戦 1部  第22節 


vs専修大学

2019年11月23日(土) 14:00キックオフ @東伏見グラウンド vs専修大学
早稲田31 – 0
2 – 0
0専修
(36分)加藤 拓己
(79分)栗島 健太
(84分)金田 拓海
得点
警告・退場
28シュート6
2GK7
9CK3
9直接FK18
3間接FK1
0PK0
スターティングメンバー
POSNO.選手名
GK31上川 琢
DF2牧野 潤
DF3大桃 海斗
DF5杉山 耕二
DF6阿部 隼人
MF4鍬先 祐弥
MF7栗島 健太
MF10金田 拓海
MF25倉持 快
MF35梁 賢柱
FW9加藤 拓己
リザーブメンバー
POSNO.選手名
GK21千田 奎斗
DF12大里 優斗
DF41西前 一輝
MF27山下 雄大
FW11神山 皓亮
FW14藤沢 和也
FW23清水 駿
選手交代
OUTIN
71倉持 快神山 皓亮
86阿部 隼人大里 優斗
86加藤 拓己藤沢 和也

この試合の戦評

前節、関東リーグ王者明治大学を撃破し残留に望みをつなげた早稲田。引き分け以上で自力残留が決まる最終節は、専修大学との対戦である。もがき、苦しみ続けた今シーズン。
しかし「歴史的残留」を成し遂げるチャンスがそこにはある。
東伏見開催の最終節、部員一丸となって死力を尽くす。
前半立ち上がり、早稲田は再三にわたりセットプレーのチャンスを獲得するが、なかなかゴールに結びつけることができない。両者気迫のこもった攻防が繰り広げるも、時間の経過とともに早稲田が試合を優位に進める展開となる。35梁、25倉持が積極果敢に突破を試みシュートを放つなど、ゴールに迫るがあと一歩及ばない。
対する専修大も縦に鋭い攻撃を展開し早稲田ゴールを脅かすが、決定機を作らせない。
拮抗した状況が続く中、前半33分試合が動く。35梁のコーナーキックから3大桃がニアですらし、ファーで待ち構える9加藤がヘディングで叩き込み先制。
守備陣も集中力を切らさず、危なげない試合運びで前半を終える。
後半に入っても早稲田が試合の主導権を握る。
前半同様両サイドの突破に加え、裏への抜け出しから幾度となく決定機を迎えるも追加点を奪うことができない。
後半17分一瞬の隙をつかれ専修大の反撃を受ける。
専修大11に背後の抜け出しを許し、ピンチを迎えてしまう。
しかしGK上川がファインセーブ、残留に向けた執念を見せる。
後半26分、25倉持に代え11神山を投入し攻勢に打ってでる。
そして迎えた後半34分、6阿部のスルーパスに抜け出した7栗島がキーパをかわし、無人のゴールに流し込み待望の追加点を得る。
これで勢いに乗った早稲田は攻撃の手を緩めない。
後半39分、35梁のクロスを7栗島が折り返し、10金田拓が左足一閃。
これがゴール右隅に突き刺さり、残留を決定付ける3点目をあげる。
専修大も意地を見せ試合終盤、反撃を試みるも、早稲田はDFラインを中心に一瞬の隙も与えない。
早稲田は終了間際にチャンスを迎えるなど最後まで攻める姿勢を貫き、得点を許すことなく試合終了。
この瞬間に、「歴史的残留」が決まった。