2007年11月11日日曜日
忘年会は、銀河鉄道の夜だ。
今年の【忘年会】を企画しました。
’07 アーバンビルド
大忘年会「来年はもっと頑張るぞ」
日時:12月27日(木) 15:00~
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」
東京演劇アンサンブル 第25回クリスマス公演
宮沢賢治・作
広渡常敏・脚色
演出 林光・音楽
場所=ブレヒトの芝居小屋 (東京都練馬区関町北4-35-17) 電話=(03-3920-5232)交通=西武新宿線武蔵関駅北口より徒歩6分
今年は、いろんなことがありまして、私が企画することにした。東京演劇アンサンブルの志賀さんと、映画の配給も行っている東京T株式会社の高橋さんとのひょんな関係から、私も巻き込まれ、交流を深めているうちに、こんなことになった次第です。社内の誰にも相談しないで進めてきました。ビールを前に「志賀さん、クリスマスには何を上演するのですか」とお聞きしたら、「宮沢賢治の銀河鉄道の夜をやります」と返ってきた。へえ、と驚いた。企画はここで、即、お決まりだった。 今から15年ほど前に、忘年会を兼ねてだったか?、仕事仲間に慰労と感謝、また親睦を図ろうと、銀河鉄道の夜の朗読会をしたことがあった。その朗読会を思いついたのは、当然、私だった。学生時代に知り合った、当時、東京演劇アンサンブルで女優をしていた北村麦子(本名=入江紡子、愛称ツム)さんに依頼した。朗読してもらう文章を、ツムとまとめるのに苦労したことを、懐かしく思い出します。
ちなみに、ツムは東京演劇アンサンブルの代表者の一人である入江洋佑さんの長女です。もう一人の代表者は、志賀澤子さんです。朗読会の後、私は東京演劇アンサンブルの銀河鉄道の夜を2度観ています。そして、今度は3度目だ。
この忘年会に参加していただく皆様には、資格や基準は一切ありません。希望していただく方ならば、誰でも自由に来ていただきたいと思っています。大風呂敷を広げてお待ちしております。日頃、アーバンビルドの社業に邁進している社員の皆さん、その家族の方々、日常業務でお世話になっている各方面のサポーターの方々、どうぞ友人にも声を掛けてご一緒におこしください。なんせ、大風呂敷なんですから。
劇場の収容能力は、130人は可能だと聞いています。でも、130人という限定があるので、予約は必要かと思われますので、当忘年会開催準備室(045-338-3370)のⅠさんには連絡をしてください。
お芝居の後で、劇団の代表者と若手役者さんにお話をうかがうコーナーを作っていただきました。劇団にかける心情(なんで、ブレヒトなのか?)とか、役者にこだわる思いなどを話していただくようにお願いしています。ビールと(柿の種)なども、少々用意させていただきます。酒がないと、見向きもしないお人もいらっしゃるものですから。でも、酒場じゃないですからね、紳士的、上品に、飲み上手でないといけませんよ、淑女に嫌われますぞ。
宮沢賢治の世界は、草や樹木、星や雲、風をも意思や感情をもって登場するのです。是非、銀河鉄道に相乗りしませんか。現在、無料乗車券を風の又三郎が、風に吹かれながら、制作中です。皆様のお越しをお待ちしています。
銀河鉄道
ケンタウルスつゆを降らせ
ケンタウルス祭の夜、
ジョバンニは不思議な旅をする。
宮沢賢治の幻想四次元の空間へ、
ジョバンニとともにぼくらは旅立つ。
銀河の夜を走る軽便鉄道のかなたに、
人間の愛の愛が、
歴史の歴史が、
そして生命の生命が燃えているかもしれない。
現実世界は銀河の夜のかなたにひろがる
世界の世界の影らしいのだがー
広渡常敏(脚色 演出) (パンフレットの文章より)
宮沢賢治の〈不完全な幻想四次元〉世界では、人々の願いや祈りによって世界が変化する。思いが実現するのだ。そして銀河鉄道の夜の彼方の四次元世界に〈おかあさんのおかあさん〉がいらっしゃる。三次元現実の〈おかあさん〉は病気で、ジョバンニの牛乳を待っていらっしゃる。四次元世界の〈歴史の歴史〉は三次元現実では〈歴史〉となる。どうやら幻想四次元の投影として三次元現実があるらしい。さながら、マルセル・デュシャンの投影図法のようである。もし三次元現実の人々の願いや祈りが、銀河の彼方の幻想四次元世界に届くならば、不動ともおもわれる現実も変化することができるかもしれない。このような祈り似たユーモラスで稚気あふれる世界像が、「銀河鉄道の夜」の基軸構造である。檜のまっくろに並んだ坂の道で立派に光って立っている電灯の下に自転車のスポークのように四方に伸びているジョバンニの影たち(二次元)。それらの影が地面から起き上がって(三次元となって)ジョバンニを取り囲む。ジョバンニは三次元から四次元へ出発することになる。銀河ステーションに夜の軽便鉄道の音が近づいてくるのだ。
ものがたり〈劇団作成の案内文より)
北の海へ漁に行って帰らない父をもつジョバンニ少年は、活版所で働きながら、病気の母の世話をしている。学校では、つらい仕事のために皆と元気に遊べない。父親のいないジョバンニを見て、友達は仲間外れにする。カムパネルラだけはジョバンニを気に留めていて、ジョバンニもまたカムパネルラにあこがれていた。
美しく飾られたケンタウルスの星祭りの夜、ジョバンニはお母さんのために牛乳をもらいに行く。その途中で、ザネリたちに冷やかされたジョバンニは、町の灯りや子供たちのざわめきから離れて丘の頂上にやってきた。降るような星の下、体を冷たい草の上に投げ出した。寝そべっていたジョバンニの耳に、汽車の汽笛が聞こえてくる。
ジョバンニは影たちの激しい踊りに取り巻かれ、気がつくといつの間にか天の川を走る軽便鉄道に乗って幻想四次元の世界に旅立っていた。どこまでも滑るように走って、決して引き返すことのない銀河鉄道。気がつくと、カムパネルラも乗っている。
「お母さんは僕を許してくれるだろうか」、カムパネルラの突然の言葉にジョバンニは、この幻想四次元の軽便鉄道に乗って、〈お母さんのお母さん〉に会いに行こうと考える。
ジョバンニとカムパネルラの星めぐりの旅。ほんとうの幸せを見つけ出す旅が始まる。傾く銀河の彼方に、ジョバンニはほんとうの幸せを見つけ出すことができるだろうか。