2010年10月24日日曜日

私の昼めし狂・騒・曲

私たちの会社は、中古の戸建やマンションを仕入れ、リノベーションを施し、新たな付加価値を付けて市場に提供することを主たるな業務にしている。社員全員、日々、精励奮闘。他にも建売住宅、未利用地を造成して宅地分譲をしている。今年は、注文住宅を数棟、建てさせて貰った。センスの良さ、原価公開主義を貫きお客さんからは感謝され放しです。作品は、アーバンビルドのホームページをご覧ください。

住宅や宅地に関することの仕事ばかりなので、社員の誰もが会社に居る時間は少なく、外回りが多くなるのです。お客さんのお家や、設計事務所や工務店、役所、同業者さんの事務所を訪れる。また、建築や造成の現場にも行く。

そのような外回りにも楽しみがあるのです。それは、一人の時も連れで居る時も、仕事の合間を縫って、昼飯を何処で何を食うのかを考えて、それを実行することです。私が店を決める優先順位は、一に値段と量、二にメニュー、最後は諸々だ。私は営業のスタッフに比して外出する機会が少ないから、尚更非日常的な外食の時こそ楽しみたいのです。行き先と時間を見計らって、前もって店を決めてから外回りの仕事に出ることもあります。外食で、行動にはずみをつけたい。車の運転中にも、行きたい店、食いたいメニューを突然思いつくこともあります。飯を食わないと死んじゃいますからね、と。

牛丼一つにしても、選択肢は幾つもある、吉さんにスキヤはん、松っちゃんに卯さん。戦国時代だ。牛丼がメインだけれども、メニューの豊富さは流石(さすが)だ。研究されている。それに華々しい値下げ合戦。それにしても、吉さんの起死回生の決めダマだと最近新発売した牛鍋丼は、私には吉さんの気合の入れようほど、素晴らしいメニューだとは思えない。コストパフォーマンスをこの時とばかりに発揮したかったのだろう、牛丼ほど肉を使わないようにして、その代わりに糸コンニャクや豆腐を入れて、いかにもすき焼き風にした心算だろうが、値段の割には物寂しい。もっと廉くないと、このメニューはそのうち消滅するだろう。

それに焼肉安さんや、何だかよくわからないがたったそれだけのドンさんには、飯食い放題のランチがある。どちらにも、500円定食で飯食い放題、我が社の社員には熱い支持がある。どんぶり飯、5杯も食う猛者もいるのです。ところがどっこい、同じチェーン店でも店によっては、この得出しの飯食い放題でない店があるのです。このような店に入ったとき、ショックを受けてがっかりした人を見るのは耐えられない。慰めの声の掛けようがなかった。

各区役所、県庁、各市役所の食堂も侮(あなど)ってはいけない。

蕎麦屋のみなとさんにはアルプス盛りというメニューがあって、これは超難関だった。ざる蕎麦の巨大盛りです。値段を忘れたのですが量の割りには廉かった記憶がある。ご一緒した司法書士の銀子さんは、腰を抜かした。相当ショックだったようだ。私は食い残したことを平身低頭の態で、店員さんに謝った。大失態だった。勿体ないことをしてはいけない、これは亡き母からの唯一の教え、私の金科玉条だった。自分の胃袋を過信し過ぎてしまった、我が一生の不覚です。

社内で仕事があるときは、時間が許す時にはインスタントラーメンなどを作るのですが、それができない時は、最寄の駅の立ち食い蕎麦やうどんだ。かけ蕎麦なら280円。折角節約しているのですから、これ以上のものを食うわけにはいきません。讃岐うどんのうまい店も増えました。この店では、ネギと天カスが自由に取って食えるので、これは儲けモンですゾ。

そして、ちゃんぽんです。シーボルトやオランダ屋敷や、日本で二番目に原爆の被害を受けた、その地方の名前をつけたチャンポン屋さんがある。店の名前は、なんとか帽子を英訳にしたものだ。麺がレギュラーサイズ200gでも、大盛り(1,5倍)300gでも、ダブル(2倍)の400gでも、値段は同じの500円。私は、この大盛り(1,5倍)で十分なのですが、我が社の同僚は、ダブルをいただいて、けっこうな量でございました、とお店にお礼を言っていた。

そして、ここでちょっと待てよ、「ちゃんぽん」とは何じゃいな、と思って一緒にちゃんぽんを食っていた知人に尋ねた。知人は、それはお前、日本酒やウイスキー、紹興酒、泡盛にテキーラーやウォッカ、ビールなどをゴチャゴチャにして飲んだときに使うでしょ。ちゃんぽんして飲み過ぎたので、頭が割れるように痛い、とお前がしょっちゅう言ってるやろ、あれや。ごちゃごちゃ混ぜることを言うんや。

以下は、東京大学名誉教授の柴田 武さんの「常識として知っておきたい日本語」(玄冬舎)による「ちゃんぽん」の説明です。この本は私の寝床の枕元にいっつもありますす。本書122Pより。

鉦(かね)を鳴らせば、チャンという音がする。鼓(つづみ)を叩けばポンだが、この鉦と鼓を”チャン、ポン”と合奏することを「ちゃんぽん」と言ったのがはじまりだ。そこから、違う種類のものを混ぜ合わせることを「ちゃんぽん」と言うことになった。酒の「ちゃんぽん」はいただけないが、「長崎ちゃんぽん」は、肉や野菜、魚介類など、たくさんの材料が「ちゃんぽん」に使われていて、なかなか美味しい。