2010年10月25日月曜日

「告白」って、いやな感じ

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私の職場の同僚が、これ面白いンですよと文庫本を見せてくれた。私は、何とかオフという古本屋を見習って、その本を廉く買わせてもらった。本に対する占有欲が強くて、借りるよりも所有を求める性向なのです。好きになれない本は、人にあげるか捨てて、好きな本は身の回りに置いておきたいのです。

その本は半年ほど前から話題になっていた湊かなえ氏の「告白」だった。映画化もされた。第6回の本屋大賞にも選ばれたのです。面白いことは面白いのですが、残念ながら、私が喜ぶ類の本ではなかった。実は、今この本の物語の終盤まで読み進んできたのですが、ここら辺で少し疲れてきたのです。

女教師の娘が自分の勤める学校の敷地内にあるプールで溺死体として発見された。だが、これは事故ではなくてこのクラスの生徒によって殺されたのです、と教師はホームルームの時間に生徒に向かってこの顛末の告白を始めた。

それから級友の女生徒の告白が続く。女生徒と級友たちと先生の関係や新任のクラス担当の新米教師の様子が述べられていく。

犯人の下村少年の告白は、父母のこと、姉たち、母との関係が続く。それから犯人の渡辺少年の告白だ。父と実母のこと、実母から電子工学の知識を授かったこと、それから継母との関係、下村少年との共同作業から、そして離反。

ーーーーーーーー、ここまで、読み進んできた。

そして仕事の関係で一週間、この「告白」が読めなかった。その間に、下のような記事に遭遇する羽目になったのです。

この本は、確かにストーリーテーラーとしての著者の才は抜群に冴えている。題材や物語の展開が奇抜で、好きな人には好まれたでしょうが、私はそれらがが好きになれなくて、正直読むスピードが上がらなかった。映画化された理由も分る気がするのですが。仕事の関係で、読み進めなかったとか言い訳しているが、どうしても好きになれないのが大きな原因だったのだろう。

この本を早く読み上げて、宮沢賢治の童話の一話でも読まないと、元の自分に戻れないなどと考えていたところだったのです。頭の中は靄(もや)がかかったままだ。

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「告白」について、読了もしないうちに、気乗りしないことの文章を綴っていた。その最中に、愛知県立の商業高校で、担当教諭が馬鹿げた問題を作成して生徒に回答させていたというニュースがあった。

今読んでいる「告白」とは、何の関係もなく、似ていると言えば学校内で起こった、先生と生徒との出来事ぐらいなのだが、本を読んで気分が暗くなっていた矢先だったから、異常にこのニュースが気になったのだろう。

その事件はネット上に、題字〈見出し〉=「校長暗殺犯は誰」、として紹介されていた。その事件を間違いなく把握するために新聞記事をさぐった。結果、20101023の中日新聞の夕刊の中にその関係した記事を見つけた。

★愛知県立東海商業高校(同県東海市大田町)で19日行なわれた中間試験で、校長を暗殺した犯人を当てるというクイズのような問題が出され、選択肢の中に同校教員の実名が使われていたことが分った。校長が「教育現場にあってはならない」と問題を作った担当教諭を厳重注意した。

試験に出た問題は、職員室で暗殺された校長が残した血で書いた文字を手がかりに、選択肢に実名であげられた教員7人の中から犯人を選ぶという内容。校長が書き残した「41124」と横に書いた数字を逆から見ると「カていカ」と読めるため、答えは「家庭科の教員」というわけだ。

総合ビジネス科の総合実践の試験で貸借対照表やビジネスマナーの問題とともに、「頭の柔軟さをはかる問題」として出題された。作ったのは20代の男性教諭で、3年生の2クラス77人が回答。同校によると「柔軟な思考を育て人間力をつける趣旨」として、クイズ的に思考を試す問題はこれまでにも出題している。

それから20101024の朝日新聞の朝刊には、前の愛知県立の高校での記事ともう一つ東京都の小学校での授業の内容の記事が掲載されていた。この記事も、何やら憂鬱な気分にさせられた。こんな変な内容の事件が、何故この時期、こんなに起こるのだろうか、後日のためにここに転載させてもらう。

★これって授業?

小学校教諭がクイズ 答えは「三女を殺す」

東京都杉並区浜田山小学校の女性教諭(23)が、授業中に自殺や殺人を題材にしたクイズを出題していたことがわかった。同校は23日に臨時保護者会を開き、岩崎義宣校長が「不適切な指導だった」と謝罪した。

同校によると、問題となっているのは、10日の2時間目、3年生の算数の授業中に出したクイズ。「3姉妹の長女が自殺し、葬式があった。その葬式に来たかっこういい男性に、次女がもう一度会うためにはどうすればよいか」という趣旨の質問で、答えは「三女を殺す(また葬式をする)」だったという。

教諭は「授業を楽しくしたいと考えてのことだったが、軽率だった」と話しているという。

くだらない教師が、くだらないことをしでかしてくれるなあ。

上の2件のそれぞれの教師には、校長が厳重に注意したとか言っているが、こんな教師は教師の資格どころか、教室、学校なる施設内で働く資格がない。愛知県の高校の場合だけれど、中間テストなどの問題を、管理者である校長や教頭は目を通さないものなのですか、民間の会社ではそんなこと有り得ない。自らの行為を深く反省して、早々と神聖なる学び舎から立ち去ってもらいたいものだ。

気分を取り直して、これから、「告白」の残りの部分を読むことにしよう。