2018年8月17日金曜日

天の川 カササギさん

天の川のことを、中学生の時に先生から、七夕はA子さんとB君が一年に一度のランデブーをしたとっても幸せな夜なんだよ、私の大学生になるまでのお教(おし)えであった。
それからの天の川は、浪漫主義者としての私の、幸せの原点になった。

そして太宰治のどの本で読んだのか覚えていないが、女の人には乳房と乳房の間に汗が流れるんだよ。
涙の谷、その涙のことを、悲しみの涙だと言う。
大学時代に、太宰治が私の生き方に対する先生でもあった。

それからの私は、天の川の数知れない星星のことを、天が心して涙を流すものだ、と思うようになってしまった。
喜怒に哀楽、どのような感情にも、涙は果てしない。
幾ら、涙をタオルで拭いても、私の涙は止まらない。

天の川が、歓喜に溢れたランデブーから、哀愁の涙の川になってしまった、、、。

そんな私が、こんな天声人語を読んだだけで、あれもこれも思い出してしまう。

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カササギ



Wikipediaより「天の川」とは。
天の川あるいは天の河(あまのがわ)は、夜空を横切るように存在する雲状の光の帯のこと。
東アジアの神話では夜空の光の帯を、川(河)と見ている。一方、ギリシャ神話では、これを乳と見ている。それが継承され英語圏でもMilky Way(ミルキーウェイ)と言うようになった。
この光の帯は天球を一周しており、恒星とともに日周運動を行っている。
日本では、夏と冬に天の川が南北に頭の上を越える位置に来る。これをまたいで夏には夏の大三角が、冬には冬の大三角が見える。他の星も天の川の周辺に多いので、夏と冬の夜空はにぎやかになる。
現在では「天の川」や「Milky Way」という言葉で、天球上の(視覚的な)帯だけでなく、地球を含む星の集団、つまり天の川銀河を指すこともある。

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20180817の朝日新聞の天声人語を転載させてもらいました。

今夜、天の川にカササギの橋がかかる。旧暦7月7日、七夕である。
国立天文台が、梅雨さなかの新暦ではなく、旧暦で祝おうと呼びかけている日だ。
カササギは夜空に翼を連ね、速く離れた織姫と彦姫の間を取り持つ。

カササギを県鳥とする佐賀県の保護施設で対面した。
間近で見ると、目が丸く愛らしい。羽色は白黒の2色で、長い尾羽は太陽光を浴びて青や緑に輝く。
佐賀を含む九州北部に生息するという。

「カチカチと聞こえる鳴き方が、『勝ち』に通ずる。
縁起がいい鳥として知られています」と県文化財課の森宏章(ひろあき・45)。
地元ではカチガラスとも呼ぶ。
佐賀市内には「かさぎ通り」があり、駅名板にも両翼を広げた姿が描かれる。
地元のサッカーJ1「サガン鳥栖」の旗にも登場するほどだ。

県は20年前から保護活動に取り組んできた。
春先、幼鳥が巣から落ち、けがをしていると市民から通報が来る。
森さんは「傷ついた幼鳥を治療し、自然界に戻す。自力で飛ぶ姿を見ると、親鳥のようにうれしくなります」。

七夕を祝う風習は宮中から庶民へ広がった。
江戸時代の子どもたちは七夕の時期、たらいの中で、織姫と彦姫を引き合わせた。
水面に映した二つの星をそよ風で近づけ、逢瀬を演出したという。
天空の遠距離恋愛を実らせたいという優しさは時代を超えて息づく。

今年の新暦7月7日は西日本を豪雨が襲い、甚大な被害をもたらした。
旧暦の七夕こそは、夕涼みでもしながら心穏やかに、天の川を見上げたい。