2007年1月30日火曜日

星野の仙ちゃん、球界改革もたのみます。

北京五輪・星野ジャパン船出

燃える男

闘将 

25日、星野仙一・前阪神(60)の08年北京五輪出場を目指す野球の日本代表監督就任が正式に決定した。その記者会見での会見内容と、星野新監督の、記者に笑顔で応えている写真が載っていた。

コーチを、田淵幸三、山本浩二、大野豊の3人に要請しているとのようだ。

星野新監督の顔が青年のようにピカピカに輝いている、その顔に目が釘付けになった。今の心情を少年の気持ちのようになったと、話したとも書いてある。なんちゅう、こっちゃ、サンタルチア だ。

「少年のような気持ち」になった、なんて。よくぞ、ぬかして(言って)くれたなあ。私は、目蓋が熱くなって、新聞を握る手が震えた。つい、弛んだ口からご飯粒を、こぼしてしまった。瞬間、犬のツバサがご飯粒をパクリ、ご相伴にご満悦。

この記事を見つけたのは、毎朝幸せ気分が大いに高まる、朝飯中のことだった。

何じゃ、このオッサンは。何で、こんなに嬉しそうな顔ができるのだ? 星野さんを、最後にテレビ等で観たのは、阪神球団のゼネラルマネージャーを辞める発表記者会見だった。体の、不調を訴えていた。表情は曇っていた。会見後、会場から去る星野さんの背中が、非常に寂しげだった。

女房に、あの時は大変辛そうだったよね、と聞いたら、彼女は「あれはねえ、気分の問題だったようだよ」と、なんとも冷静なコメント。

年齢が60歳と、記してあるではないか。還暦だ。私も、後2年経てば、還暦です。

団塊世代の定年退職が、全国的に昨年頃から始まった。弊社にも、社内で最初に還暦を迎える川出のオヤジがいる。川出のオヤジは、今、脂がのりのりで、旬。働き盛りだ。謙虚な人柄故、若い奴らには絶対負けません、とは決して言いませんが。コンピューターを自在に操り、作業の質と量は抜群だ。

星野さんと、弊社の川出のオヤジは、団塊世代の生き方の見本を示してくれている。同輩・後輩には、ありがたいお手本だ。

それに、コーチ陣の人選に、心憎い配慮。よくも、あの方々を選んでくれましたね、私は非常に嬉しいのです。私が、好きだった人、私に、失望ばかり与えた人、私をいつも奮いたたせてくれた人。

星野さんには、何故、こんなにもファンが多いのだろうか? 少し思い巡らせてみよう。

中日時代には、投手として監督として、あの、憎(ニック)らしい巨人を相手に、全力で戦ったイメージが、脳裏から離れない。

ON全盛時代、巨人は前人未踏の9年連続日本一に輝いた。私、アンチ巨人にとっては、地獄だった。10連覇を阻止したのは、中日だった。中日の投手陣の要が星野投手で、その年の沢村賞の栄誉を受けた。さぞかし星野さんは、気持ちよかったことでしょう。

私は、いまだに、巨人に対してだけは、嫌悪感を持っています。華麗なプレーを見せてくれた長島茂雄さんに対しても、彼の非凡な才能には喝采を送ったが、それ以外、何も魅力を感じない。人間的魅力を何も感じない。彼の言動、チンプンカンプンだ。

バックに巨人球団がいて、読売新聞社がその巨人球団の株主で、そのオーナーが、正力某から悪名高い渡辺恒夫氏に、そして現在の滝鼻氏に代ってはいるものの、その巨人球団の体質は、スポーツとしての野球の根源も理解しないで、興行的感心・打算のみで球界を牛耳ろうとする企業体質が、イヤなのです。

それも、自球団だけの利得を優先させ、他球団を見下すやりかたは、ヤクザチックでもあるぞ。よって、巨人球団から輩出される有名人が、何を仰っても信用することはできません。

そんな巨人に、全身敵意丸出しで戦った。

コミッショナーも可笑しい、オーナー会議もオカシイ、唯、選手会だけは、真剣に明日の野球を考えている。

そんな、変な球界が心配でしょうがなかった矢先に、星野新監督の情報が入ってきた。星野さんは、私がグダグダ言っていることについては解っていただけると、確信しているのです。全日本の監督になって、成果を出していただきたい。そして、腐った球界の一部のボスに目を覚まさせて欲しい。

星野さんは、選手、監督、解説者、球団フロント、夫、父、傍観者、市民、をやってこられた。全てが、お見通しだ。

恵まれない子供達に、選手を支える奥方さまに、心配りをする星野さんには、野球界のゴタゴタや、改革しなければならないことが、痛い程感じておられると思う。球界の未来の理想像も見えているはずです。

球界へのご意見番になって欲しいのです。ヤクザチックな、球界悪餓鬼を追い払って欲しいのです。こんなゴロツキに球界が殺されかねないのです。

このことについては、後日改めてお願いしたいと思っている。

2007年1月26日 朝日

闘将の手腕 みせどころ       (山田佳毅)    

ユニホームーを脱いで3年あまり、22日には60歳になった。「自分を育ててくれた野球に恩返ししたい」。星野氏にそのチャンスがようやく来た。

いかに選手に普段の実力を出せるかが手腕の見せどころだ。ベンチのいすを蹴り上げたかと思うと、殊勲の選手を強く抱きしめる。感情を素直に表し、周りのやる気を引き出してきた闘将には最適の役といえる。

グラウンドの外でも、準備に抜かりはなかった。04年のアテネ五輪はテレビの解説者として赴いた。「いろいろ勉強させてもらっているよ」。そう電話で話す声は弾んでいた。この日、予選で戦う韓国、台湾チームについて問われると、「8割くらいのデーターはもう出している」と明かし、驚かせた。

ホームページや自分の言葉で「日本よ、しっかりしろ」とゲキを飛ばす。「もっと日の丸を意識してもいい」と、選手には伝えるつもりだ。中日、阪神の監督時代は3度、4勝で決まる日本一に挑み、いずれもかなわなかった。初期決戦をいかに戦うのか。

数日 後

星野全日本新監督に、北京五輪の健闘をお願いした。ついでに、いい成績をあげてもらって、それから、野球を愛するファンのために、球界のゴタゴタ整理の旗振り役を任じて欲しいと思って、拙文をだらだら書き綴った。そんな直後に、社説に取り上げられていたので、転載させていただいた。

2007年1月29日 朝日 社説

「お飾り」はいらない  プロ野球   

プロ野球が組織と運営の見直しに動き出した。半世紀以上も前にできたプロ野球協約に基づく仕組みは、現状に対応できなくなっている。改革は遅すぎるほどだが、それにしても及び腰に見える。改革の最大の狙いは、球団間の利害に引きずられ、思い切った手が打てない現状を変えることだ。そのためには、協約で「野球組織を代表し、管理統制する」となっているコミッショナーの役割や権限を明確にすることが必要だ。

コミッションーは、ずっと外部から招かれていて、04年2月に就いた11代目の根来泰周氏は法曹界の出身だ。東京高検の検事長や公正取引委員長を務めた。

歴代のコミッショナーのなかには協約通り、真剣に球界の刷新に取り組む人もいた。しかし、オーナーに煙たがられて成果を上げられなかったこともあり、多くは、功なり名を遂げた人による「お飾り」という印象が強い。

招くほうも招かれる方も、それでよしとしてきたのが近年の実情だ。しかし、これが04年に起きた球界再編やスト騒ぎの混乱を増幅したのは間違いない。

刷新案では、経営部門と紛争の処理部門を分けて独立させる。経営方針の決定は新たに設ける「最高運営会議」が担い、その議長をコミッショナーが務める。一方、コミッショナーが指令や裁定を示してきた球団や選手間の紛争解決は、第三者機関に任せる。

これが実現すれば、従来のコミッショナー像は大きく変わる。

疑問なのは、コミッショナーが会議の議決権は持たない方向で検討されていることだ。これまでオーナー会議では、オブザバーでしかなかったコミッショナーが、議事を進行するようになるのは前進かもしれない。しかし、権限がなければ、会議に伴う作業をこなす「事務局長」のような役回りにならないか。また、この会議には球団の代表に加え、親会社の代表も含める考えのようだ。メンバーが増えるほど、責任の所在はあいまいになりがちだ。

スター選手は、大リーグに流れ出し、野球人気は低迷している。ドラフトの裏金に代表される経営の不透明さや、一部の人気球団を除けば赤字が続く体質を改めるのは容易ではない。

この危機を乗り越えるには、個々の利害を超え、球界全体の将来をにらんで行動できるようなコミッショナー制度が必要だ。企業の最高経営責任者(CEO)のような存在である。

米国の野球やバスケットボールなどの大きなプロスポーツは、それが原則になっている。

刷新案の骨格は根来氏が作り、先日のオーナー会議で承認された。これを基に協約の改訂作業が始まり、年内にも改定される見通しだ。

コミッショナーが弱ければ、プロ野球全体も弱くなるという覚悟で、球界は臨んで欲しい。