2017年10月8日日曜日

少年刑務所に船員養成所

6日の朝日新聞・夕刊の1面の記事にお~お~と慶んだ。
同時に、もっと大きな題字の記事にも狂ったほどに慶んだ。嬉しくなった。
新聞記事をそのまま転載させていただきます。

その1。
世の中には温哀色々な出来事はあるが、哀しい話には悲しみをもって、嬉しいことには歓喜の涙をもって受け応える。
少年刑務所に船員を養成する科があることを知った。私の郷里の田舎友達が、何処でどうなったのか知る由もないが、少年刑務所にお世話になった者がいた。
少しばかりの行儀の悪い仲間と付き合い、果てにはそのような結果になったようだが、私には田舎での好い友人だったが。そんな友人を思い出してしまった。

そして、大学時代の友人も何処かの飲み屋からの帰りに乗ったタクシーの運転手と、タクシーの走路と乗車料でもめた。乗っていたのは友人とラグビーの選手だった。
その時のもたもたゴトの内容は、聞きもしないし、友人は話そうとしない。それは、それはしょうがないこととして、すまそう。
結果は警察のお世話になることになるが、友人が得た苦しみは計り知れない。
暫らくの拘束後、友人を飲み屋で共通の仲間たちが集まって、名もない宴会をした。
その時、九州・熊本から、友人の母も同席された。母は、皆にこの子を今後もよろしくと頭を下げられた。この子を、田舎では、東京ルンペンって言っているんですよ、と屈託なかった。



その2。
ノーベル平和賞に「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に決まったとの報道だ。これは、核の廃絶を真剣に望む国や地方を管理・代表する機関だ。
当たり前の機関だと、高(たか)を括(くく)っていた俺はアホだったのだろうか。広島、長崎の被爆者、死病者たちのことを、今こそ真剣に考えなくてはならないのだ。その機関がノーベル平和賞だ。よかった、よかったでは澄まない話だ。
先日、共同代表の日本人が、この賞は広島や長崎の被爆者たちやこの主旨に賛同していただいた皆様がいただいた物ですよ、と話された。
この賞には、世界の多くの人たちの悲願を叶えようとしたものなのだ。

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★その1の記事。
再出発「海の男」になる
函館少年刑務所に船員養成船
北の海で受刑者たちが「海の男」としての再出発を期し、船を操っている。函館少年刑務所「少年北海丸」。刑務所で船員を養成する国内唯一の実習船だ。高齢化に悩む漁業や船舶業の関係者も熱い視線を送っている。

訓練生、出所後の目標に
「釣り舟らしきボート、500メートル先左へ進む!」。8月上旬、函館港を出港した「少年北海丸」の操舵室。双眼鏡を構えた見張りが近くを航行する船を見つけて声を上げると、操舵輪を握る訓練生が「おもかじいっぱーい!」とかじを切った。

舟を操るのは全国の刑務所から志望して集まった船舶職員科の25~50歳の男性受刑者11人。航海法規などの授業や函館港内での航行訓練に加え、夏は夜間訓練としてスルメイカ漁にも出る。訓練時間は1年間で約1500時間に及ぶ。

多くの職業訓練では受刑者同士の会話は原則禁止。だが海の上では互いに声をかけ合い、息の合ったチームワークが求められる。

この日、見張り役として船の右舷に立った男性受刑者(44)は薬物の元売人だ。
「なんとなく仕事が見つかるといいな」と軽い気持ちで参加した。次第に船の魅力にとりつかれ、今は「覚えることがたくさんあって大変。でも知れば知るほど船の仕事っておもしろい」と感じている。「出所後は遠洋漁業の仕事がしたい」という具体的な目標も生まれた。「厳しい環境に身を置いて、刑務所の中での5年間を取り返したい」。

刑務官の指導にも力が入る。工藤正人刑務官(42)は当初、訓練生を見て「塀の外に出られるといった興味本位で参加しているな」と感じた。だが3か月の訓練を経て、訓練生の顔つきが変わってきたように思う。「船の仕事をしたいと語る訓練生が多くなってきた。部屋に帰ってからも熱心に勉強している」と感心する。

鈴木幹英機関長(52)も「理解が進むにつれ興味が湧いて積極性も生まれている。集団の中で働くことで自己の役割を認識してきている」と感じる。この日、声かけを怠った訓練生に声を荒げた。それも、成長を期待しての親心だ。

人手不足を補う
船員を志す受刑者の存在は、人手不足や高齢化に悩む漁業界や船舶業界から注目されている。

就業者数が減り続けている漁業界。農林水産省の統計では、2016年は10年前から約5万人減り約16万人だった。高齢化率は上昇傾向にあり、16年は4割近くが65歳以上だった。小規模経営の漁業者を中心に後継者不足も深刻だという。

漁業の就業支援を行う一般社団法人「全国漁業就業者確保育成センター」(東京)は3年前から、船舶職員科の訓練生への講和を行っている。今年6月、同センターや水産庁、漁業会社の担当者らが、函館少年刑務所で漁業の雇用形態や海技士免許が生かせる漁業について説明した。質疑応答では、全ての質問に応えられないほど多くの質問が寄せられた。

講和を担った同センターの馬上敦子事務課長は、訓練生全員が「将来、船の仕事をしたい」と手を挙げたことに驚いた。「本気度が伝わり、心強い」と話す。

即戦力を育成
全国各地の刑務所では、人手不足が深刻な業界で即戦力として働ける職業訓練に力を入れている。

「フォークリフト運転科」がある刑務所は13年度に4か所、現在は23か所で訓練を実施。鉄筋やコンクリートの工事について学ぶ「建設く体工事科」は今年度1か所増えて7か所に。介護福祉士になるための実務者研修ができる介護福祉科は15か所にある。

法務省矯正局の担当者は「雇用者のニーズに応じて拡大を図っていく」と話している。

(坂東慎一郎)




写真の説明/上、少年北海丸=函館少年刑務所提供
下、実習で教官(手前左)から航行の仕方などを学ぶ受刑者ら=8月7日、北海道函館市、白井伸洋撮影

函館少年刑務所
1869(明治2)年に函館開拓使出張所内に函館徒刑場として設置。1943年に現在の名称に。同年9月、太平洋戦争の戦局拡大に伴い、人手不足の海運界へ海員を送り出す「北海海員養成道場」を所内に開設。全国から集まった受刑者を海員に養成した。戦後、職業訓練機関として58年に船舶職員科を設置。未成年に限らず、今年10月現在で刑期10年未満の男性受刑者約700人を収容している。


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★その2の記事。
今年の各種のノーベル賞が発表されている。
今日6日の朝日新聞・夕刊では、ノーベル平和賞の受賞が決まったのは、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に決まったと報道した。

ベアトリス・フィン事務局長は6日、朝日新聞の単独取材に応じ、核兵器禁止条約の発効について「2018年末という野心的なゴールを持っている」と述べ、来年中の発効を目指す考えを示した。

条約の発効には50か国の署名・批准が必要。すでに50か国以上が署名しており、これらの国々が批准手続きを達成すれば90日で発行することから、「18年中」との目標を設定したという。

国連のグテーレス事務総長は6日、「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICA)のノーベル平和賞受賞決定を「祝福する」との声明を発表した。