2017年11月5日日曜日

日本ラグビー 豪州に完敗

リポビタミンDチャレンジカップ
日本代表 豪州に完敗


朝日新聞・20171105 スポーツ
後半、突進するも阻まれる日本代表FB松島(中央)

9月のある日、娘から電話があった。息子が入っているラグビーチームから11月に日本代表とオーストラリアの親善試合(テストマッチ)が日産スタジアムであるので観に行かないかと連絡があった。息子、私にとっては孫なのだが、学校ではサッカー部で、空いた時間はラグビーのチームに参加している。
サッカーについては、レベルの高低と言うか上下と言うか、国際試合を随分観ることは観た。私の鑑識眼の鋭さについて、レベルの広高さを自負している。

2019年9月20日にラグビー ワールドカップが日本で行われる。この世界大会に向けての、先ずは協会の仕掛け、企画だ。試合会場は、日本全国12会場。決勝は11月2日、18:00に横浜国際総合競技場(日産スタジアム)。ラグビー関係者は、この催しを機会に、ラグビーの発展を狙っているのだろう。夢を持つラグビーファンを増やしたい。その前に優秀な競技者を輩出したい。
スーパースターが現れてくれないと、なかなか発展、進歩は厳しいのだ。

サッカーについては、サッカーリーグからJリーグに変更してから、選手の成長ぶりには瞠(みは)るものがあって、まだまだざと思うけれども、これからの成長を楽しみにしている。
それに比べて、ラグビーの方は頑張りが足りないように思えてならない。日本人の選手で海外のチームに参加して、物足りなさのない選手になってほしい。サッカーが十分やっているではないか、とはまだまだ言えないけれど、ラグビーもそれなりに海外のチームで頑張って欲しい。

この孫は体格的に、誰よりも大きく、だからか走るスピードも比較的早く、どういう種目が彼にとって一番良いのか?それは解らないことは当たり前のことだが、私にとってはラグビーが良いのではと内心思っている。
結果は誰も解らない、が、私が大学のサッカー部に入部して暫らくたってから、サッカー部の後援者のおじいちゃんから、君はひょっとしてサッカーよりもラグビーの方が向いているのかもしれんなあ、と話しかけられたことがあった。私自身、サッカー競技者として必要な繊細で微妙な技術に欠けていたことを知っていた。

高校時代、サッカー部に所属しながら、友人が新しく創部、立ち上げたラグビーの試合に、ルールを解りもしないで、試合に出たこともあった。褒められたことはなかったが、ラグビーの何かを知ることはできた。
ラグビーについては、大学時代に、早明戦をどこかの競技場で観たのが唯一のものだ。秩父夜祭りの日の午後のことだった。何故そこまで憶えているのかと聞かれても、きっちり応えられるのは、その日、試合を観戦してから翌朝まで、秩父で過ごしたことがあったからだ。お金は無かったけれど、そういうことには貪欲だった。
寒かったので、喫茶店でピザを食って腹じまいした。

そんなことで、孫がラグビーをやることに違和感は当然なかったが、むしろ秘められた期待感も持っている。

娘から話しかけられた試合が昨日、横浜市の日産スタジアムであった。
日本代表は世界ランキング11位、オーストラリアは同3位、世界的な評価では日本がいささか厳しい状況だ。結果は30-63(前半3-35)で敗れた。日本協会では、対戦成績は9戦9敗。入場者は42000人を超えた。
ラグビーについてそれほど詳しくないので詳細は書けないが、新聞やテレビ、ネットで騒がれている以上によくやったではないか、と思っている。後半の後半で日本は必至でトライしたが、このトライがなければ、観衆の頭の中はなんと不幸なことになっただろう。
私には、よくやったしか思えない。若い人たちは、負けている日本に皮肉な一言二言、投げやりな言葉を吐いたのではないか。
しかし、私は立派にここまで成長してきたことを胸張って言える。
オーストラリアにコテンパにやられたように言うけれど、ここまでできるようになったことを、ここで褒めてあげたい。
日本の人口は1億2千万人前後で、良く此処まで種々のスポーツに頑張っていることを評価したい。世界大会においてもそれなりの成績を収めている。確かに、日本人なら、誰でもが、もっともっと欲はある。その欲望は限りないけれども。

日本代表、これからザぞ。私には解っている。



★試合内容を20171105の朝日新聞・スポーツの記事をここに転載させてもらう。
破られた防御網
世界との差痛感

これが「世界」なのか。

日本の防御網が次々と破られていく。ゴール前で死守しなければならない1対1のタックルが、ことごとくはね飛ばされた。世界ランク3位、オーストラリアの壁は高かった。

立ち上がりが致命的だった。球際で相手の圧力に耐えきれず、日本は反則を繰り返した。前半5分、10分、23分に奪われたトライは反則から自陣深くのラインアウトへ蹴り込まれ、ゴールを割られた。前半だけで5トライ、30点差以上をつけられた。主将のリーチは「規律が足りない。1対1のタックルがW杯でベスト8に入るレベルじゃない」と痛感した。反則をせずにチームで耐える「規律」が乱れ、個々の部分でも力の差は歴然だった。

ジョセフヘッドコーチは「体格が大きい選手を止めることで苦戦した。世界のトップ4との試合はタフになると再認識した」。自国開催のW杯まであと2年。世界との差を埋めるために残された時間は、長くはない。
(増田啓佑)


ネットでも記事があったので、ここに転載させてもらった。









前半、 FW堀江(右上)と布巻(手前)=日産2017年11月4日、宮間俊樹撮影









 ○オーストラリア63-30日本●(4日)
     日本の規律の低さが招いた完敗だ。前半5分、フッカー堀江のノーバインドタックルが反則になり、オーストラリアにラインアウトからつながれ、先制トライを許した。10分にはスクラムでのコラプシングをきっかけに、相手にインゴールへ持ち込まれた。1対1のタックルも精度を欠き、前半だけで5トライを積み上げられた。
     スクラムで後手に回った日本は密集でもボールを奪えず、敵陣に入り込めなかった。前半の得点はSO松田のPGのみ。主将のFWリーチは「世界トップとのレベルの差がはっきり分かった。最初の20分でやられた」。
     オーストラリアが選手を大幅に入れ替えた後半、日本はモールで押し込んで初キャップの姫野らが3トライを挙げた。相手はW杯で2度の優勝経験を誇る。かつてなら日本の健闘と言われただろう。 ただ、2年後のワールドカップ(W杯)で日本が目指す8強入りには、1次リーグで強豪のアイルランド、スコットランドを倒すことが不可欠だ。SH田中は「持久力が追いつかなかった。一人一人が強くなれば、もっと相手を止められる」。この日、国内の日本代表戦では過去最多の4万3621人でスタンドは赤く染まった。期待に応えるには、戦術以上に、基礎的な体力を高める必要がある。【大谷津統一】