2017年12月17日日曜日

天声人語・創作四字熟語

20171216、朝日新聞・天声人語の創作四字熟語。

毎年、住友生命の年末恒例の創作四字熟語で、今年の出来事を振り返る。毎年この時期になると、この天声人語になる。密かなお楽しみ、気長に待っていた。
が、そうは言っても、このブログに書き残して置かないと、私の気がすまない。
数々の話で私の興味は尽きることはないが、天声人語でこの話だけは格別だ。
筆者に申し分けないが、驚くほど、腰を抜かすほどの面白いのが少ない。そうは言ったって、やはり気になる熟語はある。
賢人筆者に偉そうに書いてすまないと思っている。突っ飛(トッピ)な表現、絶妙な作法のものが物足りない。
でも、ここに書き留めておけば、近くになるか遠くになるか解らないが、この記事の面白さは必ず発揮される。


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若き才能の奇想天外とも言える活躍だった。「棋聡天才」(きそうてんさい)の藤井聡太四段が成し遂げた「連聡棋録」(れんそうきろく)に胸が躍った。陸上100メートルで9秒台を出した桐生祥秀選手の「桐走十内」(きそうてんだい)の疾走も光った。住友生命が募った年末恒例の創作四字熟語で、今年を振り返る。

伸びる一方のネット通販。その陰で疲弊する現場の叫びが伝わってくる。「荷労困配」(にろうこんぱい)の宅配業界である。世の不満が煽(あお)り運転につながっているのか、「煽々恐々」(せんせんきょうきょう)の路上もある。

自然の脅威を感じたのは、船舶からのヒアリの侵入だ。「蟻来迷惑」(ありきためいわく)だが、手をこまねいてはいられない。夏には長雨にたたられた地域があり「閉口雨読」(へいこううぞく)の日々だった。「危険水威」(きけんすいい)のゲリラ豪雨は、すでに日常風景であある。

世界ではこわもての指導者が幅をきかせ、礼賛する歌まで街に流れる習近平総書記はまさに「中央習権」(ちゅうおうしゅうけん)。馬耳東風ならぬ「万事虎風」(ばんじとらふう)のトランプ大統領の振る舞いに、慣れてしまうのが怖い。

食べ物も観光地にも写真でインスタ映えしなければ売り込めないと「映利多売」(はえりたばい)が目立つ。問題すべてがうんこに関連するドリルがヒットし、「便教熱心」(べんきょうねっしん)の子どもが増えたそうな。

熟語の応募は11月初めまで。その後のニュースを小欄が補ってみた。引退した元横綱がいま口を開いて気持ちを述べるなら「悔綱一晩」(かいこういちばん)となるか。首相が「丁寧に説明する」と臨んだ特別国会は、十分な答弁も掘り下げた調査もなく終わった。「不答不掘」(ふとうふくつ)の姿勢を来年も続けるのは、勘弁してほしい。