2008年10月8日水曜日

田沢投手の勇気に、カンパイ!

朝一番(081008)の新聞記事に、唖然とした。その記事の内容は新聞記事をそのまま転載させていただいたので、確認してください。

その記事の内容に、瞬間ピーンときて、これは可笑しいぞと思いながら、批判的な記事や、批判的なコメントが、聞こえてこないのが、不思議だった。プロ野球を支えていくには興業が成り立たせなくてはならないのは、百も承知だ。古典的経営者のボスの横顔が浮かぶ。巨人、ナベツネとその申し子の滝鼻オーナーの真剣な表情が目に浮かぶ。日本の野球が興隆を極めて、そのお陰で新聞が沢山売れて、テレビの視聴率が上がって、広告収入が増えること、これが経営者の狙いだ。とりわけ、読売新聞は自前の球団巨人の戦果が、発刊数に露骨に影響する。球団経営にモロに影響をくらう。

今回は、ドラフトの目玉になりそうだった新日本石油の田沢純一投手が、ドラフトを拒否して海外のプロ球団と契約したいと宣言したことから、日本の球団は彼が先鞭となって、学校を終えて、社会人野球を経て日本のプロ野球を経験しないまま、海外でのプロ野球を目指そうとする者にケチをつけたのだ。プロに新しく入った優秀な人材を話題にして、自分勝手に、日本でこってり商材にしたっかたのだ。このようにして海外へ渡った選手が、海外でのプロ球団を退団した後に、日本でのプレーを目指しても、一定の期間は、契約することはできません、という規定だ。嫌がらせだ。一旦海外のプロ球団に入団しても、止むを得ない事情で帰国しなくてはならない場合だって発生しかねない。そんな時には、日本のプロ球団は雇ってあげませんよ、だって。数年たったら、雇ってあげますよ。なんじゃ? この根性が気に食わん。日本のプロ野球界は焦っているようだ。こんな焦りが今回の決定につながったようだが、私にはそこまでなりふり構わずヨウやるね、と思った。

スポーツはスポーツとして進化しない限り、興味が惹かない。アスリートは、自分の進化に全身全霊を賭けて、最善を尽くす。時間の経過も大きい問題だ。環境と機会も。進化していく姿に人は感動を受けるのだ。北京五輪の日本野球のダラシナサに、うんざりした人も多かっただろう。イチローや松坂、両松井、黒田、岩村、その他の大リーグで活躍している選手達のなんと!!格好のエエことよ。オジサンは、零細企業の経営者の端くれだ。我々の業界、経済の世界、何もかもが重苦しくて堪らん環境の中で、仕事の束の間、大リーグで頑張っている選手のことが話題になった時は、しばし爽やかな気分になる。挑戦したいという田沢を応援したい。オジサンは、仕事のうえで突破口を開けずに苦悩している。田沢には、夢が、若さが、才能が、勇気がある。ワールドカップFIFAをめざす岡田ジャパンの、アジア予選のこれからの戦いも、楽しみの一つだ。

チャレンジ、可能性を信じてどこまでも努力を続けようとするアスリートを応援したい。アスリートが目指そうとする世界が、今の日本のプロでなくて米大リーグなら、それも大いに結構ではないか。それを嫌がらせのようにする、あなたたちは何者ですか。野球を真に愛する者たちは、今回のプロ野球実行役員会の規約を決めたことに、誰も喜んではいない。役員さん、あなた達は偏狭ですぞ。

私はサッカーを愛しています。サッカーに育てられた者です。日本では、野球に遅れてプロ化したサッカーですが、中学生のことは知らないが、高校生でも海外でプロとして頑張っている選手がいるのです。そして、日本代表の歴代の監督は誰もが、日本選手が海外でのプロチームに所属してプレーすることを勧奨している。

現在の日本のプロ野球の球団関係者、とくに経営者さん、そろそろ、お目覚めが必要なのではないですか。

そして、今朝(081008)、やっぱり、朝日新聞が怒った。吼えた。その記事は昨日の記事の後に転載させていただいた。

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(081007)

朝日朝刊・スポーツ (ダイジェスト)

ドラフト拒み外国球団入り

帰国後2~3年 契約せず/NPB新規約

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プロ野球の実行役員会が6日あり、ドラフト指名を拒否して外国のプロ球団と契約した選手についての規約を決めた。外国球界でプレーした後日本でのプレーを希望した場合でも、高校出の選手は帰国後3年、大学出・社会人からの選手は2年、日本の球団は契約しないことにした。

今ドラフトでの1巡目指名が確実まがらメジャー希望を公表した新日本石油ENEOSの田沢純一投手にも、メジャー入りした場合には適用されるとしている。ドラフト指名に漏れて外国へ行った場合にはこの規約は適用されないが、田沢は事前に12球団に「指名しないで欲しい」と伝えているため、今回指名されずにメジャーに行っても、帰国した場合は2年間、日本のプロではプレーできなくなる。

田沢の一件を受けて、日本プロ野球組織(NPB)が「自衛策をとらざるを得ない」(巨人・清武代表)と有力選手の流出防止策を練っていた。

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(081008)

朝日朝刊・スポーツ

自由自在/「ケチなルール」

〈志方浩文〉

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「海外流出の抑止という意味だから、NPBはケチなルールを作ったとか書かないで欲しい」

プロ野球のドラフトを拒否して海外プロ球団へ行った選手への規約が作られた6日の実行委員会後に、ある球団幹部が話した。規則を作った側も、「ケチなルール」と自覚しているということだ。

海外へ行ってから一定期間は契約しない、という規定なら理解できる。

今回のものは違う。日本に戻ってくる場合、海外球団を退団してから2~3年、契約しないということだ。それは、選手にとってプロではプレーできない空白の期間を作るといううことだ。メジャーで一旗揚げて最後は日本球界での輝きを目指す選手を拒絶することにつながる。

しかも、田沢がメジャー希望を表明してから話し合いを始めて作った規定なのに、田沢にも適用するという。これでは「後だしジャンケン」だ。

今後も、メジャー志望の有望選手は後を絶たないだろう。日本球界が考えるべきは、「向こうに行かせない」ことではなく、そういう選手にいつ日本で活躍して貰うか、ではないか。

今年のドラフトで入る大学・社会人選手は、フリーエージェント(FA)権を取得するのに国内移籍なら7年なのに海外なら9年かかる。22歳の選手なら最短で31歳だ。

「それなら直接メジャーへ」と考えても仕方がない。これが、5,6年で行けるとなれば、日本のプロに入ろうとする選手も増えるだろう。

国外FAの年数を短縮するには、大リーグ球団から今はもらっていないFAに伴う移籍金を取ることも必要だ。そういう交渉を、加藤コミッショナーに託すのはどうだろう。

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田沢「渡米の決意揺るぐな」

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日本プロ野球組織(NPB)がドラフトを拒否して海外のプロ球団と契約したアマチュア選手に対し、海外球団を退団後、日本のプロ入りに一定の凍結期間を設けたことに関し、大リーグへの挑戦を表明している社会人野球・新日本石油ENEOSの田沢純一投手は7日、「決意が揺らぐことはない」と改めて渡米の意志を示した。

田沢は、「内容を詳しく知っているわけではないが、まずアメリカ。日本に帰ってくるまで考えていない」と話した。ただ、「後に続く人に対し、申し訳ないという気持ちはある」と複雑な心境を明らかにした。大久保監督は「早い段階で渡米の意思を公表したのは、ドラフト指名を検討する日本のプロに迷惑をかけないためだったのに、突然ルールを決められるなんて」とプロ側の対応に疑問を呈した。