2011年11月2日水曜日

またもや、バカ恒(つね)!

bbl11111220230028-n1

またもや、株式会社読売巨人軍会長の渡辺恒雄(ナベツネ)氏に苦言を呈したい。

親会社のTBSホールデイングスが、株式会社横浜ベイスターズを持ち堪(こた)えられなくなって、昨年から身売り先探しに奔走していた。昨年は、住生活グループとの売却交渉が最終の条件のすり合わせができずに決裂した。

今年は、本気で売却を成立すべく、相手探しをしていたところに、ゲームサイト「モバゲー」を運営しているディー・エヌ・エー(DeNA)が名乗り出た。TBSの関係者はさぞかし溜飲と肩の荷を下げていることだろう。TBSの経営者には、スポーツに関する見識も覇気もない。売却話は大詰めを迎えているようだ。そろそろ、正式発表かと、噂されている。

買収に乗り出したディー・エヌ・イーは球団名にモバゲーを使いたがっているが、ナベツネは球団経営の努力をしないまま売名行為のために球団を購入する行為は認められないと発言した。このことに関してはオーナー会議なのか、何会議か知らないが、どうぞじっくり論議することをお勧めする。

このようなことを、新聞報道で知ったが、交渉の途中の何かと微妙な問題が発生しかねない状況下、まして他球団のことなのに、読売巨人軍のナベツネが、交渉の経過を記者らにべらべら話していることに、違和感を感じた。君はいくつもある球団の一役員に過ぎない身の上だよ。身の程をわきまえろ。自らの球界への影響力が低下していないことを誇示するかの如く、と朝日新聞の西村欣也記者は記事にしている。私も、全く同感だ。

買収の条件が双方折り合っても、オーナー会議の4分の3以上の同意を得なければ、新しく加入が認められないというルールがあるらしい。それほどの重要で微妙な問題なのに、正式に決まる前から、あれはイイ、これはダメだと言い切る、この男は、頭が狂っているとしか思えない。自分を何様だと思っているのだろう。

横浜球団の売却先にからむ、ナベツネの新球団名称問題についての発言はこれまでにして、今回のことがきっかけで、かってのナベツネに対する不快感が甦ってきた。

私は、サッカーを愛する世界中の幾億人と同じように、誇り高いサッカー人間の一人だと自負している。ほぼ半世紀に亘って、サッカーと付き合ってきた。私の高校時代は、日本代表がムルデカ大会(アジア地区の大会)に出場しても、いい成績がおさめられなかった。ドイツサッカー協会から派遣されたクラーマー氏の指導で日本チームは基本から学んだ。その甲斐あって、東京オリンピックでの健闘、メキシコオリンピックの銅メダルにつながった。その後しばらくは、日本サッカーの成長止まり感のする期間だった。

そんな息詰まり状態に風穴を開けてくれたのが、(社)日本サッカープロリーグの発足だった。

このプロサッカーリーグ、現在のJリーグに参加するチームは、企業の自社宣伝役を担うのではなく、地元に密着したチームであることを発足理念にした。日本で初めての試みだ。地元にサッカーを文化として根付かせたいとの願いがあったように思う。地元のホームグラウンドが、ファンの心の故郷の一部にでもなればということだったのだろう、と私は推察する。

日本サッカー協会は、球団のオーナーや役員には自分の企業のアピールよりもサッカーを地元に根付かせることで、企業としても存続できるように運営して欲しい、と申し渡した。

協会リーグ事務局は、球団の呼称を「地域名+愛称」を望み、スポンサー企業名を使わない。その指針に従って、各球団は横浜マリノス、大阪ガンバのように名付けて、各媒体もそれに従った。

ところが、正式名称は「ヴェルディ川崎」なのに、読売系の媒体では、表記、アナウンスを「読売ヴェルディ」として開幕から1994年まで事務局の意に反して使用した。当然、Jリーグチェアマンの川渕三郎氏と読売のナベツネはもめた。川渕先輩の頑(がぁ~ん)とした態度が雄雄しく天晴れだった。

ナベツネは、どうしてもJリーグ発足の理念を理解できなかった。彼は、企業名でもある読売をアピールしたかった。ところが、今は「モバゲー」を球団名の冠に使いたがっているディー・エヌ・イーをを売名行為だとののしっている。

球団を抱えたいと思うディー・エヌ・イーの創業者である代表者の意思の確認が重要だ。球団経営の方針を、横浜の地を、スポーツとしての野球を、ファンのことをどのように考えているのだろう。かって、横浜だったか他の球団だったかを買収すると名乗りを上げた消費者金融の武富士は、世間からも各球団の関係者からも冷たく扱われたことは、記憶にある。

ナベツネは今でも、野球界ではドンの心算で居るのだろうが、Jリーグにおいては自分の立場がない、何の相談も受けなかった、名誉欲強く、目立ちたがり屋、権威主義のナベツネにとって、自分抜きでリーグが発足されたのが、屈辱的だったのだろう。

ネベツネは、スポーツが文化なのだということを、理解できていない。ただ、読売新聞の購読者を増やすことしか考えていない、旧来の経営者だ。

だから、読売ではサッカーは丸でダメだった、野球もきっとダメにしてしまうだろう。