2011年11月26日土曜日

毛皮の販売、ノー!

20111125の朝日新聞で、「ウェストハリウッド市議会が可決 全米初毛皮服の販売禁止条例」のタイトルの記事を見つけた。市議会は、賛成5、反対0の全会一致。

下の新聞記事を読んでから、本稿に入りたい。

新聞記事に少し合点がいかないところがある。それは、【動物の毛を使っていない革製品のほか、毛皮をあしらったような家具は、(販売)対象外にしているという】、ことだ。動物の毛と皮が、それに毛皮が、この条例で取り扱いが違うのは何故だ。条例の主旨からは、毛も皮も、毛皮も違わない筈だ。

私は、革製品も製造販売を禁止すべきだと考える。動物を殺したくない。まして、殺した動物の肉を食うことも避けたい。しかし、かく言う私も、極力食わないように努めている段階だ。

アメリカの小さな市の条例に過ぎないが、私はこの潮流は確実に大きな流れになるのでは、と想像する。動物愛護の運動の成果だろうが、それはそれとして評価したいが、私には食糧問題としても考えたい。

昨今、凶悪な犯罪や忌まわしい事件が頻発する。事件が暴力的過ぎる。凄惨な事件を前に、誰もがどうしても、何が原因なのだろうか、と考える。

命を奪われた哺乳類たちの怨霊が人間界を呪う。神を信じない私でも、神のお怒りか、天罰が下されたのか、と思ってしまうのだ。肉を食する行為が、直、人間に災厄をもたらす、そんな因果は簡単には実証できないだろうが、廻り回って人間の精神の荒廃をきたしているのではないかと。これって、私の気まぐれな、満更でもない妄想です。

牧畜業界に飼料を売りつけるアメリカの穀物メジャーが、肉を食する生活が恰も文化的な生活だ、などと煽る。食の欧米化とか何とか言っちゃって。コカ・コーラ商法と全く同じだ。生活が少しでも豊かになれば、肉の消費量が増える。牛や豚、鶏の飼育を増やして、肉の消費を高め、穀物の価額を操作する。肉を生産するには、膨大な飼料が必要なのだ。

畜産、穀物メジャー、金欲、肉を食うこと、人間性の荒廃が進み、動物や人間の生命が軽々然に成り果てた、もうこれは全くの魔界だ。この世界に思いを馳せたい。

切迫する世界の食料不足に対処するには、肉の消費量を減らすことだ。肉の消費量を少し減らすだけで穀物の消費は過分に減る。穀物メジャーはちょっと困るかも知れないが、でも、深刻な食料不足で困っている未開発国が、アフリカなどには多々ある。人口も増えつつある。

毛皮服の販売禁止条例から随分話は逸れてしまった。

肉を食うことで食料危機を作る穀物メジャーの思う壷に、はまらないことだ。

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20111125

朝日・朝刊

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(ウェストハリウッド市は、ファッションが主要産業の一つ=AP)

 

米ウェストハリウッド市議会が、毛皮の衣料品販売を禁じる条例を可決した。全米でも初めてだといい、2013年9月に施行する。動物保護団体は歓迎するが、「セレブ」が行き交う街の業界は反発している。

ウェストハリウッド市はロサンゼルスとビバリーヒルズ市に隣接する。人口約3万5千人の小さな市ながら、映画関係者の行き来もあり、毛皮のコートなどを売るブランド店も多く、毛皮の小売・製造業者の全米団体も立地している。

条例は、動物保護を掲げる市議の1人が提案し、議会が数ヶ月にかけて小売業界などから意見を聞いたうえで採決した。米メディアによると、動物の毛を使っていない革製品のほか、毛皮をあしらったような家具は対象外にしているという。

毛皮をよく着るワーストドレッサーに歌手のマドンナさんや俳優のキャサリン・ゼタジョーンズさんらを選んで、やり玉にあげてきた動物愛護団「PETA」は条例を歓迎。「他の街もウェストハリウッドの例にならうよう望んでいる」との声明を出した。

一方で、ウェストハリウッド商工会議所は経済損失を主張する。モリル会長は米NBC系地元テレビ局の取材に「新条例で市外に出ると言う小売店がある。多くの小売店は、動物保護団体の報復を恐れて声を大にして言わないだけだ」と不満をあらわにした。

(藤 えりか)

この市は、ロスアンゼルスの夜の繁華街として名高いところだそうだ。人口36000人のうち3分の1がゲイかレスビアン、3分の1が55歳以上、そして12%が新しく移民してきたロシア系ユダヤ人という異質な住民構成で、ゲイのカップルに一般夫婦同様の権利をを求める市条例を採択するなど、多用なライフスタイルに対し平等で寛大な市政を目指している、とネットで知った。