2018年11月16日金曜日

玉箒(たまばはき)って何だ?

五木寛之氏の「知の休日」 副題=退屈な時間をどう遊ぶか(集英社新書)を読んでいて、初めて
「酒は愁(うれい)を払う玉箒(たまばはき)」という慣用句を知った。

いつものように知らない漢字や、珍しく経験のない読み方には、興味を持つのは変わらぬことだ。
今回は箒(ほうき)を、「ばはき」と読むことが面白い。
ネットで調査に入りました。
玉箒」の「玉」は、美称の接頭語。
箒はあくまでも「ほうき」。
酒は心配事や悩みなどを掃い去ってくれる美しいほうきのようなものだという意味から。
「憂い」は「愁い」とも書く。


玉箒(たまばはき)とは。

玉を飾り付けた箒(ほうき)で、蚕室(さんしつ)を掃くのに用いた。

古代、中国の制に倣い、帝王が耕作をするのに用いる「辛鋤(からすき)」に対し、皇紀が養蚕ををする意味を表すものとして、正月の初子(はつね)の日に飾ったのち、臣下に賜い、宴を開いた。

この実物が現在正倉院に残っている。
「憂いを払う玉箒(たまはぎ)」といい、憂いを掃き除く意から酒の異名でもある。

ところで、
★この初子(はつね)の日とは何ぞや。
その月の最初の子 (ね) の日。
特に、正月の最初の子の日。
古く、野外に出て小松引きをしたり、若菜を摘んだりして遊び、子の日の遊びと呼んだ。

★小松引きとはーー平安時代、正月初めの子(ね)の日に、野に出て小松を引き抜いて遊んだ行事。子の日の遊び

こんな具合に、知らないことを知っていけば、知識は広がるようだ。