2009年12月18日金曜日

昨日は、漢字デーだった

昨日は珍しく目新しい漢字に出くわす機会が多い日だった。「珍紛漢紛」って、こんな漢字だったの?、「卓袱台」ってやっぱり表形文字?。ちゃぶだいは知っていても、卓袱台は知らなかった。「熟柿」は表象文字か、郷里のことを思い出すいい機会を作ってくれた。

 

★珍紛漢紛(ちんぷんかんぷん)

フランス革命秘史ナントカを読んでいたら、突然、アントワネットちゃんが言うセリフが珍紛漢紛だ、ということで、この状況を表現するのに漢字四文字が出てきて、字の並びから「ちんぷんかんぷん」とは読めたが、こんな字を当てるのか、と瞬間、納得できなかった。自宅に帰って、ネットで調べてみたら、意味は言っていることがわからないことで、珍紛漢紛の漢字が使われることが多いとあった。そして、この「ちんぷんかんぷん」には、珍糞漢糞、陳糞翰糞の四文字述語が当てられることもあると書かれていた。

★卓袱台(ちゃぶだい)

昔と言ってもそう遠くない以前、明治から昭和の40年代ころまで、日本家屋の居間には必ずあった。座卓、現在用語では座敷用テーブルです。木製のもので脚が4本あって、片付けやすいように折りたためるようになっていた。丸形、正方形、長方形のものがあった。折りたためないと、卓袱台と呼ばないとも聞いたことがある。食事などの一家の団欒、友人親戚が遊びに来てくれての談笑にも卓袱台をはさんでおこなわれた。夜になると、居間は寝室にも代わることもあったので、その時には卓袱台は脚を折って片付けられた。テレビドラマの「寺内貫太郎一家」の親父が、なにかの拍子で頭にきてひっくり返すあのテーブルのことです。「時間ですよ」にも、撮影用のセットでは不可欠な家具であった。「巨人の星」でも、息子・星飛雄馬の言動に激怒した父・一徹も、しょっちゅう卓袱台を引っくり返していたことが、懐かしい。褒められない日本の親父の一原型?か。小津安二郎監督作品にも、セットされた家具のなかで重要な役割をしていた。「卓」が何故「ちゃ」なんだ、と思って日本語大辞典(講談社)の卓袱台を見たら、「ちゃぶ」は「卓袱」の中国語の音から、と書かれていた。

 

★熟柿(じゅくし)

夜、讃岐うどん屋さんで、うどんを食う前に酒を飲もうと思って、店長お勧めのモノをくださいと注文した。店長は熟慮、あなたは色んな酒を飲んでくれているのですが、これは初めてでしょと焼酎の瓶を見せてくれた。真っ赤なラベルに熟柿と書いてあった。この字、読めますか?、の質問に、私はじゅくしでしょ、と答えると、店長さんは、よく読めたねと感心してくれた。熟柿=じゅくし、で憶えているわけではないのです。郷里、熟した柿の実が、葉が落ちて裸になった柿の木にポツウ~ンと寂しげに取り残された光景が頭のなかをかすめた。その柿を日常的に「じゅくし」と呼んでいたので、そのまま、その名前を言ったまでのことなのです。だから、私はこの熟柿を国語学的に読めるのではなく、山野の風景の一事物の呼び方として知っているだけのことなのです。私の郷里では、渋柿を赤くなってきた頃を見計らって採り、皮を剥いて干柿にするのです。その干し柿の名は、宇治田原町特産=古老柿(ころがき)です。その際、なっている柿を全部採るのではなく、鳥の為にいくつかは残しておくのです。鳥は野菜や果物に巣食う虫をとって食う重要な役割をしてくれるのです。悪い鳥もいるのですが、ここは百姓のおおらかさで、まあいいんじゃないの、ということだろう。鳥さん用に残しておいた柿でも、全てが鳥に食われることもない。食われ損なった柿が、外気が冷えて霜が降り出した頃には、果肉がゼリー状になって、甘味を増し、結晶したようになるのです、これが熟柿なのです。山猿の私にとって、アケビと並ぶ大好物でした。明治、森永、グリコ、雪印がいくら頑張っても、この食感、味は出せません。

赤くなった渋柿を採って、米の籾殻(もみがら)の中に入れて置いて、熟すのを待つこともしました。でも、味では木にくっついたまま自然に熟したモノには、負けました。

★落花生(らっかせい)

お歳暮に八街産落花生をいただいた。有難うございました。私は、どの送〈贈)り主にも受け取った礼状を出しているのですが、経済が最悪の状況下ですから、お気持ちはとっても有り難いのです、が、どうか、今後はお気遣いなさらないように、と一言添えているのです。

その頂いた落花生の箱の中の八街産落花生の紹介文に、落花生という名前の由来というか、何故このような名前がついたのか、その説明書きがあったので、つい熟読してしまった。その説明書きから、抜書きを思いついたのも、私の会社の社員に、落花生が土の中にできるということを知らない者が幾人もいたからなのです。

明治の初めにわが国に導入された作物です。

落花生は土の中にできる作物で、花が咲き終わるとしぼんで地面に垂れ下がり、花の根元から子房の柄が長く伸びて地中に入り、先の方にさやができます。この花が落ちて実が生まれるところから、落花生の名前がつけられた、とのことです。