2009年12月22日火曜日

オシムの言の葉を、思い起こせ

サッカーの日本代表の監督である岡田武史氏の考えていることは、私はよく理解している。岡田監督は前監督のオシム氏がチームに求めたことをよく理解している。そこに自らチームに求める戦法、戦術を加えながら、岡田ジャパンを作り上げることに懸命になっている。いい結果を出して欲しいと願っている。

この時期になって、私が敬愛するオシムが、かってジーコから監督を引き継ぐ際に語った言葉を今、ここで再確認しようではないか。私のファイルにあった資料を掘り返して読むと、もう一度、この言葉を我々は噛みしめた方がいいのではないか、と思った。早速キーを叩いた。

「日本人は自分たちがトップの仲間だと勘違いしている。できるサッカーとやろうとしているサッカーのギャップがあり過ぎる」。

圧倒的な個人レベルの高さがなければなし得ない、自由な発想のサッカーを求めたジーコ監督の方向性に疑問を投げかけた。日本には日本に適したサッカーがある。それがオシムの考え方だった。

「身長を伸ばせないし、補えないものはある。それなら違う方法でステップを踏むのが正しいこと。背の高い選手をそろえてもうまくいくとは限らない」。

体格やフィジカルがすべてではない。それは小柄な選手が多い千葉で実践した「考えながら走る」の実績が証明している。

「日本人特有のいいものがあり、日本の道を見つけることが大切だ。日本人の特徴を生かせるメンバーを集めてやるべき」。

オシムが口にする「勤勉さとスピード、敏捷性こそが日本人の武器だ」。

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そして、先日クラブW杯の決勝があった。対戦は、スペインのバルセロナとメキシコのエストゥディアンテス。結果は、延長戦の末にバルセロナが制して優勝、5億円近い賞金を持っていった。この試合を振り返って、日本代表の岡田監督のコメントが新聞(朝日・朝刊・スポーツ)にあったので、転載させていただいた。

岡田監督が語った。「スペインサッカーの魅力は、理想の美しいサッカーと勝つサッカーの両方を求める価値観を国民やメデイアが共有しているからだろう。以前は自分の中でもこの二つは別だったけれど、それが一緒になってきた。今のメンバーならできると思っている」、と。

ここでは「美しいサッカーと勝つサッカー」と表現しているが、こんなスマート言葉ではなく、オシムは上の欄のような実際的な言葉で語った。『「できるサッカーとやろうとしているサッカ」ーのギャップがあり過ぎる』だ。このあり過ぎだと言ったことが、今では、岡田監督にはそれ程の差もなく感じられてきているのではないだろうか。選手も然りだ。

先日、カターニャの森本貴行が言っていたことが頭から離れない。「このチーム〈日本代表チーム〉は動いていれば、ボールが出てくるンです」。この言葉、なんと、頼もしい言葉ではないか。次回のワールドカップにおいて、上位に食い込める可能性はある、がそのハードルは非常に高い。だからこそ、ワクワクさせる。これこそが、サッカーなのだ。