2011年1月23日日曜日

何十年ぶりの休暇だ?箱根の湯

20110121、22の両日、次女の家族と箱根の温泉に行って来た。次女の家の大事な書類をしまってあるところから、突然旅行券が出てきた。次女も夫の竹ちゃんも、その出どころを知らない。コウノトリではないが、青い鳥が運んでくれたのだろう。この券を見つけたころ、私と私の会社は大ピンチに陥っていた。そんな父を励まそうと、どこか温泉でも行かないかの誘いは、素直に嬉しいなんて喜べなかった。その後何度も、どうしよう、止めるか、行くかのやり取りの果てに、昨年の年末に何があっても行こうと私が皆に言い放った。その頃には、私の頭の中は元の状態に戻っている筈だと決めてかかった。そして決行することになった。

行き先は、箱根小涌園ユネッサンインだ。1泊2日の短い旅だったけれども、何年ぶりのことだろう。1泊して家族や身内で旅行などしたのは、本当に久しぶりだった。10年ぶり、いや20年ぶりか、遠い昔のことのようで思い出せない。それほど、私は家族や身内での旅行には参加していなかった。家人が参加しても、私だけは仕事を理由に参加しなかった。仕事で参加できなくても、仕事が忙しいことが嬉しかったのだ。

温水プール  

温水プール             

hakone 026(次女夫婦(花と竹ちゃん)と孫・晴)

温泉の湯を利用した各種の風呂、サウナ、とプール岩盤浴やゲームコーナーがあって子供連れには、楽しく時間を過ごせるように工夫してあった。やはり、温泉シリーズは興味深かった。コーヒー温泉、ワイン温泉、緑茶風呂、酒風呂、チョコレート温泉、岩風呂、炭風呂、次から次に新しい温泉が出現して面白かった。食事は朝食も夕食もバイキングだった。

一日目の夜は、思わぬことに、アジアカップの準決勝戦のテレビ観戦。会場開催地のカタールと日本代表との試合、結果3-2で日本代表が逆転勝ちした。この1ヶ月、猛烈に忙しく、また一身上の都合で住んでいる所にはテレビがなくて、大好きなスポーツ、それもサッカーの試合を見てなかったので、今夜の逆転勝ちというおまけ付きで楽しめたのはよかった。私は痛飲中での観戦で、全体的にはよく憶えていないが、香川、伊野波のゴールシーンははっきり瞼の裏に焼き付けた。吉田の二枚目のイエローカードの反則もよく見えた。

2日目は、朝からプールと温泉三昧だ。各種の風呂の趣向に気乗りするのは、大人に近い年頃から上の者ばかりで、我が家の孫・晴などにとっては、コーヒーであろうとワインであろうと、余り楽しくないようで、彼は、私か母親を捕まえてはプールでなんだかんだと遊んでいた。何時間でも、遊ぶのです。独り言を呟きながら、潜ったり、ぷか~んと浮いたりしていた。私は、親亀になって孫を背中に背負い、深く潜っては孫を慌てさせたり、プールの底に平目のようにピタッとくっ付いたり、鯨だといって口にいっぱいにふくんだ水を仰向けになって、天井に向かって潮を吹いたように見せたり。それにしてもネタ不足で、そのうち勝手にめいめいに遊んだ。

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午後、私 は温泉からもプールからも離れて、一人でホテルの周りの雑木林や野原を歩いた。空気は冷たくなかった。陽が射していて、背中がぽかぽかと暖かかった。陽だまりで猫のようになって本を読んだ。路肩には雪が残っていた。迷わないように目印になるものを確認しながら5キロぐらいは歩いたようだ。犬の療養所もあった、会社の保養所、別荘、マンションもあった。雉を撃つことも、花を摘むことも避けたかったのですが、でも、やっぱり木陰で小用、失礼しました。

ホテルのフロントに戻って、彼らが出てくるのを待った。フロントの隣の売店からよく聞き慣れた声が弾んでいる。我等の一行さんだ。支払いを済ませてホテルを後にした。楽しかった、面白かった、車の中は興奮気味、運転手だけは冷静にハンドルを操る。小田原で有名な蒲鉾屋さんで、再び土産か、それとも明日のおかずか。高いね、と言いながらもいくらか買ってきたようだ、私は寝ている孫の子守で留守番だったのです。

そんな何十年ぶりかの休日だった。このように時間をかけて、家族と過ごしたことがなかったことに、今更ながらに驚いている。