24日に開催された東京マラソンのことを新聞記事で読んでいて、自殺者のことを想い起こした。東京マラソンと聞けば自殺者、と連想する癖がついてしまった。その度に悲しい気分になる。今まで、幸いにして身内に悲しい出来事は起こらなかったが、仕事の関係では、親しくしていた人を救えなかった。
世界最大の市民参加型のマラソンで、参加を希望しても1、7倍の抽選に選ばれなければならない。走る前から競争は始まっている。そして資格を得た3万6千人が冷たくて、都心ならではの強いビル風を受けて走った。
以前に、ラジオ番組で3万人の自殺者がどのくらいの人数かといえば、東京マラソンの参加者が一斉に走っている人たちを想像してみてください、それぐらいの人たちが毎年、自殺で亡くなっているんです、とパーソナリティーが話していた。そのことが耳に残って消えない。
今日のことだ。友人から、東京マラソンには3万人以上が走るんだってね? と聞かれ、そうなんだよ、日本で1年間に自殺する人の数と大体同じなんだよ、と答えてしまった。友人は東京マラソンで3万6千が大群をなしてスタートしている様子と、その8割の人が自殺行為に向かう、そんなイメージを思い描いたのだろう、ええっ、と鶏のように一段と高い声をだした。日本での自殺者=3万人、が頭の中に固まっている。
昨年の自殺者数は2万7766人、1997年以来15年ぶりで3万人を切った。世界では100万人近くの自殺者が出て、その半数がうつ病患者が占めているそうだ。