2013年10月16日水曜日

謎の蝶、アサギマダラ

毎週日曜日の朝日新聞と日経新聞の書評欄を楽しみにしている。

関心外の本には目もくれないが、取り上げられる本のだいたいは、私に関心のあるものばかりだ。よくも、このように編集できるものだと、担当者の努力に脱帽。書評を読んだだけで、本を半ば読んだつもりになる。お金と時間が許されれば、購入して読めばいいのだろうが、スマン、私の現在の懐具合ではそうもいかないのだ。

今日は、20131013の日経新聞が取り上げた栗田昌裕氏の「謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?」のことが面白かった。ひぇ~へえ~と驚きながら、記事を読むだけで、スマン。このアサギマダラって奴の不思議さが異様に頭の中に残った。

この書評をここに転載させてもらう。得意のパクリだ。

 

 

本の題名・謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?

MX-3500FN_20131017_080018

著者・栗田昌裕(くりたまさひろ)

群馬パース大教授、東大病院内科医師などを兼任。

 

  20081007185313.jpg 

重さ0.5グラムに満たない体を風に揺られながら、春から秋にかけ、1000キロも2000キロも旅をするアサギマダラ。世界でも唯一、海を渡ることで知られるこの蝶に魅せられ、アマチュアとして調査を始めて10年。これまで13万もの個体に接してきた。調査報告を基に、その不思議な生態の謎を教えてくれる本だ。

2002年、台風が過ぎ去った直後の自然公園で、おびただしい数のアサギマダラの群れに出会ったことが調査にのめりこむ直接のきっかけ。「ふだん目に見える群れで活動しているわけではない彼らが、最悪の気象条件下でどうやって集まれるのか。何を考え、どういうセンサーで動いているのかが知りたくなった」。

捕獲した個体の翅(はね)に日付や場所などの印を付けて放すマーキングの手法で生態を追う調査が、全国の研究者や愛好者らの協力で実施されている。その調査に03年から参加。「どうせやるなら自分にしかできない調査がしたい」と、ひと夏で1万頭以上もの個体にマーキング。離れた土地で再捕獲される数を基に数量的なデーターを作り、さらに「本州で捕獲した蝶を奄美大島で自分で再捕獲する」ことを目標に掲げた。

本書では実際に様々な地で再捕獲された話に加え、調査過程で明らかになったさらなる不思議な現象への驚嘆がつづられる。追い風もないのに1日200キロも海を渡り、なぜか好みの花が多い島を臨機応変に選び出す。毎年「渡り」を経験できる渡り鳥と異なり、アサギマダラの寿命は1年未満で、すべては初めての経験の中で判断されている。

「グローバルに眺めると、彼らは集団で何らかの羅針盤と天気図を持ち、気象を読んでいるとしか思えない」。医学や数学を通し、自然を数理的に見てきたと自認するが、「今はアサギマダラが『確率』を超えた存在と直感している」。(PHP研究所・1500円)