2012年12月7日金曜日

衆院選 最多1504人立候補

第46回衆院選が4日に公示され、各党首は16日の投開票に向けて一斉に舌戦の口火を切った。

野田佳彦首相(民主党代表)は政権継続のために比較第1党の確保を訴え、自民党の安倍晋三総裁は政権復帰に向けて公明党と合わせた過半数獲得に意欲を示した。勢力拡大をうかがう第三極は、日本未来の党の嘉田由紀子代表や日本維新の会の石原慎太郎代表らが独自政策をアピールし、政権を懸けた戦いが始まった。

争点は、経済再生や原発・エネルギー政策、消費増税や環太平洋経済連携協定(TPP)などだ。

ーーーということなんだが、大言壮語、威勢のいい演説は大いに結構だけれども、威勢がよければよいほど、私の周りにシラケ鳥が飛び交う。手をつけて欲しい政策に、1番2番と順番はつけずらいが、税と社会保障の一体改革はどうするんだ?財源が縮小している状況の中で給付の抑制策はどのように立案するのか。派手な争点になってはいないが重要な問題だ。

離合集散、合従連衡、にわか作りの党、党の代表と代表代行がチグハウな発言を繰り返す。

党首は、立候補者は張り切り勇み足、有権者は投票日を前に浮かぬ顔。誰かが当選して、どこかの党がどこかの党と政治の枠組みを構成、どのように政治が動き出すのだろうか、不安だ。今度こそ、信頼される政治を期待したい。

みんなみんな冷静になってよく考えてみてくれよ、という内容の記事を、20121205の日経新聞に見つけた。

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20121205 日経新聞・朝刊

「明日の日本」判断を

論説委員・芹川洋一

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なにかがすっぽり抜け落ちているような気がしてならない。政党がしのぎをけずる選挙だから、原発をはじめ、おたがいに異なる点を、ことさら強調して、ぶつかり合うのはしかたがない。だが、今、本当に問われているのは、ちょっと違うのではないか。

「豊かさを保つには」

経済力がどんどん落ちて、もはや二流国家になりさがろうとしている日本。ぎりぎりのところで立ち直すにはどうしたらいいのか。政党に求められているのは、国の力をみなぎらせるための政策のきそいあいだろう。

「反」 「脱」 「卒」ーーいろいろなものを否定ばかりしていて、その先をどうするつもりなのか。たしかに脱近代で、つつましやかに生きていくのもひとつの考え方かもしれない。しかし、子や孫の代まで豊かで自由な生活を営むためには、一流国家で踏みとどまろうとする頑張りがいるにちがいない。

将来の経済社会のすがたを全体として示す必要があるはずだ。政党には、明日の日本をたしかなものにするための大きな物語を語ってもらわないと困る。

そうしないと有権者は判断をまちがえる。ひとつの争点だけで選挙をやった結果、何がもたらされたかは過去2回が教える通りだ。

有権者の側にも、チェックポイントが少なくとも3つはいる。

第1は、過去の業績評価である。3年3ヶ月にわたって政権をになった民主党は、マニフェスト(政権公約)をどこまで達成できたか当然問われる。

辛い点がついて進級がむずかしいとなっても、それがマニフェスト選挙というものだ。

第2は、将来への期待である。各党の選挙公約に盛り込まれた各論の点検だが、その時大事なのは、政策を個別にみて比較するだけでなく全体としてとらえることだ。

それは前回の民主党マニフェストの教訓でもある。子ども手当てなどそれぞれは評価できても、それらをトータルに実施しようとして、しくじった。部分最適ではあっても、財源が限られている以上、全体最適ではなあかったからだ。

第3は、政党のあり方である。にわか仕立てをふくめて政党が乱立した今回、ここでも、民主党の教訓が生きる。理念や価値観がちがったメンバーが、選挙を目的にあつまったら、必ずどこかでつまずく。

利益の分配がもっぱらだった時代は理念を横においても、まとまっていけたかもしれない。不利益をどう分配するかの説得が政治の仕事となっている今日、もはや無理だ。

そのうえで、「決められる政治」に向けた政権の枠組みができるかどうかが焦点となる。

「政治の立て直し」

ところが、民主党政権が続いても、自公政権か、自公+第三極の政権になっても、参院の構成は同じだから、いずれも過半数には届かない。衆参のねじれ状況が続く。衆院選をやっても政治の局面は転換しない。

それが変わるのは民主党と自民党が組んだときだけだ。日本が二流国家なろうかという瀬戸際で、政治リスクを解消するには来年夏の参院選までは民・自公の協力政権のかたちを探るほかない。

おかしな話だが、今回の衆院選は準決勝でしかない。決勝は参院選だ。新しい連立や政党再編で、政治のかたちをととのえるのは、おそらくそのあとになる。

そうしたとしても、機能不全におちいった日本の政党政治を立て直すための選択は、この選挙からはじまる。