2012年12月2日日曜日

久しぶりに蜂に刺された

セイヨウミツバチの大量死が世界的に話題になっているなか、日本在来の野生種であるニホンミツバチが注目を集めている。病気やダニに強く、湿度が高くても低温でも活動する。スズメバチに襲われても集団で立ち向かい、逆に殺してしまう技ももつ。日本で養蜂といえばこれまではセイヨウミツバチだったが、ニホンミツバチで産業化を目指す動きがある、という半年か1年前の朝日新聞の記事(編集委員・大久保真紀)を読んでいて、この夏、痛い目に合わされたスズメバチのことを思いだした。

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スズメバチ

今年の夏は例年以上に蜂が多かった。

弊社の生業は、中古住宅を仕入れて、間取りの変更や耐震の強化、設備の変更、内外装を新しく仕上げて、希望する購入者に買っていただくことだ。仕入れた物件のなかには、暫くの間空家だったものや、老人だけの住まいだったために、蜂が軒裏や庭の樹木の中に巣を作っていることが多い。今年は特に多かった。

弊社のスタッフで、私以外にも刺された者がいる。彼が刺されたのは頭部だった。工事担当の協力会社のスタッフも刺された。これらの蜂はどれもスズメバチだ。工事会社の人が言うには、今年は何処の現場でも蜂の巣を見かけるんです、とのことだ。

私が刺されたのは201209の中頃、横浜市泉区の中古住宅で、隣家の庭に飛び出している樹木を根元から、チェーンソーで切っている時だった。刺された場所は、耳の後ろの首の部分、頭髪の生え際だった。蜂は黒色の部分を襲う傾向があるらしい。その時、私は白い作業衣を着ていたが、黒い服を着ていると襲われる可能性が高いと聞く。化粧の匂いがするとか香水などをつけていると、襲われやすい原因になる。留意しておこう。

幸い針が深く刺さらないうちに身を引いたため、ダメージは軽かった。瞬間的に5、6メートルは後(あと)ずさった。大きく手を振って自分を防御したり、蜂を脅かすようなことはしなかった。地面に跪(ひざまず)いて上体を折り曲げた。威嚇しないことが、自分の身を守ることだと知っていたからだ。

子供の頃から蜂に刺されたらオシッコを塗りつけるように教えられていた。アンモニアが効くんだと。でも、この初老の私が、立派な家並みが続く高級住宅街の庭先で、そんな破廉恥なことは、さすがにできなかった。後で知ったことだが、この処方は全く効果がないらしい。

刺された部分に口を当て、毒を吸い出せなかったので、手の指で搾り出せるだけ搾ってみたが、結果、どれだけ搾り出せたかは不明だ。10分も経つと、指で触っても分かるぐらい膨らんできた。

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蜂の巣

今此処で、蜂に刺されて困ったような文章を綴ってはいるが、子供の頃の私は逞しかった。真夏でも衣服を全身にくるんで素肌を隠した。月光仮面のように覆面をして手袋をして、蜂を巣から追い払い、巣を棒で地面に叩き落とした。そして巣の中に居る幼虫(ハチノコ)を引っ張りだして食った。このときの蜂の巣はアシナガバチのものだった。大きい幼虫は、噛むと牛乳のような白い液体が、口の中にこぼれ出た。嫌な味や匂いはしなかった。長野の友人は、子供の頃炒めて甘辛くしたものを食っていたと言う。

大人から滋養になると聞かされていた。小さな幼虫は、魚を釣るときの餌にした。