脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を高次脳機能障害と言います。注意が散漫になる、怒りっぽくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、などの症状があり、全国に50万人くらいと推定されています。
高次脳機能障害の発症の原因は、8割が脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害)、1割が交通事故などの脳外傷によるものです。その他にも 脳炎、窒息や心筋梗塞から起こる低酸素脳症、脳腫瘍、てんかん、正常圧水頭症、パーキンソン病などによる脳の損傷で発症することもあります。
高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、病院や診察室では気づかれずに、実際の生活や社会に戻って初めて問題が顕在化することが少なくなく、「見えない障害、隠れた障害」などとも言われます。
高次脳機能障害の診断は、症状の確認、それを説明できる頭部MRIやCTなどの画像所見、障害を裏付ける神経心理学的検査の結果などによって行われます。
7月10日(火) 10:00から
樹木からの落下事故後に入院した新百合ヶ丘総合病院で、定期検査を受けた。事故後4年以上は経つのだが、この定期検査については、妻や子供が熱心に受けるように勧めるので、私自身も真剣に取り組んでいる。
この定期検査は3か月毎だ。
巻頭の文章が、私が今苦しんでいる高次脳機能障害って奴だ。
スカッと治らないものだから、頭のモヤモヤはいつまでも優(すぐ)れない。
感謝ーーー、妻が大いに面倒くさがらなく、車で連れて行ってくれる。
でも、検査そのもので、医師と私は余り大した話はしないのだが、妻は私の家庭内での振舞いついて、事細かく話していた。
医者は私の顔など見ないで、妻とばかり話していた。
今日の医者は代わり替わり、4人目。
最初の医者から、この山岡さんはちょっと自分勝手な話しばかりしかしない人なので、本人以外の人と会話をするように、と指示が出ていたのだろうか。
家族の誰もに対する私の言動が傷つけ易いことや、小さな物音に対しても異常に気にすること、どうでもいいような事に対して行う私の反応のあれこれ。
流石に、嫌な奴だとは言わなかったけれど、随分迷惑を掛けているようだ。
妻と医師のやりとりに嫌気がさした私は、「山岡さん、あなたの頭はこれ以上は治りにくいんですよ。ソロソロ諦められたらどうですか?」とでも言って欲しかった。
だが、医師が言ったことは、「山岡さん、この高次脳機能障害は、そんな簡単には治らないのです。まして、貴方のような強度の落下事故の場合は、多少しょうがないことなんです。」だった。
13日は定休日。
14日に経営責任者の中さんに、定期検査のことを、私のアタマの一抹の不安も交えて話した。
3か月毎の定期検査のことを、割と大層に、でも心配させないように話した。
障害が良くも悪くもならないことに対する不満が知らず知らずに高まっている。
私自身に対する不信までも、気が廻る。
そんなことをモタモタ言って、でもそんなに面倒ではないので、今後も行き続けることを話した。
そこで、中さんが言うには、山岡さん、担当したお医者さんだって、来てくれただけでも、チェックが行き届いていることになる訳で、問題が無い限り、行ってくださいよ。
そうして貰えれば、私は何かと安心です、と私を諭(さと)してくれた。