2018年12月27日木曜日

曹洞宗大雄山・最乗寺

今日(20181226)は大雄山・最乗寺に行ってきた。



Daiyuzan Saijoji Temple 04.jpg

 

大雄山最乗寺(道了尊)



何故、最乗寺かと言えば、それはそれなりに理由がある。
鶴見にある曹洞宗の大本山の「総持寺」では、子供の教育においてお世話になった。
そのお寺でも、曹洞宗の良さを大いに感じさせてもらった。

弊社では、昨年(2017 10)に神奈川県南足柄市怒田(ぬだ)で、和風造りで太陽パネル付き、オール電化の中古住宅の販売をした。
怒田は、「ぬた」ではなく「ぬだ」だ。
屋内は大黒柱・梁が丸見え、1階の玄関を入った辺りの土間の広大だったこと。
お客さんが百人ぐらい同時にお見えになっても、靴の置き場所は足りなくなかった。
広々としていて、何だか面白くないなあと、感じる人も居るだろうけれど、私には申し分なかった。
私のような田舎臭さが好きな人間には、堪(たま)らないモノ!だった。
仕事を離れて、私が買える物ならば、きっと、誰其(だれそれ)そっちのけにして私が買っていただろう。
お父さんが大工で、自分の娘用に創りあげた貴重な物件だった。
その物件は、買っていただいたその人の好み通りだったようで、購入できたことを凄く喜んでもらった。
我々の目論見通り。

その現場に行く度に使う電車の終着駅・大雄山駅では、曹洞宗大雄山・最乗寺の案内板を見つけた。
伊豆箱根鉄道大雄山線・大雄山駅からバスで10分とあった。
今日は、小田原駅から大雄山駅までの電車賃と、大雄山駅から最乗寺(道了尊)までのバス賃を、割引された乗車券(中学生以上 1,030円)で買った。
スイカは使えず、現金払いだった。

自宅を7:00に出て境木中学校前でバスに乗ったが、JR東戸塚駅でも、小田原駅での大雄山駅までの乗り換え、そして大雄山駅から道了尊までのバス、全ての乗換えがスムーズで、道程時間は測ってはいないが、最短だった。
「道了尊」については、後の方で、ネットよりいただいた文章をお読みくだされば、了解されるでしょう。
道了尊へのバスの運転手さんは女性で、私以外には客は居なく、一番前の座席に座らせてもらった。
確実なドライブ捌(さば)きで、運転のお手本のようだった。

道了尊から、最乗寺の境内の隅々まで歩き出した。
参道は前も後ろも、当然右左も杉の巨木に囲まれて、澄んだ空気も加わり、静かな趣が何故か私の心までじっくり。
仏さまの静寂というものだろう、私の今の生活とは違うものを感じた。
杉が巨木だと簡単には言い終われない。
高さが20から30メートルほどもあるかと思われる。
人間が5~6人、両手を広げないと1本の幹を囲めない、そんな太さの木も多かった。
だって、2階建ての住宅が10メートルとすると、3階から4階建て並みだ。
数々の石碑があって、いつ誰がどの位寄進したのか、そんなことが書かれていた。
大正のある時期に5千円とか3千円とか、差し入れのお金のことだろう、銘入ってあった。
東京の何とか講が、大正の時代に杉の苗を何万本、というのもあった。
何の資料で見たのか、樹齢600年の杉が2万本もあるとあったので、総計では大変な本数になるのでしょう。
寺を囲む山林には、この杉の苗も使われたのだろう、私にはどうしても数えられない。
こんな山奥にこれだけ多くの石材を使っての寺の杜、どこから持ち込んで来たのだろうか、それとも、この山の中から集材したのだろうか。

最乗寺は箱根外輪山・明神ヶ岳の山林の中腹に存在する、境内で見る頂上辺りからの湧き水の清らかしには驚いた。
私だって田舎育ちの本当の田舎育ち、もっともっと誰にも文句言わせないほどの田舎育ちだ。
こんな処で、グチャグチャ言うつもりはないが、一滴の水、一葉の落葉、小さな虫にだって、感無量になったものだ。
その綺麗な水を頼って、富士フイルムが工場を設置し、アサヒビールだって負けじと工場を作った。
日本企業の創造主の頭の中は凄かったと感心させられた。

帰り道は、来た時に通った道を戻った。
境内と帰り道で歩いた歩数は8千歩、毎日自宅から会社までが7千歩なので、少し多く歩いたことになる。
1時間近く歩いたので、この最乗寺に来る時に乗せてくれたバス、それもあの時の女性運転手さんとも、すれ違った。
運転手さんも、私のことをきちんと確認していた。
大雄山駅で昼飯にしようとお店を探したが、大雄山臭(ぐさ)さのメニューはなく、いつものようにラーメン屋さんに入った。
お品書きにあるサービスラーメンには、何か特別なサービスしてくれるのかと思ったが、何てことはない、普通のラーメンだった。
お汁(つゆ)が生温(ぬる)く、不愉快だったので、主人に悪く思われないように、穏かな口調で不平を言った。
主人さんがどのように思われたかしらんが、言わなくてはならんことは、必ず言うことだ、と大阪にいる私の大学時代の友人の決めごと。




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20181221の朝日新聞・朝刊を転載させていただいた。

旅人と語る 富士・伊豆・箱根
大雄山最乗寺

座禅純粋な心と向き合う
箱根外輪山・明神ヶ岳の山林を抱く大雄山最乗寺。
板の間の壇上に畳を敷いた参禅道場で、オランダ人芸術家たちに、若い僧侶が滑らかな英語で語りかけた。

「背筋を伸ばし、深くゆっくりと呼吸する。ひたすら座り、あなたの純粋な心と向き合う。何かのイメージや考えが浮かんだら、心にとどめず、そのまま消えていくようにする」

十数人が神妙な表情で座った。
数分後、座禅は鐘の音と合掌で終わった。

画家らの訪問団は11月、オランダのティルブルグから来た。
最乗寺のある南足柄市と姉妹都市で、ともに富士フィルムの工場がある。
座禅と写経の後、元富士フイルム社員で南足柄市長を2期務めた沢長生さん(71)が境内を案内した。

曹洞宗の最乗寺は1394年開創。
境内山林の約128ヘクタールに巨大な杉並木が広がる。
箱根の山塊の伏流水・金剛水が湧く水屋を前に沢さんが英語で話した。

「山と森が雨水を濾過し、大量の清水が街まで流れ下る。
だから、80年以上前、富士フイルムが工場を建てた。
市内にアサヒビールの工場もできた。
この金剛水を美しい人が飲むと、もっと美しくなります」。

どっと笑い声が起きた。
中高年の日本人ならば「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに(写る)」と、フジカラーのCMを想い出すだろう。

伝説の天狗 見守る

御真殿への入り口にあたる結界門は、両脇の天狗の像が訪れる人を見下ろす。
「伝説の天狗が門を守り、邪悪な心の人間の侵入を許さない」と沢さん。
オランダ人女性は「私たちは座禅と写経で純粋になったから大丈夫」と応じた。

男性団長のヤン・ファン・ライセンさん(63)は、「美しく穏かな環境で座禅を体験し、世界への新たな洞察力と霊感が私たちに与えられた。
ティルブルグ市民の心に響く、新たな芸術活動につながるかもしれない」と話した。

南足柄市の「最乗寺と杉林」や湧水地・清左衛門地獄池は2016年、箱根ジオサイトになった。
20年春までに市と箱根町仙石原が新県道でつながらい、東京五輪で訪れる外国人も増えるだろう。

境内の階段は700段を超え、週末には多くの人が最も高い奥の院へ黙々と上がる。
その階段の近くで今月8日、英国出身で秦野市在住のトム・ラプシーさん(44)がカメラを巨木に向けていた。
「最乗寺は5回目。色づいた落ち葉で林床がこうして彩られるのを待ち望んでいた。
里山の風景が好きなんです」。
最乗寺は紅葉の名所でもある。

もうすぐ初詣。
参拝客が境内を埋め、天狗の神通力を受ける「パワースポット開運守」や階段の効用に通じる「足腰健康守」のお礼に新年の願いをこめる。

(村野英一)





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★以下はネットよりいただいた文章です。
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最乗寺は、室町時代の応永元年(1394年)に了庵慧明(りょうあんえみょう)が創ったとされています。
了庵は曹洞宗大本山の總持寺(そうじじ)など様々な寺の住職を勤め、50歳を過ぎて故郷の相模国(神奈川県)に帰り、最乗寺を創建しました。
優れた禅僧として名高く、弟子も多かった了庵の下に集った一人が、道了です。


大雄山最乗寺は、曹洞宗の寺院です。今から600年以上前、了安慧明(りょうあんえみょう)という禅僧の袈裟を1羽の大鷲が掴んでそのまま足柄山まで飛んでいき、大きな松の枝に袈裟を引っ掛けて飛び立っていきました。
高い位置にある袈裟は、了安慧明禅師は坐禅をしたところ肩に落ちてきました。これを何かの前兆であると感じた了安慧明禅師は、ここに寺を建立することを決意しました。

了安慧明禅師が寺を建立するという話を聞いた弟子で修験道の行者であった妙覚道了は、空を飛んでやってきて神通力を使い、了安慧明禅師が寺を建立する手伝いをしました。
妙覚道了はひとりで500人分の力を発揮したと言われており、妙覚道了の助力で寺は1年あまりで完成したと言われています。
これでできたのが大雄山最乗寺です。

了安慧明禅師の死後、妙覚道了は大雄山最乗寺を守るために天狗となり山中へ飛び去ったと言われています。

現在、大雄山最乗寺の境内には天狗の像がいくつもあり参拝者を見守っています。
また、天狗と関連性のある高下駄も数多く奉納されていました。
現在高下駄の奉納は行っていませんが、境内には世界一といわれている。


まずは「かながわ美杉50選」の総門へと続く小径へ!
写真:木村 優光
神奈川県西部の最大都市である小田原駅から、伊豆箱根鉄道大雄山線に乗り、目指すは終点の大雄山駅。
そこから西へ約3km、鬱蒼と覆い茂る杉林の坂道をひたすら上り切ると、両側にお土産店、真正面に写真のような「大雄山最乗寺」の入口が見えてきます。

ここから先は徒歩専用の小径へ!この小径は「かながわ美杉50選」に指定されていて、非常に背の高い杉の木が林立しています。
まるでどこか遠い過去へと通づるかのような雰囲気に、一度は通っておきたいところ!また、小径沿いにはアジサイがたくさん植えられているため、梅雨時は美杉とともに素晴らしい光景となります。
参道をアジサイ参道とも言われている。
まずは「かながわ美杉50選」の総門へと続く小径へ!
写真:木村 優光
小径を歩くこと数分、目の前には「大雄山最乗寺」の山門が出迎えてくれます。
山門の周囲にはモミジの木がたくさん植えられているため、春の新緑と晩秋の季節は見応えあり!この山門は平成15年建立とかなり新しいもので、内部には放光菩薩、四天王菩薩、十六羅漢像が安置されています。
まずは「かながわ美杉50選」の総門へと続く小径へ!
写真:木村 優光
山門を抜けて参道をゆっくりと上って行きましょう。
緩やかな階段でつい足早に進んでしまいますが、この先の境内には沢山の階段があるため、ここはゆっくりと進んで体力を温存しましょう。
しばらくすると、目の前には境内へと続く立派な入口門が現れます。

写真の入口門は「瑠璃門」で、南隣にも同じように境内に入ることができる「碧落門」があります。
どちらをくぐるかは貴方次第!なお、「瑠璃門」の手前の参道にはモミジの木が沢山覆いかぶさっており、晩秋の季節は真っ赤なトンネルと化しますが、春から初秋にかけての青モミジのトンネルも非常に素晴らしいですよ。

入口門をくぐり境内に入ってみよう!

入口門をくぐり境内に入ってみよう!
写真:木村 優光
入口門をくぐるとすぐ目の前に飛び込んでくる建物は書院。
背後に青々とした木々を従えた書院は、「大雄山最乗寺」の代表的な建物で、堂々たる佇まいは格好の被写体!撮影後はこの書院にて手を合わせてから次へ進みましょう。
入口門をくぐり境内に入ってみよう!
写真:木村 優光

書院の左横には本堂があり、その手前は広場となっている境内。
ここが「大雄山最乗寺」のメインステージともいえる場所です。
「大雄山最乗寺」の代名詞的な本堂と書院を同時に見るには、尚宝殿入口あたりに立つと良いでしょう。
尚宝殿前には沢山の自動販売機があります。
水分補給も忘れずに!

なお、本堂は1954年に再建されたもので、中にはご本尊の釈迦牟尼仏、脇侍の文殊・普賢両菩薩が祀られています。
書院と同様に手を合わせてから次へ行くと良いでしょう。

書院と本堂を参拝したら境内のさらなる奥地へ!

書院と本堂を参拝したら境内のさらなる奥地へ!
写真:木村 優光

本堂を背にしたら今度は境内を南へと進んでみましょう。
やがて右手に不動堂が見えてきますので、不動堂と真正面で向き合える石橋の上に立ってみましょう。
すると、まるで不動堂の建物下から滝が流れ下ちているかのような構図が!この滝、「洗心の滝」と名が付けられており、その名のごとく心を洗ってくれるもの!しばし見ていると本当に心が洗われるかのような効果抜群のパワースポット!
書院と本堂を参拝したら境内のさらなる奥地へ!
写真:木村 優光

洗心の滝から流れ落ちた水は、自分が立っている石橋の下を流れていきます。
水の透明度も高く、まさにお寺の中にある渓谷!滝で発生する水しぶきとともにマイナスイオンが石橋の周辺を囲んでくれます。

境内最高峰の奥の院道了堂へアクセスしてみよう!

境内最高峰の奥の院道了堂へアクセスしてみよう!
写真:木村 優光

広い境内が特徴的な「大雄山最乗寺」には、最高峰の奥の院道了堂があります。
本堂から西へ250mと、距離的にはさほど遠いイメージはありませんが、最終地点にはなんと300段を超える階段が!

写真のように奥の院までまっすぐ伸びているため、ここでくじけてしまう人も多いです。しかし、ここまで来たからにはラストスパート!ゆっくりでもいいので頑張って約300段の階段を上がり切ってみましょう。

なお、階段のスタート地点近くの両脇には天狗の銅像が置かれています。
これは、「大雄山最乗寺」が天狗の里にちなんでいることから設けられたもの。
寺の建設に携わった了庵慧明禅師が亡くなると、寺の守護神として天狗に化けたことから天狗伝説が始まりました。
以後、境内のあちこちにはたくさんの天狗の銅像が置かれています。
境内最高峰の奥の院道了堂へアクセスしてみよう!
写真:木村 優光
約300段の階段を上がり切ると、目の前に奥の院道了堂が現れます。
「大雄山最乗寺」の中でも一番のパワースポットでもある「奥の院」ですので、階段を上がり切った疲れなんて吹き飛んでしまうかもしれませんね。
なお、奥の院には道了尊の化身とされる十一面観音菩薩が祀られています。
境内最高峰の奥の院道了堂へアクセスしてみよう!
写真:木村 優光

奥の院から下山する場合、順路に沿って下りてくると、大雄山道了尊の脇に出ることができます。
この大雄山道了尊の横には大変珍しいものがあります。
それは様々な大きさの下駄!一番大きいものは1ヶ月以上もかけて造られたものも!まさに天狗がお召しになる下駄ということで、迫力は満点!インスタ映えもしますので、様々な角度から写真を撮ってみると面白いでしょう。