2019年1月12日土曜日

紙おむつ②

「襁褓(むつき)」ーーー語源由来辞典による
おむつは、「襁褓」に接頭語「お」がつき、「き」が略された語。
「襁」の漢字は「衣」と「強」で「大丈夫」「きつく締める」の意味があり、赤ん坊を背負う帯をあらわす。
「褓」は「衣」+「保」で外から包む産衣(うぶぎ)をあらわす。


20190109 朝日新聞・朝刊(社会)
ニュース3Qを下記に転載させてもらった。
おむつのゴミ出しで苦しんでいると言えば、それは赤ちゃん用のおむつだと思われがちだが、私が悩んでいるのは、老人用のおむつのことです。
各家庭からのゴミ出しは、私がこの家事を担ってから、気づいたことなんだが、兎に角量が多くなっていることだ。

誰だって、ゴミ出しをやれば気づくこと。
そんな私だからこそ、気づく新聞記事だったかもしれない。
今回の「紙おむつ②」は前回の「紙オムツ①」に次いで2回目。
今回は新聞記事に従って、「おむつ」と平仮名表示にした。


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紙おむつ 流して捨てる時代が来る?

使用済みの紙おむつを下水道に流して処理できないかーーーー。
下水を担当す国土交通省が本気で検討中だ。
トイレとは別の下水につながる専用装置を設置する。
一部は、早ければ再来年度にも実用化する方針だが、プラスチックごみの海洋汚染が世界的な問題になるなど課題も多い。
実現可能か?

高齢化進んで考案

一見、奇抜にも映るアイデアを初めに考案したのは、官僚や不動産会社、住宅設備メーカーなどで働く女性による研究会だ。
おむつを使うのは、幼児ばかりではない。
2016年12月に公表した報告書で、高齢化が進む現状に言及。
「排泄の自立とおむつは、高齢者にとっても、支える家族や社会にとっても、大きな課題」と問題提起し、おむつを下水道を通して回収するシステムを提案した。

この発想に国交省がさっそく反応した。
人口減で、今後、下水道の処理能力に余裕出てくるためだ。
昨年から大学教授や自治体、業界団体の担当者を招いた検討会で具体策を検討。
昨年3月に公表した「検討ロードマップ」には、
①トイレ内に便器とは別の装置を設置。分離した汚物だけを装置から流し、おむつはごみとして回収
②おむつを装置で破砕し、途中で分離して汚物だけを流す
③装置でおむつを破砕し、専用配管で下水道に流すーーーーの3案を盛り込んだ。

実用化に向けた取り組みも加速させる。
国交省は今年度、最も実現性の高い①案の実証実験を開始。
委託を受けた大手電器メーカー「パナソニック」が現在、試作機を開発中で、年度内に高齢者施設で試用する。
問題がなければ、再来年度からの実用化に踏みきる方針だ。
同省によると、実現すれば海外でも聞いたことのない取り組みだという。

実現なら負担軽減

こうした動きを当事者たちはどう見ているのか。
「おむつから便を分離できればおむつの重さが軽くなり、職員の負担を軽減できる」。
名古屋市の社会福祉法人の担当者はそう期待する。
運営する特別養護老人ホームの場合、1日当たりの紙おむつは利用者20人ほどで多いときが90リットル3袋分。
汚物が付くことで重くなり、運ぶには体力的な負担が大きいという。
「臭いや衛生面でも改善が見込める」とも話す。

おむつの処理は施設に限った問題ではない。
おむつ製造などの業界団体「日本衛生材料工業連合会」によると、大人用のおむつの生産量は一昨年が78億枚。
7年前の1・4倍に増え、高齢化で今後も増加が見込まれる。
国交省は介護関連施設約500施設に加え、介護する市民ら約4500人にアンケートを実施。
紙おむつの下水道処理に対する社会的ニーズや、将来の紙おむつ使用枚数を都道府県別に推計する方針だ。

下水道つまる懸念

ただ、普及に向けた課題は少なくない。
これまでの検討会では、最も利便性の高い③案について「下水道管がつまって浸水の恐れがある」などの否定的な意見も出た。
環境へのリスクも検討する必要がある上、パルプやプラスチックでできている今の紙おむつは分解されず、海や川に流すには新商品の開発が必須だ。

それでも、「実現すれば、介護現場の負担軽減につながる」と同省下水道企画課の村岡正季課長補佐は話す。
「高齢社会の社会インフラとしての役割を果たしたい」

(岡戸佑樹)


テープを使ったおむつ