2019年1月10日木曜日

「パッドマン」女性を救う

1月の4日(金)、正月の三が日が終わってこれから年明け初出勤の5日(土)まで、俺は何をすればいいのか? 
腰を癒すこと、他に体づくりに何をすればいいのか。
今までのこと、これからのことを考えることだって、いいのだ。
そんなことを考えながら新聞を読んでいた。
頭の隅っこでは、何でも良いから、正月気分をもうひと声好くなるニュースでもあればなあ?とも考えていた。

そこで見つけたのが下にある新聞記事だ。

私だって、母から脱脂綿を買いに行かされたり、母の下着が納屋の裏に干されているのを見て、何だか良く解らないが、不思議な気分でいたことは間違いない。
脱脂綿を買うのは、私が小学生の頃からアルバイトをしていた大辻商店だったが、店主はニンマリ笑いながら商品を渡してくれたことを思いだす。
我が家では女性は母と祖母だけ、他は皆男性だったので、それに関する話は出たことない。

★見つけた新聞記事を、下部にそのまま転載させていただいた。
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1月4日(金)
朝日新聞/朝刊・8・オピニオン
(私が変える)


自身の製造機でつくったナプキンを手にする
ムルガナンタムさん(右)と妻シャンティさん


ムルガナンタムさんの製造機でナプキンをつくる女性たち
=いずれコインバトール
(奈良部健撮影)


インドで衛生的な生理用品を使う女性(15~24歳)の割合
(インドの国家家族健康調査から)



「パッドマン」女性を救う
安価な製造機 働く場広げた
(インド)

女性の生理がタブー視されたインドで、安価な生理用ナプキン(パッド)を開発し、多くの女性を救った男性がいる。
その取り組みは、無知や偏見から通学すら諦めてきた農村の少女に学ぶ場を取り戻しただけでなく、女性の新たな就業機会ももたらしている。



妻の言葉契機に
男性はインド南部コインバトール郊外で金物技師をしていたアルナチャラム・ムルガナンタムさん(56)。
後に「パッドマン」と敬われる挑戦のきっかけは1998年、新婚の妻シャンティさん(42)が自宅で、汚いぼろきれを隠すのを見たことだった。
使い道を尋ね,生理の時に使うとわかって驚愕(きょうがく)した。
「スクーターの汚れを拭く布よりもひどいものだった」

当時市販されていた生理用ナプキンは5枚で30ルビー(1ルビー=1・6円)。
購入して妻に渡すと「家のミルクが買えなくなる。返してきて」。
ムルガナンタムさんの当時の月収は約5千ルビー。
妻の言葉にナプキンの自作を誓ったという。

インドでは生理が不浄なものとしてタブー視されてきた。
政府の調査では、貧困や意識不足から、15~24歳で衛生的な生理用品を使っていない女性は約4割に上る。
古い布や木の葉、灰などで代用するため、感染症の発生率も生理用品の使用者より7割高く、不妊や敗血症で死に至ることもある。
初潮後に学業を諦めたり生理中の通学を避けたりするケースも少なくない。

ムルガナンタムさんは安いナプキン作りには、安価な製造機の開発が欠かせないと感じていた。
ゴミ拾いをしながら女手一つで生活を支えてくれた母親の姿が記憶にあり、製造機の開発で「女性が仕事を得られる。女性が働けば、貧困や教育問題の解決の一助になる」とも考えた。

仕事場の工場でナプキンの試作を始めると、社会の偏見が見えてきた。
試作品を着用して改良に協力してくれる女性は見つからず、村人のほか、家族からも奇異の目が向けられた。
それでも、市販品の仕組みを調べようとゴミ箱で使用済みナプキンを探し、ヤギの血を使って自らナプキンを下着につけて漏れないかを実験。
試行錯誤を重ね、試作開始から6年後の2004年に、ようやく満足できる製造機を完成させた。


大手価格の半分
ムルガナンタムさんのナプキンの価格は現在、大手メーカーの半分の1枚約4ルビーだ。
製造機も10万~30万ルビーに抑え、これまでに国内4500の農村に製造機を無償や安価で配布してきた。
自身は古里で十数人の工場を営みながら、国内各地の学校を訪ね、衛生的な生理用品を使う大切さを講演している。

コインバトールにある障害児家庭の支援施設は3年前に製造機を贈られ、女性6人がナプキンを作る。
10年前に夫を亡くしたプレミラさん(50)は知的障害がある息子を連れて働き、月2千ルビーを稼ぐ。
「最初は人前でナプキンを触ることや、生理の話をすることができなかった。でも今は恥ずかしがることが間違いだと思っている」と話す。
同僚女性と家々を訪ね、試供品を配って回る日々という。

ムルガナンタムさんの半生は18年にインドで映画化され、日本でも公開中だ。
取材に対し「インドには課題が多いが、課題があるから頑張れた」と振り返った。
ナプキンや製造機の普及を優先して特許を取らなかったこともあり、手元に残った金は多くない。
でも、その製造機はケニアやバングラデシュなど発展途上国を中心に約40カ国にまで広がり、10万人の女性に仕事をもたらしている。



生理中女性「不浄」の地域も
インドでは女性を男性より低くみる考えが今も残る。
11年の調査では、男女別の人口比で男性1千人に対する女性は940人にとどまる。
6歳以下の女児に限ると914人とさらに少ない。

胎児の性別判断は禁じられているが、秘密裏に医師の診断を受け、女児だった場合に人工中絶を選ぶ例が後を絶たない。
生まれた後に殺害するケースも報告されている。

また、長年の慣習などから整理中の女性と食卓を囲まなかったり、屋外で就寝させたりする地域も残っている。

(コインバトール=奈良部健)