2010年12月4日土曜日

普天間は、県外移設しかない

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沖縄知事選が、20101128に投開票され、現職の仲井真弘多氏(71)が前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)らを破り、再選を果たした。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題に関しては、仲井真氏は「県内にはない。日本全国で普天間の解決策を見出していただきたい」と語った、と朝日新聞は報じていた。

かっては、仲井真氏は辺野古への移設を条件付で容認していた。が、今回の選挙では、一転「県外移設」に路線変更した。伊波氏は一貫して「国外移設」を訴えた。両者とも「県外移設」については同じ。ただ、仲井真氏には変節の経緯が胡散臭い、先の衆議院選挙を見て、県内には受け入れられないとする民意が多いと判断したのだろう。知事に留(とど)まるには、路線変更しかないと。このズルそうな胡散臭い人間に民主党はすがろうとしている節がある。民主党は、この知事は使えるとでも思っているのだろうか。でも、民意はそれを決して許さないだろう。

民主党の鳩山由紀夫氏は、日米合意を知りながら、まさか知らなかったってことはないだろうが、移転先は国外、最低でも県外と言って衆議院選挙に勝って、民主党政権の初代の首相になった。日本の安全保障や抑止力としての沖縄の存在、その基地による被害の甚大さを考えたことはあったのだろうか。結果的に、沖縄県民の心を弄(もてあそ)んだ。数々の鳩山首相の失政の締めくくりは、この沖縄の人々の心を馬鹿にしたことだ。新聞記事では遠慮がちに沖縄の人々の心を軽視したなんて表現していたけれど、軽視じゃない、馬鹿にしたのだ。沖縄の人たちを大いに怒らせることになった。

ところがどっこい、やはり民主党の新政権に早々と米国が突きつけたのは、日米合意の実施だった。こんなことは、解っていた筈だよね日本の首相の鳩山さん、菅さん、ときたもんだ。菅首相は難しい顔で本当に納得したのか、しなかったのか、オバマ大統領と日米合意に基づいて行動することを確認し合った。

そして、今回の沖縄知事選挙に政権与党の民主党からは、公認でも推薦でも、候補者を立てることはできなかった。立てられなかった。政権与党の候補者が立てられなかったことに、何か党としてのコメントがあったのだろうか。民主党が、党として発したのは、党員に対して地元候補者への応援に規制をしたことぐらいだ。この選挙についての、党としての考え方は、最後まで聞けずじまいだった。

沖縄にも、普天間基地移設反対の人々はいる、日米合意を尊重しようとする人々はいる。政権与党として日米合意を尊重しようとするならば、当然党の考えを持つ候補者を、自党の公認もしくは推薦候補として、民の声を聞くべきではなかったのか。今回の選挙が盛り上がりに欠けたのは、普天間基地移設反対の人たちが、声を上げるチャンスがなかったからではないか。

そして、昨日20101202、仲井真知事が菅首相に会って、この知事選で公約に掲げた「県外移設」を主張した。首相は、米軍普天間飛行場を名護市の辺野古湾一帯に移設するのは日米合意なので、理解をして欲しい、と意見交換がなされたと朝日新聞は報じている。

投票者のほぼ全員の意見は、普天間飛行場の移設は、国外か県外かのどちらかなのだ。移設反対、日米合意に従うべきだと投票した人の数は把握できていない。政権与党の考え方「日米合意を基づく移設を行う」を民意に諮(はか)らなかったことをどう考えているのだろうか。かって、辺野古への条件付で容認していた人たちも、仲井真知事もかってそうだったが、こぞって県外移設になびいていった。

もう、日米合意の見直しをやるしかない、絶対県内移設はありえない。民意が許さないだろう。

それともかってのように琉球国として、独立しましょうか。