2011年4月2日土曜日

この恐(おっそ)ろしい放射線

東日本大地震による津波で制御不能に陥っている福島第一原子力発電所から発生している放射線濃度の報道で、放射線に関する特別な用語が頻繁に使われていて、そのどれもが難しい。

そんなことを気遣ってか、20110315の朝日新聞に、放射線に関する用語(放射線物質、被爆、シーベルト、除染、安定ヨウ素剤)の説明がなされていたので、その記事を転載させていただいた。個人的な備忘録ってとこか。こんな用語を備忘のために尽力するなんてことは、あんまりいい話ではない。

放射能とは、物理学的な定義では放射線を出す活性力(放射性、放射活性、放射線を放射する程度)を言う。また日本の媒体等では「放射能を浴びる(飛散する)」などと誤用されていることが多い。そして、放射線とは一般的には電離性を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線のことを指す。---Wikipediaより

下の用語の説明は、解りやすく書かれているものの、体育会系の私にはもっともっと説明してもらい、自ら学習しないと、理解というにはまだまだほど遠い。

 

放射線物質

放射線を出す物質。原子力発電所の事故で、住民の健康への影響が問題になることが多いのは、放射性のヨウ素131やセシウム137、ストロンチウム90など。ヨウ素131は、体内に入ると甲状腺に長くとどまり、甲状腺がんの原因になることもあるが、薬で一定の予防や治療ができる。セシウム137やストロンチウム90は放射線を出して壊れ、半分になるまでの期間である「半減期」が約30年間と長い。食べ物などから体内に取り込まないように予防が大切。これらは体内で骨や筋肉の成分などとして蓄積しやすい性質をもっている。

 

被爆

放射線が人体に当たること。体の外から被爆する「外部被爆」と、放射線物質を鼻や口などから吸い込んでしまって体内から被爆する「内部被爆」がある。内部被爆は、放射性物質を含んだ空気を吸い込むだけではなく、汚染した物や手を口にしたり皮膚や傷口から入ったりしても起こる。防ぐためには、まず外出を控え、窓を閉めるようにすること。屋外にいる時には、マスクやハンカチなどで鼻や口を覆い、呼吸で取り込まないようにする。大気中の放射性物質が皮膚に付着しないように、なるべく皮膚の露出を抑えるといった注意も心がける。

 

シーベルト

放射線を浴びた時の人体への影響を表す単位。放射線にはいくつもの種類があり、人に対する影響度は違う。それを共通の尺度で測るための単位だ。人は世界平均で、普段の生活でも年間2,4ミリシーベルトの放射線を浴びている。1時間あたりに直すと0,274マイクロシーベルトだ。胸部のCTスキャンの1回の放射線量は6,9ミリシーベルト。一度に大量の放射線を浴びた方が体へのダメージは大きい。業務に従事する人の年間上限は50ミリシーベルト。約500ミリシーベルトでリンパ球減り、1000ミリシーベルトで吐き気や嘔吐の症状が出てくる。

 

除染

体についた放射性物質を取り除いたり、減らしたりすること。放射性物質を周囲に広げたり、体内に吸い込んだりしないために行なう。全身に放射性物質が付着していないかを測定したうえで、汚染が確認された場合に実施する。服を脱ぎ、ポリ袋などに密封する。体の表面に放射性物質が付着していた場合は、タオルを使ってぬるま湯で洗い流す。せっけんと水でよく洗えば、皮膚表面の汚染は除ける。皮膚が赤くなるほどこすったり、つめを立てたりはしないようにする。除染したら、再び全身を測定して、放射性物質が取り除かれたか確認する。

 

安定ヨウ素剤

放射性物質の一種であるヨウ素131が体内の甲状腺に取り込まれるのを防ぐ薬。体内被曝による甲状腺がんを防ぐ効果がある。あらかじめ吸い込むことが予想される場合に予防的にのんだり、吸入後に治療的にのんだりすることがある。ただし、一時的に副作用で甲状腺機能が低下する可能性もある。成人は甲状腺がんになる恐れがほとんどないことなどから、原子力委員会によるヨウ素剤予防投与の方針は、40歳未満の人を対象として、1回のみの服用としている。また、ヨウ素過敏症の人などは服用してはいけないとしている。

 

追記

被爆と被曝の言葉の違いも確認しておきたい。原爆の被害を受けるのが被爆。放射線にさらされることは被曝と書く。