20120404(水曜日)、今日は弊社の営業部の定休日。
そして、私の次女の長男、孫・晴の春休み最後の日だ。数日前に次女に電話をして、今度の水曜日は晴と遊びたいんだがどうだ、と打診してみたら、大いに歓迎する、との返答。それからの私は一日を楽しく過ごすための企画立てに没頭した。
そこで、次女に提案したのが、ドラえもんの映画だったが、それは簡単に却下された。お世話になっている社長さんの会社は映画の興行会社なのだ。晴はそのような映画には、もう興味を持たなくなっているらしい。喜ばしいのか、当然のことなのか解らない。
次女からの提案は、今、平泳ぎに夢中なので見てあげてよ、ということでゴミ焼却で出た熱を利用した狩場のプールに行った。10時から18時まで、時間無制限で大人は400円、子どもは100円。
驚くなかれ、私は快調に泳げた。バタフライ以外の全ての泳ぎで、25メートルプールを20往復した。そこまでは数えた。腕は抜き手で足はカエル風、顔を上げて泳ぐ古式泳法も孫に見せた。ジジイもなかなか、やるもんだ。晴もよく泳いだ。2~3年前までは、プールではもぐったり、私の背中に乗ったり、遊ぶことに夢中だったが、今は泳ぎに興味をもっている。
50分間は泳ぎ放し、そして1時間でプールを出た。まだ11時だというのに、腹を空(す)かした二人は、食堂で次女が作ってくれたお握りで昼飯。自販機でたこ焼きとドリンクを買った。
明確な意志をもつ、元気な子どもだ。俺の自慢の孫だ。
児童公園では、梅や桜、菜の花が満開だった。池では老人仲間が10人ほどでクチボソを釣っていた。二つの竿を全員で交代していた。釣果、小さな缶の中は大漁を証明していた。カウンター機は17匹とあった。小さな魚は放(リリース)していた。エサはパンの切れ端を、鼻糞ほど小さく丸めて釣針につける。魚がエサを突っつけば直ぐになくなるので、しょっちゅう糸を引き上げて、エサの様子を見なければならない。
池にはカワセミがいた。太公望らからは遠く離れた池の端、二本の枯れ木が並ぶ、その1本の幹の先端にカワセミがとまっていた。魚影でも見つけば、今にも飛び突きそうな緊張した様子だ。池は浅いが、水中に潜(もぐ)って魚を捕まえる。通りかかったオバアちゃんが、あそこではカワセミのいい写真が撮れないんだよ、日光が反射してね。オジイさんたちが居なくなれば、もう少しこっちの方に出てくるので、そうすれば、いい写真が撮れるんだよ、と聞きたくもないのに、勝手に喋って、何処かへ行ってしまった。私らと離れる間際に、北島選手は偉いなあ、4度目のオリンピックに出るんだって、と言い置いた。
この男の運命は如何に。今日は晴に元気を貰った。
カメラマンは、晴だ。
昨夜は友人から貰った菜の花を炒めて食った。ここにあるのは、施設の菜の花。勝手に採取して晩飯のおかずにはしてはいけません。ごもっともでござい、だ。
この男の後ろ姿からは、いつもパワーを感じる。私は自分の幼少の頃を思い出す。
梅園だ。沢山の梅の花から、甘い香りがして気持ちいい。幾種類もの梅の木が植えられている。桜も桃も、梅も、今日は同じように咲いている。昨日、ソラちゃんと、ここに梅を見にきたんだと言っていた。ソラとは、私の長男の娘で、愛称はソラマメだ。晴の従妹(いとこ)だ。
それから移動、天王町の弊社に車を置いて近くの公園でサッカーをした。晴のキックの上達に舌を巻いた。本気で驚いた。右利きの晴が左足に力を込めて蹴れるようになった。私の失敗したキックに対しても、惜しみなく駆け出すさまは、もう、まともにサッカー選手だ。父にも、ジジイにも、やらされているという感じはない。
自律したサッカー少年になっていることが、嬉しかった。
弊社で水をガブガブ飲んだ。社員の行動予定を書き込むホワイトボードの隅っこに、今日のスイミングクラブは休みたい、と落書きしていた。夕方、5時からスイミングの予定が入っている、私はそれまでのお付き合いだ。
そして、本日最後のノルマは、イーハトーブの果樹園で金柑の採取だ。晴は、かって私がしつこく彼に言ったことを覚えていた。金柑、皮(かわ)食(く)て、実(み)、やろうか。金柑は実よりも皮の方が美味しいことを、祖母が私に教えたフレーズだ。
柿の木の間に金柑。イーハトーブには金柑が3本あって、1本は久里浜の収益物件から、、他に和田町と鴨居の中古住宅から移植したものだ。今年は200個ほど採れた。今日はその残りだった。
この男は、いつも可愛い仕種(しぐさ)をする。
金柑を20個ほど採った。家族へのささやかな土産だ。こんな、晴との春休み最後の休日だった。楽しかった。