2012年4月30日月曜日

猫さんの五輪出場に思う

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20120325 タレントの猫ひろし(本名・滝崎邦明)(34)が、次のロンドン五輪にカンボジア代表として出場が決定したと、同国のオリンピック委員会のワット・チョムラーン専務理事が明らかにした。

五輪の陸上では、参加標準記録を突破した選手が1人もいない国・地域は、男女1人ずつがいずれかの種目に出場できる「特例」があるそうだ。

へえ!!そうなんだ?と、新聞記事を読んで思った。が、そのうち、関心は薄れていた。会社で、みんなに聞いても、誰もが、どうでもいいようだった。日本では珍しいが、海外では外国籍を取得してメダルをとった選手はいく人もいる。

陸上のある種目では、1位から4位までが、国は違えども、全ての選手が国籍変更組みだったことがある。元の出身国はケニアだったりナイジェリアだった。

でも、何で、猫がカンボジアなんだ。そして、猫の記録が飛び抜けてもいないのに、そんなことをしてまで、オリンピックに出たいと思う本意は何か。

私にとって猫は、日本にいる多くのマラソンランナーのなかでも、早い記録を持っている1人のランナーぐらいの認識だ。それよりも、猫のために出られなくなるカンボジアの選手のことを気の毒に思う。

そしたら、20120414の朝日新聞に「猫ひろし 五輪ピンチ」の記事が目に入った。以下細字は、当日の新聞記事のまま。国籍変更選手の国際大会出場資格に関する国際陸連(IAAF)の規則に抵触する恐れが、今回のIAAFの規則の変更で、出てきたそうだ。

 

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昨年までは、国を代表して国際大会に出た経験のある選手が原則、国籍変更後3年を経過しないと新しい国を代表して出られないという規則だけだった。

しかし、最新のIAAF競技規則第5条2項には代表経験のない選手に対しても、、国籍取得後1年を経ないと出場できないという規則が加わった。ただ、現地に1年以上継続して住んでいるか、IAAF理事会が特別に認めた場合は、例外として代表になれる。

 

このように新しくできた規則に照らし合わせて、今、IAAFはカンボジア陸連に問い合わせ中だそうだ。

そんな最中に、猫に強力なライバルが出てきたのだ。

同国のヘム・ブンティン選手が先のパリ・マラソンに出場して、猫のベスト記録よりも7分も早い記録をたたき出した。ネット情報によると、ヘム・ブンティン選手は、走行中腹痛に襲われ、トイレに駆け込み、1分25秒もロスタイムしてしまった。

結論。

猫は自らの意志で、カンボジア代表としてオリンピックに出場することを辞退すべきだ。実力で、猫よりも好タイムの選手が同国から現れたことで、何も、国籍まで変更して同国の代表選手として出場する意味がなくなった。邪(よこしま)な言い方を許してもらえれば、大概の人は、猫が芸能人としての自分の商品価値アップのためで、カンボジアのことなんて何も考えていない、と思っているだろう。私は、そのように考えている。事実、そんな目論見かもしれない。

猫さん、視点を変えよう。国籍を日本からカンボジアに変えたことで、猫には思いもよらぬ、仕事の領域がぐうんと広がるように思うのだが、どうだろうか。普通、なかなか、そう簡単に国籍を変えられるものではない。お笑い芸人だからこそ、両国の友好の架け橋のために働ける仕事は多彩だ。生まれ育ててくれた日本、何故だか国籍変更に応じた不思議な国、カンボジア、縁が生まれた両国のために、マラソン以外で頑張って欲しい。

例え、同国の代表選手として出場しても、自身に不本意な思いだけが残る結果になること間違いない。だって、オリンピックに出場するには自己タイムが悪過ぎる。2月の別府大分マラソンでは2時間30分26秒で、50位だった。ちなみに、今回のロンドン五輪の参加標準記録は2時間15分。

お笑いを職業にしている猫さん、お笑いは常に何もかもが平和な状態にあってこそ、その職業の役目は発揮されるものだ。お笑い芸人には揉め事は不似合いですぞ。ちょっとでも早い目に、辞退する旨の真情を吐露すれば、カンボジアからも当然日本のファンからも、親しみをもって歓迎されるだろう。

さらなるお笑い芸人としての飛躍に、期待したい。

辞退することこそベストな選択だと思う。