2014年1月17日金曜日

詰めが甘くなる理由の1つ

日経新聞の武智幸徳氏が、20140110の日経新聞・朝刊スポーツ欄、「アナザー ビュー」で、長年、ドイツをメインの舞台にして、選手の海外挑戦やチームの海外遠征の仲介等の仕事をしている近江孝行さんから、日本とドイツのサッカー事情の違いなどヒヤリングしたものを、記事にしていた。

私は高校、大学とサッカー部に所属して、まじめに活動した。大学の卒業年度には、全日本大学サッカー選手権、関東大学サッカー選手権の2冠を獲得する栄誉に輝いた。私のたった一つの自慢だ。40余年前のことだ。

記事は、近江さんが、ドイツの練習環境や育成部門の指導内容について、日本と比較して話していた。その会話の内容が、みんなには「目から鱗(うろこ)落ち」級だろうが、私にとっては、前々から感じていたことだった。

私のサッカー漬けの日々も、下の記事のようなことを当然のように教えられ、受け入れ、練習ではそのように忠実にプレーしてきた。

昨今の日本代表の守備の甘さの元凶は、この辺りにありそうな気がする。

日本の選手はボールにアタックに行かずに間合いを取って見ることが多い。それが相手を十分に制御できていないようにドイツのコーチには見える。小さい頃から「簡単に飛び込むな、という指導を受けているせいかもしれない」と近江さん。

技術、戦術、判断、いろんな武器の土台としてまず「1対1の戦い」に勝つことをドイツは求める。日本は正面衝突を避けながら数的優位な場所に追い込んで最終的に数の力でボールを奪い取ることを教える。身体能力の低さを知恵と工夫でカバーするそんな身の処し方が、「消極的」「戦えない」となって叱声の対象になる。

 

ところが、試合では、、、、、

私が大学時代にFBをやっていた時には、私の後ろにはスゥイパー役の全日本代表の後輩がいて、私がマークしている相手がパスを受けようとすると、私は素早く限界まで、無我夢中で、それでも安心して間合いを詰めた。そのためには、試合の流れの先を早く読み取り、1歩でも早く動き出すことが、肝要だ。私には、様子を見て間合いを詰めるような余裕はなかった。相手が確実にボールをキープすると、もう私の技術ではどうにもならないので、詰められるときにできるだけ詰めたのだ。

それが、うまくいったのだ。

万が一、間合いを詰め過ぎて、私がフェントをかけられて、ちょんと外されても、相手の懐深くアタックさえしていれば、相手がボールコントロールを少しは狂わす、後ろに控えたスゥイパーが、すかさずカバーリングをする。二人で守り切る暗黙の了解があった。ヤマオカさん、どっちつかずだけはやめてくださいね、と言われていた。

そして、2冠を取ったときに、部員のみんなに言ってはばからなかった。それは、俺程度のプレーヤーが活躍するようでは、大学サッカーのレベルは低過ぎる、その認識を持たなアカンで、と。