2011年8月28日日曜日

耄碌した弁護士ほど、怖いものはない!

年をとれば、記憶力が鈍り、新しい情報を入手するにも億劫になり、高度な判断が求められる際にも、的確な指示が出せなくなることが、一般的には多々(おうおう)にあることだ。憲法は兎も角、各種の法律、条令、省令、施行細則、税制に関するものから、商法、刑法、民法、我々の仕事には宅建業法が身近にあって、それらの仔細に至るまで、日々めまぐるしく改定されている。これらの法律に関わることを生業にしている人は、その理解に大変だ。

今回は、年老いて知的能力が弱り果て、特に判断能力が鈍った人間が、弁護士の資格を普通のように振る舞ったら、それに関わった人は、えらい目に遭うって話なのだ。

そりゃ、人によっては、100歳前後になっても、矍鑠(かくしゃく)として、団体の役員や会社の重要なポジションで働いている人がいることも、充分に承知はしている。

6年前に、老人ホームに入るために不用(要)になったご婦人の住宅を、弊社で買わせて貰う契約の締結をして、手付金をご婦人に渡した。この売主は、現金を持ち歩くのは不安なので、不動産屋さんの田さんに、銀行まで付き添ってもらって入金した。

弊社としては、売主は高齢だということで万全の注意を払った。また懇意にしている弁護士さんがいると仰るので、契約の前に、その弁護士に取引の内容を報告した。弁護士は、老人だけれど、判断はつく人なので、よろしく頼みますと返答してきた。契約締結後は全ての関係書類をファックスで弁護士事務所に送った。

それから、契約に決められたことが進まなくなってしまったのだ。売主であるご婦人が、契約を締結したことを恰(あたか)も忘れてしまったような言動をし出したのだ。

どうしたらいいのか、と担当弁護士事務所に再三再四、足を運んで、善後策を練りながら弁護士に説得してもらったが、虚しく、契約は完結しないまま、宙ぶらりん。その時に、弁護士は、売主の代理人になって、買主である弊社の権利を守ることも含めて多くの書類を作ってくれたが、結局、やっぱり宙ぶらりんの状態に入った。

この時、困っている弊社の事情は理解できるものの、手付金は少額なので、裁判をおこすこともないでしょう、と説得され、当面、当該物件に所有権移転請求の仮登記を設定しておいて様子を見ましょう、ということになった。この登記を設定する際にも、何故、この登記を設定するのか、その内容を書面にして残した。

そして、この物件のことは、弊社も売主も、弁護士も不動産屋も、暫く様子をみましょう、と本格的にお蔵入りした。当時、弊社は年間300件近く扱っていたので、この物件は保留物件として、関心が薄れていた。

そして、6年後の今日のことだ。

一番最初に話があった時から、何かとこの仕事に関わってくれた不動産屋の田さんに、今度は老人ホームに入るのが確実になったので、何とか、この住宅の売却の手助けをしてくれないか、と担当弁護士から打診があって、早速、田さんは私の所に連絡をくれたのです。

そして、それから、、、、、のことが、この稿で問題にしたい事柄なのだ。

この物件には、色々問題があったけれど、弊社には縁があったのでしょう、購入させて頂きますと返答した。なんせ、この物件には弊社の仮登記が設定されたままなのですから。

ところが、過去6年前に、売買契約が弊社にとっては違約されたままの状態だったので、買主である弊社の権利を保全するために、この弁護士が作成した覚書や、確認書のことを、私が説明しても、この弁護士は忘れてしまっていたのだ。

忘れてしまっていて、私が弊社の権利を主張すると、あんたが、そんなこと言うなら、それは裁判だ、と断定して、私の言うことに聞き耳を全然持とうとしないのだ。過去に作った書類さえ目を通そうとはしないばかりか、私を面罵した。

この仮登記の扱いについては、弊社のことを考えて設定した訳ではなく、仲介の労を取ってくれた田さんの為に設定したのであって、あなたの会社とは関係ありませんよ、と全くに白々しく、平気で言われたのだ。

私が、粘って、少し書類でもご確認してください、と丁重にお願いしても言下に、断られた。

こんな耄碌ジジイ弁護士に、どう対処したらいいのだ。

ここで、未だ現役でバリバリ働いている年老いた弁護士さんに、お願いがあります。どうか、ご自分の能力を、過信なさらないで頂きたいのです。個人差があることも認識しています。仕事好きで、仕事に熱心な人ほど、仕事を辞める気が起こらないのでしょうが、ここは、勇気を振り絞って、同僚や、関係者の人の意見を聞いてみてくださいな、そして、その対処にベストの道を選んで欲しい。

このことは、弁護士だけではなく、公認会計士、税理士、司法書士、その他タイトルをお持ちのあなた、よく、考えてください。