20110909の朝日新聞・朝刊の社会面で知った。
「九州に持ち込むな」反対メールで、福島応援ショップ中止
新聞記事によると、東京電力福島第一原発事故で苦しむ福島の農家を支援するため、福岡市内で17日に開店予定だった産地直送品の販売店「ふくしま応援ショップ」が、施設側の要請で出展を取りやめた。「福島からのトラックは放射能をばらまく」などと書かれたメールや出店に反対する電話が相次いだためという。
店を運営する市民グループによると、メールは出店を予定していた農作物直売所が入る商業施設「マリノアシティ福岡」(福岡市西区)とプロジェクトに参加している食品宅配組織に届いた。「九州に福島の物を持ち込むな」「地域の汚染が広がる」などの内容で、出店発表後に計15通が届いた、とある。
これも、テロだ。
このメール送信者に強い憤りをもって、批判、非難する。私の日常では滅多に使わない言葉だが、恥を知れ、と叱責する。一方的に自分の主張したいことだけを相手に伝える、この伝達手法が私には気に食わんのだ。このようなケースの場合にメールがよく使われる。他人と違う考えを持つことは自由だし、どんな表現方法を選ぼうが、それも自由だ。
が、この類の意見を述べる場合には、声高に名を名乗るべきだと思う。私憤をひけらかしても、話にならない。幾人かの公憤同調者が名乗りを挙げ、初めて話し合いがもたれるのではあるまいか。民主主義の基本は、意見の齟齬を、乗り越えることと学習してきたではないか。
東日本大震災、そして福島原発事故で、大変な被害に遭った地域や住民の方々のことを考えると、心中掻き乱される。そのことを慮(おもんばか)っての今回の企画だ。演劇人や歌手、スポーツ選手、それ以外の多くの人たちも、支援活動を、個々にできることを大いにやっている。大変なことだ。
それに比して、私は何もやっていない。私は、私のことで精一杯なんだと言い訳しながら。実に、情けないと思う。
気がつけば、東の方に向かって頭(こうべ)を垂れている、ただ、それだけの自分に腹立たしい。
店に並べる予定だった品は、震災前に収穫して加工した梅干やラーメンなどで、それでも念を入れて放射線量を測って、販売する予定だったようだ。主催者は、消費者が買う買わないかの前に、店頭に並べられないことにショックをうけている。
この素晴らしい活動に何が文句あるのか、正々堂々と出てきて、話し合いをしようではないか。それもできないで、メールだけを寄こすあなたは、非常に卑怯ですぞ。