20110910の朝日新聞・朝刊/金融情勢 、の記事を下に転載させていただいた。
弊社を設立の折、会社の創業の精神を追究し、会社の将来のイメージを描いた。楽しい日々だった。その時にずうっと捕らわれていたキーワードがパラダイムシフトだった。そういう訳で、社名を、パラダイムシフトを簡略して、住宅をメインに取り扱うのでハウスを付けて、パラディスハウスにしたのだ。
創立後、業務に関して、何かにつけて常に「パラダイムシフト」を意識している。
このパラダイムシフトを題名にした経済記事を新聞に見つけた。記事の内容は車に関することだが、我々も、業種は違えども、発想はこうでなくちゃ、と思ったので、興味深く読んだ。読んだら、書き写して残したくなるのが、私の習癖。
鳥渡(ちょっと)一息、脱線させてくださいな。
先日、横浜の馬車道を歩いていて、店のショーウインドーに、[PARADIS]と書かれているのを見つけた。店の中にはバッグやネクタイなどのブランド品らしき品物が整然と並べられていた。私には縁のない品々だ。咄嗟にわが社の社名と似ている、と気づいてしばしその場に佇(たたず)んだ。そのまま通り過ぎるわけにはいかない。店に入って、自分の名刺を差し出し、私の会社の社名がPARADI.Sであることを告げて、このウインドーに書かれているのは社名なんですか、と尋ねた。社名だとしたら、命名した動機や根拠を聞いてみたかった。
店長さんか社長さんか、英語ではPARADISE(パラダイス)をフランス語では、PARADIS(パラデイス)というらしいのですよ、と返ってきた。なあ~んだ、がっかりした。店長にとっては、余り愉快な話でもないわけで、これ以上の会話は生まれなかった。誰か、フランス語でPARADISは、どのように発音するのですか、教えてくださいな。私の周辺には、英語の達人はいても、フランス語を理解できる人がいないのだ。
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経済気象台
パラダイムシフト
窯
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100年に一度の不況、千年に一度の大災害を受けた日本の製造業は、常識を見直し、成長戦略を再構築する機会を得た。
その好例を商用車ブームに沸くインドネシアで聞いた。2・4億人のこの大国で、小口物流用トラック需要も拡大している。
だが、インドネシアでは道路網の整備が遅れている。鉱山や農園地帯の道路は舗装されておらず、道幅も狭い。その悪路を石炭やパームヤシを満載したトラックが息つく暇なく走りまわる。
常識では考えられない使われ方も横行している。日本の規格で2トン積みのトラックに5トン以上積むのは当たり前。10トン積んで走行する場合もある。10トン積みに30トン以上の鉱物資源を積載するのも当たり前だ。
その状態で悪路を走行するとどうなるか。常識では、規格外の使い方はダメ。トラックが壊れた責任は使用者にあるとしてきた。しかし、「非常識」な使われ方が当たり前の国では、積載量に耐える荷台、サスペンションを備えたトラックへの改造が進んだ。独特の使用方法に合わせて修理体制を整備することが競争の焦点になった。
関係者はこれまでの常識が新しいビジネスチャンスの獲得を妨害してきたと反省する。市場が基準を作るのであって、先進国の基準は役に立たない。
従来の考え方が劇的に変わることをパラダイムシフトという。経済発展とともに需要構造は変化する。市場が求める製品を供給する製造業の役割も変わらない。常識に捕らわれた考え方こそパラダイムシフトすべきで、素直な市場変化への対応が問われる。