2011年12月11日日曜日

年末恒例、四字熟語

毎年、この時期になると住友生命が、この一年の世相を表す創作四字熟語を一般から募り、その中から幾つかを朝日新聞の天声人語で紹介している。

この企画は、住友生命の年末恒例の行事で、天声人語も恒例になってしまった。私は、いつもそれを楽しみにして、マイファイルしている。

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20111209

天声人語

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年中行事さながらに、今年もまた総理大臣(宰相)が交代した。5年で6人の体(てい)たらくに皮肉をこめて「年々宰宰」。住友生命が募った年の瀬恒例の創作四字熟語に、特別な年となった2011年を振り返る作が多く寄せられた。

東日本大震災は未曾有の被害をもたらした。夏には大型台風も襲い「天威無法」を見せつけられた。首都圏は交通ストップで「帰路騒然」。原発事故で多くの人が非難を強いられ、「帰郷村望(そんぼう)」の思いで年を越す。

だが災いの中、人は助け合い、励ましあった。「福幸(ふっこう)支援」のために内外から多くの「愛円義援」が届いた。人だけではない。岩手県陸前高田市の奇跡の一本松は「一松(いっしょう)懸命」に立ち続ける。神々(こうごう)しい姿に「願晴(がんばれ)東北」のエールを聞く。

不足して知ったのは電気のありがたみ。関東一円は「計欠(けいかく)停電」にあわてた。迎えた夏。電気食いのエアコンに代えて、うちわの風、緑のカーテンに涼を求め、「電考節夏」で猛暑をしのいだ。次には冬の節電が待つ。

政治は今年も頼りなかった。「賢泥鰌来(けんどじょうらい)」の野田政権が船出したが、賢い?泥鰌は国民に語らず、代わって大臣や官僚が「舌禍繚乱(ぜっかりょうらん)」のお粗末ぶり。TPPでは「参否農論」真っ二つ。「欧州憂慮(ゆうろ)」の経済危機も年を越す。

明るい話を忘れてはいけない。世界に誇る「才足兼美」のなでしこジャパン。各賞を総なめの輝きだ。2位じゃだめ、と奮起したスパオン「京(けい)」が計算速度でお見事「世界最京(さいきょう)」に躍り出た。熱あるところに、花が咲く。